「いぶりがっこ」は、燻煙乾燥という独特の手法で作られる、全国でも珍しい“燻製たくあん”。秋田県の名物で、とくに本場として知られるのが内陸部の横手・湯沢地方です。江戸時代から漬物用大根の栽培が盛んな土地柄ですが、冬の間は雪が多く、外に干すことができなかったため、囲炉裏の上に大根を吊るし、焚き火の煙で乾かす方法を編み出したといわれます。
農家から茅葺き屋根や囲炉裏の姿が消えるにつれて、大根を燻す場所は専門の燻製小屋に変わりましたが、いぶりがっこ作りは、今も欠かせない冬支度のひとつ。11月に収穫した大根を縄で編んで吊るし、香りのよいナラや桜の木を燃やした煙で4〜5日間じっくりと燻します。水分が抜け、燻香がほどよく染み込んだ大根を塩と糠で漬け込み、50〜60日間熟成させると食べ頃に。1〜2月くらいから食卓にのぼります。
ちなみに「がっこ」とは、秋田弁で漬物のこと。ガツガツとたくさん食べるからという説や、京言葉の「雅香」から転じたという説があります。「いぶりがっこ」の燻香と歯触りは、まさに後をひく味わいです。
雪国の冬場の保存食として受け継がれてきた「いぶりがっこ」はまた、木、水、塩、糠など身近な天然素材と、燻煙や発酵という自然のちからを上手に利用した機能的な食品でもあります。
もともと大根はビタミンCや食物繊維が豊富な野菜。それが、燻煙によって凝縮し、さらに漬け込む中で糠のビタミンB1やミネラル類、たんぱく質など、米飯に不足する栄養分も加わります。そして、発酵で生まれる乳酸菌や酵母は特有の香味や酸味を与えるとともに、有毒な雑菌の繁殖を防いだり、腸の善玉菌を増やして体調を整えるなど、健康維持の助けとなります。
塩分のとり過ぎには注意しなければなりませんが、必要最小限の栄養が補給できて、ごはんとも相性の良い「いぶりがっこ」は、秋田の漬物文化が生んだ、スローフードの傑作といえるでしょう。
秋田では、お茶うけや日本酒の肴としても欠かせない「いぶりがっこ」ですが、特有の酸味とスモーキーな風味は、ウイスキーや赤ワインともよく合います。
単品ではもちろん、同じ発酵食品のチーズと組み合わせると、また新しいおいしさに。東京などでは最近、おつまみに「いぶりがっこ」にマスカルポーネチーズを添えて出すようなお店もでてきています。
ぜひ一度、お試しになってみてはいかがでしょうか。
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角館町にある食堂いなほでは、「いぶりがっこ」を中心に、四季折々のがっこを使った料理を小鉢に盛り、お重に並べた珍しい「がっこ懐石」(1,500円)が味わえます。
いぶりがっこの天ぷらや甘露煮、角館納豆といぶりがっこなど、計9品がお重に並び、ご飯はいぶりがっこの卵とじ丼。がっこの多様な魅力を手軽に楽しめます。
食堂いなほ

取材協力:秋田県東京事務所
いぶりがっこ |
・・・・・ |
5〜6cm |
むきえび |
・・・・・ |
100g |
焼豚 |
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3切れ |
レタス |
・・・・・ |
4枚 |
卵 |
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3個 |
ごはん |
・・・・・ |
茶碗4杯分 |
長ねぎ(みじん切り) |
・・・・・ |
1/3本分 |
しょうゆ、塩、こしょう |
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各少々 |
オリーブオイル |
・・・・・ |
大さじ2 |
いぶりがっこは千切りにする。えびは背わたを取り小口に切る。焼豚は1cm角に切り、レタスは1cm幅に切る。 |
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中華鍋(又はフライパン)にオリーブオイルの半量を熱し、いぶりがっこ、えび、焼豚を入れて炒め、えびに火が通ったら一度取り出す。 |
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中華鍋に残りのオリーブオイルを熱し、よく溶きほぐした卵を流し入れ、すぐにごはんを加えて木べらでほぐすように炒める。 |
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3.に2.を戻し入れ、長ねぎのみじん切りとしょうゆ、塩、こしょうを加えて炒め合わせる。最後にレタスを加え、ひと混ぜして火を止める。 |
いぶりがっこやえび、焼豚の塩分があるので、しょうゆ、塩はお好みで加減してください。 |







