夏になると食卓にも登場する「ところてん」。天突きという器具で麺状に押し出し、酢醤油や辛子でさっぱりといただきます。材料は天草という海藻で、煮溶かして冷ますと固まる性質を持っています。全国のさまざまな海域で採れますが、とくに伊豆半島の稲取産はコシが強く、コクのある「ところてん」ができるため、沼津藩の時代から、海女による天草漁が盛んに行われてきました。
天草は採った直後の乾燥も重要で、稲取では明治中期から干し場にやぐらを組んで、竹の簀の子の上に広げて乾かす方法を開発。砂がつかず、水切れや風通しがよい環境で作られた質の良い「稲取のさらし天草」は、名産地の評判をさらに高めました。
現在でも、漁や乾燥の方法はもちろん、「ところてん」作りの基本的な工程は、昔ながらの手作業が多いとか。時間も手間もかかりますが、良質の天草から生みだされる豊かな風味と口当たりは、本場ならではの格別な味わいです。
日本の食品の中でも「ところてん」は大変に古い歴史を持っています。飛鳥時代に制定された「大宝律令」で、「心太(こころぶと)」という名で登場しており、当時は上流階級の高級な食べ物でした。その語源は、天草が“煮凝る”様子を表わしたものといわれ、その後、呼び名を変え、「ところてん」となったのは江戸期のこと。庶民の間にも広がり、納涼茶屋などで売られていました。
涼菓などない時代、「ところてん」は、暑気を癒す有り難い食べ物だったのでしょう。
『清滝の水汲みよせてところてん』という芭蕉が詠んだ名句からも、目に口に、滝のような涼しさを誘う「ところてん」の魅力が伝わってきます。
天草と水だけで作る「ところてん」はノンカロリーで、見た目の涼しさだけでなく、実際に体を冷やす作用もあります。酢醤油をかけるのも、酢に含まれるクエン酸を摂り、醤油が汗で失った塩分を補うという、理にかなった食べ方といえるでしょう。
また、アガロースという食物繊維が豊富に含まれた、うれしい自然食品といえるでしょう。
伊豆稲取には、地元の天草を使った自家製の「ところてん」を販売しているお店も多くあります。そのひとつ、徳造丸海鮮家・志津摩店では、希望すれば「ところてん」作りも体験できます。天草を煮て容器に流し入れるまでの工程で、時間は約30分ほど。思い出とともに持ち帰り、冷蔵庫で1日冷やしていただくオリジナル「ところてん」の味はまた格別です。体験料1人1,000円(約3〜4食分 容器・黒蜜付き)。
賽の目に切って、黒蜜をかけても美味
●お問い合わせ:徳造丸海鮮家・志津摩店 http://www.1930.jp/ 0557-95-1232
取材協力・静岡県東京事務所
ところてん |
・・・・・ |
250g |
茄子 |
・・・・・ |
4本 |
青じそ |
・・・・・ |
4枚 |
おろししょうが |
・・・・・ |
小さじ1 |
薄口しょうゆ |
・・・・・ |
大さじ1 |
A:だし汁(1/2カップ)、黒酢(大さじ1)、塩(小さじ1/2)
茄子はへたを切り取り、耐熱皿にのせてラップをかけ、レンジ(600W)で約4分加熱する。 |
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熱いうちに氷水に入れて冷やす。ペーパータオルで水気をふきとり、皮をむき、たて6〜8等分に切る。 |
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ボウルにA:を入れてよく混ぜ合わせ、2.と水気を切ったところてんを和えて、冷蔵庫で30分ほど(調理時間外)冷やし味をなじませる。 |
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3.に薄口しょうゆを加えて和え、器に盛り付け、千切りの青じそとおろししょうがをのせる。 |
色よく仕上げるため、食べる直前に薄口しょうゆを加えて和えます。 |









