
永平寺で修行している間、修行僧たちは毎日、精進料理を食べて過ごします。
その大半が、大学を卒業したばかりの若い方だそうです。
味や量に不満を感じたことはないのでしょうか。
「たしかに初めは、味が薄いと思いました。焼肉やカレーが食べたいとも(笑)。
それが不思議なことに、1~2か月もたつと、素材そのものの味がおいしく感じられるようになり、
次第に好き嫌いもなくなっていきました」
精進料理は長く食べ続けることで、おいしさがわかる食事のようです。
永平寺が開かれた1244年から、ずっと変わっていないという朝食。玄米粥とたっぷりの黒ごま塩が、修行僧たちの健康を養っている。
根菜など具だくさんの味噌汁。ごまをたっぷりかけた野菜の油炒め。それに、麦飯とお漬物。ごまを利用することで、味にコクを出すと同時に、菜食に不足しがちな栄養を補っている。
夕食は「薬石」と呼ばれる。夕食をとる習慣がなかった時代に、温めた石を懐に抱いて空腹をしのいでいたことに由来する。この日の献立は、すまし汁、野菜の煮物、りんごの酒粕和え、お漬物。境内でとれた銀杏の炊き込みごはんが、彩りを添えている。

修行僧たちの食事は、朝6時、昼12時、夕方5時。
毎日、規則正しくとられています。
食べ残しは許されず、おかわりは1回まで。
厳しいようですが、その食習慣が、健全な心身や
正しい味覚を養ってくれます。
高級食材や豪華な料理をおいしいと感じるのは、
自然なことかもしれませんが、
体においしいかどうかを考えて食べることも、
とても大切なのだと気づかされました。
銅製の「雲版(うんぱん)」を叩く音が、食事の時間を知らせる。