エイジングケアとは?肌が老化する原因や役立つ生活習慣

肌のシミ、くすみ、ごわつきは、ふとした瞬間に気が付くことも多いでしょう。それらは年齢肌のサインかもしれません。肌は、年齢に応じたお手入れ(エイジングケア)が大切です。

今回の記事では、加齢による肌の変化を解説するとともに、エイジングケアにつながる生活習慣やスキンケア方法を紹介します。エイジングケアに役立つポイントを知って、みずみずしく明るい肌を目指しましょう。

1.エイジングケアとは

エイジングケアとは年齢に応じたお手入れを指し、肌の場合は老化で生じるシワやごわつき、たるみ、くすみなどに対してケアをします。エイジングケアでは、肌の状態に合ったスキンケア商品を使うことで、肌本来のハリや潤い、透明感を手に入れられるでしょう。

肌が老化する理由はさまざまで、例えば、紫外線や活性酸素、血行不良などです。紫外線はシミの原因となるメラニンを増加させるといわれています。30~40代女性では、頬にできる肝斑というシミが濃くなる症状で悩まれる方も多いかもしれません。

活性酸素は角層内の脂質を酸化させ、たんぱく質と結合することで、肌を黄色く、くすませてしまいます。また、加齢により血行不良が起きると、顔の色が不均一となり色むらの原因になりかねません。

加齢によるトラブルが起こっている肌は年齢肌とも呼ばれ、女性ホルモンや成長ホルモンの減少も影響しているため更年期前後に気になり始める方が多いでしょう。

女性ホルモンには強い抗酸化力があり、肌を酸化から守るといわれています。また、みずみずしい肌をキープするほか、メラニンの合成を抑え、ハリをサポートするコラーゲンを増やすのも女性ホルモンの働きです。一方、成長ホルモンは、ダメージを受けた細胞を修復し、ターンオーバーを促す役割を担います。

女性ホルモンと成長ホルモンの減少は、肌が酸化ダメージを受けやすくなる、ターンオーバーが乱れるなどの状態を引き起こし、肌の老化を加速させることにつながるでしょう。

年齢肌の原因は1つだけではなく、いくつかの要因がからみ合っている場合があります。加齢による肌への影響を小さくするためには、正しいエイジングケアを知ることが重要です。

2.エイジングケアに役立つ生活習慣

年齢肌は長年蓄積されたダメージによって引き起こされるため、継続したエイジングケアが重要です。ここでは、体の中と外からイキイキとした肌へと導く方法を紹介します。

2-1.食生活の改善

性酸素により肌の脂質が酸化すると、くすみ肌につながります。抗酸化作用が期待できるビタミンA・C・Eやカロテノイド、ポリフェノールなどを含む食品を積極的に摂りましょう。

それぞれの栄養素を含む食品は下表のとおりです。

成分名 食品
ビタミンA うなぎ・まぐろ
ビタミンC ピーマン・パプリカ・ブロッコリー
ビタミンE アーモンド・キウイフルーツ
ポリフェノール ゴマ(セサミノール)
ブルーベリー(アントシアニン)
大豆(イソフラボン・サポニン)
そば(ルチン)
緑茶・紅茶・ウーロン茶(タンニン)
カロテノイド かぼちゃ、ほうれん草、にんじん(β-カロテン)
トマト、すいか(リコピン)
えび・かに・さけ(アスタキサンチン)

活性酸素は代謝の過程で生じるため、体内で毎日発生しています。栄養バランスの整った食事をベースに、抗酸化作用の高い食品をしっかり取り入れましょう。

2-2.睡眠をしっかり取る

細胞を修復し、ターンオーバーを促す成長ホルモンは、眠っている間に分泌されます。そのため、しっかり眠れていないと肌のダメージが十分に回復できません。また、成長ホルモンは保湿成分であるセラミドの産生にも関わるため、睡眠不足は肌の潤いにも悪影響を与えるでしょう。

良い睡眠を取るポイントは以下のとおりです。

  • • 生活のリズムを整える

  • • 寝心地が良い寝具をそろえる

  • • ぬるめのお風呂に入り、深部体温を高める

快適な睡眠環境は快眠のために欠かせません。質の良い睡眠を十分に取って、健やかな肌を保ちましょう。

2-3.適度な運動で血行改善を図る

肌の奥にある真皮・皮下組織には毛細血管が通っており、酸素や栄養素を運んでいます。血流が滞ると、酸素や栄養素を肌の細胞のすみずみまで届けられず、血色が悪くなることがあるでしょう。

血行を良くするには、運動が効果的です。筋肉を動かすことで血行が良くなり、肌へ酸素と栄養が運ばれやすくなります。適度な運動は健康に良いだけでなく、肌のくすみや色むらの改善にも役立つため、定期的な運動を心がけましょう。

2-4.適切なスキンケアを心がける

紫外線や乾燥などのダメージでバリア機能が弱まった肌は、外部刺激に敏感になったり、肌の水分が蒸発しやすくなったりすることがあります。その状態が進み、肌がさらに乾燥すると、小ジワやくすみ、ごわつきなど肌の老化へとつながりかねません。そうなる前に正しいケアを行ないましょう。

スキンケアは「洗う・補う・守る」がポイントです。洗顔では、熱いお湯を使ったり、強く擦ったりしないようにしましょう。

また、保湿は化粧水や美容液、クリームなどをたっぷり使い、ていねいに行なってください。ていねいな保湿は肌の潤いを保つだけでなく、ターンオーバーの周期を整えることにもつながります。

バリア機能を守るため、紫外線が弱い季節でも紫外線ケアや美白ケアは欠かさず行ないましょう。また、抗酸化成分が配合された化粧品を使って、活性酸素によるダメージを抑えるのも効果的です。

毎日のエイジングケアで笑顔が似合う素肌を目指そう

年を重ねると、これまで受けてきたダメージや女性ホルモン・成長ホルモンの低下などにより、シミやくすみ、ごわつきといった肌トラブルが起こりやすくなります。

加齢による肌の悩みには、毎日のエイジングケアが重要です。生活習慣やスキンケア方法を見直して、みずみずしく健康的な肌を目指しましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。