目次
1.目が痛い!眼痛のおもな原因
眼痛はおもに、目の表面で感じる痛みと目の奥で感じる痛みの2種類です。
目の表面がゴロゴロしたりチクチクしたりする痛みは、目の表面の炎症や目に異物が入っていることが原因として考えられます。
一方で目の奥に感じる痛みは、眼球や視神経の炎症、眼精疲労、頭部の異常などが原因と考えられるでしょう。その他に、頭痛や副鼻腔炎の影響を受けて、眼痛が起こるケースもあります。
ふいに、目にゴロゴロした異物感があったり、眼球の奥に痛みを感じたりした経験を持つ方もいるでしょう。
眼痛は、目の病気や角膜の異常などさまざまな原因で引き起こされ、症状も異なります。ウイルス感染の場合、人にうつすおそれもあるため注意が必要です。
そこで今回は、眼痛の種類や原因となる代表的な疾患、おもな症状について解説します。
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眼痛はおもに、目の表面で感じる痛みと目の奥で感じる痛みの2種類です。
目の表面がゴロゴロしたりチクチクしたりする痛みは、目の表面の炎症や目に異物が入っていることが原因として考えられます。
一方で目の奥に感じる痛みは、眼球や視神経の炎症、眼精疲労、頭部の異常などが原因と考えられるでしょう。その他に、頭痛や副鼻腔炎の影響を受けて、眼痛が起こるケースもあります。
ここでは、目の表面が痛い場合に考えられる、代表疾患と症状について解説します。
結膜炎は、白目を覆っている半透明の膜(結膜)が炎症を起こす病気で、アレルギー性・ウイルス性などの種類があります。
アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダストなど幅広いアレルギーの原因物質によって、起こる炎症のことです。
アレルギー性結膜炎には、次のような自覚症状があります。
・かゆみ
・ゴロゴロするような異物感
・目ヤニが出る
・涙が出る
ウイルス性結膜炎はウイルス感染によって引き起こされるもので、さらに人に感染するタイプと感染しにくいタイプに分けられます。
人に感染しやすいウイルス性結膜炎には、流行性角結膜炎・急性出血性結膜炎・咽頭結膜熱の3種類があり、これらは「はやり目」とも呼ばれるものです。一方、人に感染することが少ないウイルス性結膜炎は、帯状ヘルペスウイルスや単純ヘルペスウイルスがおもな原因とされています。
ウイルス性結膜炎のおもな症状は、次のとおりです。
・目ヤニが出る
・白目がブヨブヨする
・目の痛み
・充血
黒目の部分である角膜に何かしらの異常があると、眼痛を引き起こすケースがあります。角膜の障害には、角膜異物・点状表層角膜炎、角膜潰瘍などが考えられるでしょう。
目に異物が入る角膜異物の原因には、スクラブ剤入りの洗顔料やコンタクトレンズなどがあります。スクラブ剤や火山灰などが含まれた洗顔料は目の周りに使わず、使用時にはしっかりと目を閉じるように意識しましょう。
また、コンタクトレンズによる角膜の障害は、長時間の使用や不適切なレンズケアによるものが多い傾向にあります。独立行政法人国民生活センターによると、この障害は特に20~30代に見られ、その約8割が女性とされています。
眼球ではなくまぶたの炎症も、眼痛の原因として考えられます。具体的には、麦粒腫・霰粒腫・逆さまつげなどが挙げられるでしょう。
まぶたの一部が腫れる麦粒腫は細菌感染によって引き起こされるもので、「ものもらい」や「めばちこ」などとも呼ばれます。
麦粒腫のおもな症状は次のとおりです。
・まぶたの腫れ
・痛みやかゆみ
・赤み
・化膿
麦粒腫の炎症が悪化すると赤みや腫れが進み、化膿して膿が出てくることもありますが、膿が出たあとは症状が治まっていきます。
そして霰粒腫は、まぶた内に小さなできものが発生する炎症です。まぶたの皮脂腺が詰まって起こるもので、細菌感染はありません。
霰粒腫は基本的に赤みや痛みなどがなく、以下のような症状が見られます。
・異物感
・まぶたの腫れ
続いて、目の奥が痛む場合の代表的な疾患やおもな症状について解説します。
ぶどう膜炎は、目の中に炎症を起こす疾患の総称、失明に至るケースもあります。
ぶどう膜炎のおもな症状は、次のとおりです。
・目のかすみ
・まぶしく感じる
・虫が飛んでいるように見える
・眼痛
・視力低下
・充血
ぶどう膜炎の原因には、全身の免疫異常・細菌やウイルスによる感染症・悪性腫瘍・外傷などが考えられますが、原因が判明しないことも少なくありません。
眼精疲労は、十分な休息を取っても、目や全身に起こるさまざまな不調が解消しない状態です。
眼精疲労のおもな原因には、次のようなものが挙げられます。
・パソコンやスマートフォンなどを使用する機会の増加
・度が合っていない眼鏡の使用
・緑内障や白内障など目の病気
・精神的ストレス
このように、眼精疲労の原因として考えられるものは数多くあります。
目の奥が痛むその他の原因には、頭痛や頭部の異常、副鼻腔炎などもあります。例えば、片頭痛の場合には、目の奥に強い痛みを感じることがあるでしょう。また、くも膜下出血の症状として、目の奥に痛みを感じることもあります。
目の痛みには、角膜の異常や目・全身の病気などのさまざまな原因があるため、「実は重大な病気が隠れていた」ということがあるかもしれません。
特に目の奥が痛む場合には、失明に至る目の病気や頭部に異常をきたしている状態であることも考えられるため、注意が必要です。もし強い眼痛や視力低下を感じたら、早めに眼科を受診することをおすすめします。
いつまでもクリアな視界で毎日を楽しめるよう、日頃から自分の体調の変化を意識するとよいでしょう。
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医
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