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「亜鉛」の働きとは?役割や含まれる食べ物、一日の摂取量について解説

亜鉛は、人間が食品やサプリメントによって摂取しなければならない「必須ミネラル」の一つです。しかし、ミネラルといえば、鉄やカルシウムがイメージされがちなため、亜鉛の働きや重要性を詳しく理解していないという方も多いでしょう。じつは、亜鉛は健康を維持する上で重要な役割を担う栄養素といえます。そこで今回は、亜鉛の主な働きについて解説するとともに、一日に必要な摂取量、亜鉛が多く含まれる食品などもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.亜鉛とは

亜鉛は、「必須ミネラル」と呼ばれる人間の生命活動に必要不可欠なミネラルの一つです。亜鉛の他に、カルシウム、鉄、ナトリウム、銅なども必須ミネラルとされています。

そんな亜鉛は、炭水化物やアルコールなどの代謝にかかわる酵素の構成成分としても必要な栄養素です。成人の体内におよそ2,000mg(2g)存在し、体のありとあらゆる器官に分布しています。

また、亜鉛は汗の中にも含まれているため、スポーツなどで大量に汗をかいた後などは不足しがちです。そのため、普段から発汗量が多い人は、亜鉛が不足しないよう注意する必要があります。

では、亜鉛が不足すると体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。ここからは、亜鉛の主な働きや、亜鉛不足によって引き起こる症状などについてご紹介していきます。

2.亜鉛の主な働き

亜鉛の代表的な働きとして挙げられるのが、味覚に関連するものです。口腔内には、味覚を感じる「味蕾(みらい)」という器官が存在します。この味蕾を構成する細胞は新陳代謝が盛んですが、その際に亜鉛が関与していることが知られているのです。食事に違和感を覚える人のなかには、ダイエットなどで食事量を減らしている、または偏った栄養バランスの食事が続いている方も珍しくありません。

また、亜鉛はたんぱく質を合成するためにも必要です。新しい細胞が作られる組織、器官でも活躍するミネラルなので成人だけでなく、胎児や乳児期、小児期の子どもにも亜鉛は必要不可欠といえます。

3.一日に必要な摂取量(目安)

18〜29歳の女性に推奨されている亜鉛摂取量は1日6.0mg、男性の場合は7.0㎎です。30~49歳の女性は6.5㎎、男性は7.5㎎。50歳~69歳の女性も6.5㎎、男性も7.5㎎です。妊娠中の場合、初期は+2.5mg、中期、末期となると+15.0mgの摂取が推奨されています。

厚生労働省が発表した2019年(令和元年)の国民健康・栄養調査報告(※)によると、亜鉛の摂取量の平均は推奨量にほぼ近い状態ではあります。しかし、無理なダイエットなどで栄養不足の状態が続いたり、食事の栄養バランスが偏っていたりすると、亜鉛不足になる可能性が十分に考えられます。また、高齢になるほど食が細くなることから、高齢者の方は特に亜鉛不足に注意が必要です。

とはいえ、無理に食事量を増やすのは健康的とはいえませんので、亜鉛が不足しているときはサプリメントで補うと効率的に摂取できるでしょう。なお、サプリメントで亜鉛を摂取する際は、過剰摂取に注意してください。

(※参照:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」

4.亜鉛不足によって引き起こされる体の症状・病気

亜鉛が不足すると、成長不全・味覚異常・下痢・免疫低下・皮膚炎・脱毛、爪の異常、男性器の発育不全などにつながる可能性があります。無理な食事制限で食事の摂取量が少ない状態が続いたり、栄養素が偏った食事が習慣化されていたりすると、亜鉛不足となってしまうため注意が必要です。

ちなみに亜鉛は、肉や魚介類などの動物性食品に多く含まれている傾向があります。そのため、動物性食品を控えている人や、菜食主義の人には不足しがちなミネラルといえるでしょう。動物性食品を避けたい場合、豆や大豆製品、ナッツなどを意識して摂取することをおすすめします。

亜鉛の過剰摂取について

亜鉛は、通常の食生活で過剰摂取となる心配はほとんどありません。また、亜鉛の毒性は低く、摂取過剰による害もほとんど報告されていませんが、大量の亜鉛を継続的に摂取すると銅の吸収を阻害し、貧血や胃の不快感が起こることがあります。食品のみで亜鉛を摂取する場合は心配する必要は無いといえますが、サプリメントで亜鉛を摂取する際は摂取量に注意しましょう。

5.亜鉛が多く含まれる食品

亜鉛不足はさまざまな体調不良のもとになります。健康管理や妊娠時の栄養補給のため、日ごろから亜鉛を意識した食品を摂取して、亜鉛不足を予防しましょう。

亜鉛は主に、肉や魚介類、大豆類などのたんぱく質が豊富な食品や、ナッツ類に多く含まれています。代表的な食品をご紹介しますので、ぜひ今後の食生活の参考にしてみてください。

分類 食品 含有量(100gあたり)
肉類 輸入牛モモ(焼き) 6.6㎎
脂身付き豚ロース(焼き) 2.2㎎
若鶏モモ皮つき(焼き) 2.5㎎
魚介類 カキ(生) 14.0㎎
ウナギかば焼き 2.7㎎
大豆製品・野菜類 がんもどき 1.6㎎
そらまめ (ゆで) 1.9㎎
厚揚げ(生揚げ) 1.1㎎
子実類 カシューナッツ(フライ味付け) 5.4㎎
アーモンド(フライ味付け) 3.1㎎

知らず知らずの亜鉛不足に注意しましょう

今回は、必須ミネラルの一つである亜鉛の重要な役割についてご紹介しました。野菜中心の食生活を送っていたり、食事の量が少なかったりすると、知らず知らずのうちに亜鉛不足になっているかもしれません。

また、亜鉛は汗にも含まれているため、発汗量に比例して体外へと流出していく量も増加します。そのため、スポーツを頻繁に行う場合や、発汗量が多い場合は、特に亜鉛の適量摂取を意識するようにしましょう。

ただし、加齢とともに食が細くなるケースも少なくありません。そのようなときは、無理に食事量を変えるのではなく、サプリメントを利用するのも有効な手段です。不調を感じる前に食生活を見直し、亜鉛不足を防ぎましょう。

監修者情報

氏名:河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。