1.肌を構成するエラスチンとは?
エラスチンとは、弾力に優れた繊維の主成分で、タンパク質の一種です。おもに血管や皮膚、肺といった弾力のある組織内に存在します。エラスチンの役割は、コラーゲン繊維に絡みつき、まとめることです。
コラーゲンとは、皮膚や血管、軟骨など組織を構成している繊維状のタンパク質を指します。体内に存在しているタンパク質全体のうち、約30%がコラーゲンです。全身の組織に広く存在していますが、皮膚の分布が比較的多く40%を占めます。
コラーゲンは弾力性のあるエラスチンとは対照的に硬い性質を持った成分で、コラーゲンだけではお互いを結束することができません。そこで弾力のあるエラスチンが、バラバラと緩んでしまうコラーゲンをまとめ、弾力と強度を両立させることで、ハリのある肌を維持します。
しかし、エラスチンやコラーゲンは、加齢によって減少するため、適度に補う必要があるでしょう。
2.肌を構成するエラスチンやコラーゲンが摂れる食品
エラスチンやコラーゲンは、普段の食事からも摂取が可能です。ここでは、エラスチンやコラーゲンを摂取できる食品やおすすめレシピを紹介します。
2-1.エラスチンやコラーゲンが摂れる食品
コラーゲンを多く含む食品には、以下のようなものがあります。
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• 牛すじ
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• 手羽先
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• 軟骨
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• 煮魚(カレイなど)
さらに、コラーゲンの生成に関連しているビタミンCの摂取も重要です。例えば、ビタミンCが多いレンコンやトマトなどを、コラーゲンが豊富な食品と一緒に摂取するとよいでしょう。
また、ビタミンAはコラーゲンの再構築に関わる栄養素のため、うまく組み合わせて摂取することをおすすめします。
2-2.カレイとレンコンの梅干し煮
カレイはコラーゲンを多く含み、ヘルシーで消化に良いため、美容や健康が気になる方は積極的に摂取したい食品です。
ここでは、カレイを使ったおすすめレシピ「カレイとレンコンの梅干し煮」を紹介します。カレイの皮や、カレイから溶け出たコラーゲンもおいしく食べられるでしょう。
【材料(2人分)】
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• カレイの切り身……2切れ(200g)
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• レンコン……70g
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• ショウガ……小1かけ
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• 梅干し……1個
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• 三つ葉……適量
煮汁
【作り方】
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1. カレイは、皮をむかず薄く切れ目を入れる。
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2. 皮をむいたレンコンを水に入れておく。その間にショウガを千切りにし、梅干しは種を取って半分に切る。三つ葉は、長さ1.5cmにカットする。
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3. フライパンに煮汁とショウガ、梅干しを入れて、中火にかけて沸騰させる。
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4. カレイを沸騰した煮汁に入れ、煮汁をかけつつ約1分煮たあと、火力を弱める。ペーパータオルやアルミホイルで落し蓋をし、ときどき煮汁をかけながら7~8分煮る。
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5. レンコンを水から取り出し、水気を切る。ビニール袋に入れて、包丁の柄やめん棒などで叩いて割る。
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6. カレイに火が通ったのを確認したら、レンコンを加えて煮る。レンコンに火が通ったら皿に盛り付け、梅干しと三つ葉を添えて完成。
3.エラスチン・コラーゲンを守るためには紫外線対策も重要
エラスチンやコラーゲンを守るためには、紫外線対策をしっかり行ないましょう。
紫外線によって肌がダメージを受け、老化することを光老化と呼びます。紫外線は肌の奥にある真皮層までダメージを与え、コラーゲンやヒアルロン酸を生成する細胞を破壊するため、日常生活での紫外線対策が重要です。
外出時は、日焼け止めを塗ったり、袖のある服を着たりして対策しましょう。日焼け止めはさまざまな商品があるので、自分の肌質や用途に合ったものを選び、こまめに塗り直すことがポイントです。
紫外線は特に5~8月に強いといわれていますが、季節や天気などに関係なく一年中降り注いでいます。そのため、冬も油断せずに紫外線対策を行ない、肌を守りましょう。
エラスチンを摂取してハリのある健康的な肌へ
エラスチンやコラーゲンは、加齢とともに減少するため、積極的に摂取することが大切です。
鶏の手羽や牛すじ、カレイなど、コラーゲンを多く含む食品を食生活に取り入れてみてください。紹介したレシピを参考に、おいしく食べられる工夫をすると継続しやすくなるでしょう。
また、年間を通して紫外線対策を徹底し、エラスチンやコラーゲンを守ることも重要です。エラスチンやコラーゲンの摂取・保護を意識し、ハリのある健康的な肌を保ちましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医