「ゴーヤ(にがうり)」に含まれている栄養素とは?基本について解説

ビタミンが非常に豊富で、独特な苦みを持つゴーヤ。沖縄での出荷量が多く、ゴーヤを使った料理は沖縄の郷土料理として知られています。

夏野菜として代表されるゴーヤは、その栄養・成分の豊富さから、夏バテ予防への効果も期待されている食材です。

今回はゴーヤに含まれている栄養素や成分を詳しく紹介します。美味しく食べる方法も紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

1.ゴーヤ(にがうり)とは

ゴーヤといえば沖縄県で盛んに栽培されているというイメージをお持ちの方が多いでしょう。

平成30年に出荷された1万6,428トンのゴーヤのうち、約40%は沖縄県から出荷されました。近年では、下の表のように沖縄県以外の地域でも栽培されています。

地域 出荷量
沖縄県 6,247トン
宮崎県 2,242トン
鹿児島県 2,006トン
熊本県 1,222トン
長崎県 906トン

出典:地域特産野菜生産状況調査(平成30年産地域特産野菜生産状況/農林水産省)

また、ゴーヤはグリーンカーテンとしても活用されていることが特徴です。

グリーンカーテンとは、つる性の植物を建物の壁面などを覆うように育てることでできる緑色のカーテンのことを指しています。日差しを遮ってくれるので部屋が涼しくなり、植物に含まれる水分を蒸発させることで、屋内だけでなく都市の気温低減にも貢献するとてもエコなカーテンです。

食べ物としてのゴーヤには、独特の苦みがあるため、好き嫌いが分かれるかもしれません。

この苦みは「モモルデシン」という成分がもとになっており、このモモルデシンの働きが夏バテの解消に関係しているといわれています。

このモモルデシンをはじめ、ゴーヤに含まれる栄養素や成分については次章にて解説します。

2.ゴーヤ(にがうり)に含まれるおもな栄養素や成分

ゴーヤにはさまざまな栄養素が含まれています。ここではその代表的なものを紹介します。

  • モモルデシン

    ゴーヤの苦みを作っている成分です。胃腸粘膜を保護したり、胃腸を刺激して食欲を増進したりする作用があるとされ、この作用が夏バテに良いといわれる由縁です。
    また、血糖値を下げる効果も期待されている成分でもあります。

  • ビタミンC

    ゴーヤには、100gあたり76mgのビタミンCが含まれています。レモンの果汁100gに含まれているビタミンCは50mgであることから、ゴーヤはビタミンCがとても豊富なことがわかるでしょう。

    ビタミンCはコラーゲンを生成するため、ビタミンCが不足するとコラーゲンも合成できず、血管が脆くなることが指摘されています。また、鉄の吸収を助ける働きがあるため、貧血が気になる方におすすめです。

  • 食物繊維

    ゴーヤには、100gあたり、2.6gの食物繊維が含まれています。
    食物繊維は腸内環境をよくして便秘を予防する効果があるとされる成分です。血糖値の急な上昇を抑制したり、血中コレステロール濃度を下げたりする働きもあります。

3.ゴーヤ(にがうり)を美味しく食べる方法

ゴーヤの苦みが苦手な方は、薄く切って塩でもむと食べやすくなります。また、水にさらすのも効果的です。一般的にゴーヤの表面の色が薄く、粒々が大きいほど苦みが少ないとわれているので、購入するときにチェックしてみるのも良いでしょう。

また、ゴーヤに含まれているビタミンCは加熱しても壊れにくく、炒めた後でもビタミンCの含有量は大きく変化しないといわれています。
油を使った加熱調理によっても苦みを抑えられることから、定番のゴーヤチャンプルなどは、栄養価の面からも口あたりの面からもおすすめできる食べ方です。

4.ビタミンCが豊富なゴーヤを食べよう

ゴーヤは苦みが特徴的な夏野菜です。胃腸を刺激して食欲を増進させる効果がある「モモルデシン」が含まれていることから、夏バテの解消に良いといわれています。ほかにはコラーゲンの生成を促すビタミンCなども豊富です。

ゴーヤを食べる際に、苦みが苦手な方は、塩でもんだり、水にひたしたり、油での加熱調理を行なうといいでしょう。火を通してもビタミンCが壊れにくいとされているので、炒め物として食べるのがおすすめです。

監修者情報

氏名:河村優子(かわむら・ゆうこ)
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。