目次
1.オメガ3(n-3)系脂肪酸の概要
脂肪酸は、栄養学的に重要とされている脂質の一種で、生体内で代謝されてエネルギー源として利用されるほか、細胞膜の構成成分になります。
脂肪酸のなかでも多価不飽和脂肪酸のオメガ3(n-3)系脂肪酸に分類されるものには、α-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などがあります。これらは、体内で合成することができない必須脂肪酸です。
オメガ3(n-3)系脂肪酸と呼ばれる栄養素を知っていますか?
最近注目されているEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの栄養素は、この脂肪酸に該当します。
オメガ3(n-3)系脂肪酸は、循環器系疾患などの予防に効果がありますが、体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。
今回は、オメガ3(n-3)系脂肪酸の効果や一日の摂取目安量、オメガ3(n-3)系脂肪酸を多く含むナッツを使用したおすすめのレシピを紹介します。
目次
脂肪酸は、栄養学的に重要とされている脂質の一種で、生体内で代謝されてエネルギー源として利用されるほか、細胞膜の構成成分になります。
脂肪酸のなかでも多価不飽和脂肪酸のオメガ3(n-3)系脂肪酸に分類されるものには、α-リノレン酸、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などがあります。これらは、体内で合成することができない必須脂肪酸です。
EPAやDHAなどのオメガ3(n-3)系脂肪酸を摂取すると、循環器疾患の予防効果が期待できることが、観察疫学研究で多数報告されていますので積極的に摂取しましょう。
オメガ3(n-3)系脂肪酸は、ナッツ類に多く含まれています。
くるみやアーモンド、カシューナッツなどのナッツ類に含まれる、多価不飽和脂肪酸量は以下のとおりです。
くるみ(いり) | 50.28g(可食部100gあたり) |
アーモンド(乾) | 12.12g(可食部100gあたり) |
カシューナッツ(フライ) | 8.08g(可食部100gあたり) |
引用:文部科学省「食品成分データベース」
必須脂肪酸であるオメガ3(n-3)系脂肪酸は、一日にどの程度摂取すればよいのでしょうか。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、DHA・EPAやα-リノレン酸などを含むオメガ3(n-3)系脂肪酸の一日の摂取目安量は以下のとおりです。
【男性】
• 0~5カ月:0.9g
• 6~11カ月:0.8g
• 1~2歳:0.7g
• 3~5歳:1.1g
• 6~7歳:1.5g
• 8~9歳:1.5g
• 10~11歳:1.6g
• 12~14歳:1.9g
• 15~17歳:2.1g
• 18~29歳:2.0g
• 30~49歳:2.0g
• 50~64歳:2.2g
• 65~74歳:2.2g
• 75歳以上:2.1g
【女性】
• 0~5カ月:0.9g
• 6~11カ月:0.8g
• 1~2歳:0.8g
• 3~5歳:1.0g
• 6~7歳:1.3g
• 8~9歳:1.3g
• 10~11歳:1.6g
• 12~14歳:1.6g
• 15~17歳:1.6g
• 18~29歳:1.6g
• 30~49歳:1.6g
• 50~64歳:1.9g
• 65~74歳:2.0g
• 75歳以上:1.8g
• 妊婦:1.6g
• 授乳婦:1.8g
※目安量:推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ここでは、オメガ3(n-3)系脂肪酸を多く含むナッツを使った、簡単においしく作れるレシピを紹介します。
まず紹介するレシピは、ごはんのおかずにも、おつまみにもなる「くるみのネバネバ揚げぎょうざ」です。
• 納豆 2パック
• くるみ 30g
• 餃子の皮 12枚
• 揚げ油 適量
• しょうゆ 適宜
• 辛子 適宜
• パセリ 適宜
1. ボウルに納豆と粗く刻んだくるみを入れて混ぜ合わせ、12等分にします。
2. 餃子の皮の周囲に水をつけ、1.を包んでください。閉じ口には山を作らず、両サイドを合わせます。
3. 揚げ油を180度まで熱し、こんがりとキツネ色になるよう上下に返しながら揚げましょう。
4. 皿に3.を盛ってパセリを飾り、好みでしょうゆと辛子をつけてお召し上がりください。
やわらかい納豆にくるみの食感をプラスすることでおいしくいただけます。焼きぎょうざのように包むと、揚げにくくなるので両サイドを合わせるだけにしてください。
次に紹介するレシピは、手でつまんで食べられる「牛肉とカシューナッツのレタス包み」です。
• 牛ばら肉 150g
• 人参 1/5本
• 玉ねぎ 1/3個
• カシューナッツ 15g
• レタス 大4枚
• オイスターソース 大さじ1
• 料理酒 大さじ1
• 水 大さじ2
• 本だし ひとつまみ
• 七味唐辛子 0.5g
• 濃口醤油 大さじ1
• 片栗粉 小さじ1
1. 人参、玉ねぎは皮をむき、カシューナッツと同じ大きさ程度にしておきます。
2. カシューナッツは生の状態であれば160度のオーブンで軽く焼き色が付くまでローストしましょう。
3. 【A】の調味料を合わせ、レタスの芯の部分をくり抜き、流水にあてて、葉を破らないようにゆっくりと4枚取り出します。
4. フライパンにサラダ油を敷き、野菜を入れて少量の塩をして炒めてください。
5. 野菜が炒まったら牛肉を入れて炒め、カシューナッツと調味料を加えて全体を合わせ、とろみが付く程度になったら火から下ろします。器に水気を切ったレタスを載せ、具材を載せたら完成です。
レタスは千切りに刻んで、炒めた具材と一緒にしてもおいしく召し上がれます。その際はオイスターソースを多めに入れると、旨味と味わいが増すのでおすすめです。
循環器疾患などの効果が期待できるオメガ3(n-3)系脂肪酸は、体内で生成できない必須脂肪酸であるため、食事から摂取しましょう。
オメガ3(n-3)系脂肪酸が不足すると、皮膚炎などが発症する可能性があります。
料理と相性の良いナッツを使用したレシピを参考に、オメガ3(n-3)系脂肪酸を食生活に摂り入れ、やる気に満ちた日々を過ごしましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
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