1.ストレス解消に効果的な栄養素
ここでは、ストレス解消に効果的な栄養素を紹介します。
1-1.カルシウム
カルシウムには脳神経の興奮を抑制する作用があります。この作用によって、カルシウム不足がイライラする気持ちにつながると想像されがちです。しかし、私たちの体内では、カルシウムの量が常に一定になるように管理されています。
そのため、カルシウムの食品を食べないからといってすぐにイライラするということはありませんが、骨の成長時には必要になるため、普段からカルシウムを多く含んだ食べ物(牛乳・小魚など)を摂取することが大切です。
加えて、カルシウムを吸収しやすくするためのビタミンD(卵類・きのこ類・魚介類など)、カルシウムを骨に変換するビタミンA(緑黄色野菜など)を含んだ食べ物を摂取することを心がけましょう。
1-2.ビタミンB群
ストレスが蓄積するとビタミンB群を消耗しやすいとされています。これを補うことでストレスの解消が期待できるでしょう。ビタミンB群は肉類、卵黄、穀物の胚芽のほか、枝豆やほうれん草に多く含まれています。
1-3.ビタミンC
ビタミンCは体内でコラーゲンを作りだすために必要な栄養素です。
毛細血管、歯、軟骨などを正常に維持する働きや、日焼けを防いだりストレスや風邪などの病気に対する抵抗力を強めたりする働きがあります。
最近は抗酸化作用が注目されており、老化防止などにも有効であることが期待されています。
ビタミンCは、野菜類、果実類などに多く含まれています。
また、ビタミンCは熱に弱いため、加熱調理をすると栄養が分解されますが、じゃがいもやさつまいもなどはビタミンCがでんぷんにより保護されているため、加熱しても栄養が分解されず残ります。
より栄養を摂れるように適切な調理法を用いることが大切です。
2.ストレス解消に効果的な栄養素を使ったレシピを紹介
ここからは、ストレス解消におすすめのレシピを2品紹介します。
2-1.さんまのスパイシー竜田揚げ~カレー粉を使って~
まず紹介するレシピは、スパイシーで食が進む「さんまのスパイシー竜田揚げ」です。
【材料】(2人分)
(A)
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しょうゆ 大さじ1
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酒 大さじ1.5
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カレー粉 大さじ1
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片栗粉 適量
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カレー粉 小さじ1
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揚げ油 適宜
【作り方】
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1.さんまは3枚におろし、おろした身は2等分に切ります。
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2.(A)の調味料をよく混ぜ合わせ、おろしたさんまを10分ほど漬けておきます。
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3.さんまの汁気を拭き取り、片栗粉とカレー粉を混ぜ合わせておいた衣をつけて180度の油で揚げて、完成です。
さんまにはビタミンB12が豊富に含まれています。ビタミンB12が不足すると、慢性疲労やうつ病などストレスに関わる症状を生じやすくなることから、積極的な摂取がおすすめです。
また、3枚おろしで残った骨は、片栗粉をまぶし低温の揚げ油で揚げると、カルシウムを豊富に含んだ骨せんべいになります。
2-2.豚ヒレ肉のゴマ2色揚げ
次にご紹介するのは、「豚ヒレ肉のゴマ2色揚げ」です。
【材料】(4人分)
(A)
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・梅干し 大2コ
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・えのき茸 30g
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・大葉 3枚
(B)
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・みそ 大さじ1
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・酒 小さじ1
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・えのき茸 30g
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・青ねぎ 1本
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いりゴマ(白・黒) 適量
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塩・こしょう 少々
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サラダ油 適量
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卵白 適量
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レタス 適量
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かいわれ大根 適量
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ラディッシュ 適量
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プチトマト 1コ
【作り方】
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1. 豚ヒレ肉は1㎝の厚さに切り、厚みが半分になるようにポケット状に切ってたたいておきます。軽く塩・こしょうをしておきます。
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2. 梅干しは種を取って包丁でたたき、1㎝の長さに切ったえのき茸と粗みじんに切った大葉を混ぜます。
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3. みそは酒でゆるめ、1㎝の長さに切ったえのき茸と、青ねぎの小口切りを混ぜます。
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4. 豚ヒレ肉の切り込みに梅しそ、ねぎみそをそれぞれ塗り、卵白をくぐらせ、梅しそには白ゴマを、ねぎみそには黒ゴマをまぶして油で揚げます。
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5. 千切りにしたレタス、ラディッシュ、根元を切ったかいわれ、プチトマトとともに皿に盛り付けて、完成です。
豚ヒレ肉にはビタミンB1が豊富に含まれています。さらにゴマを加えることで、疲労の緩和も期待できるでしょう。
3.やってはいけないストレス解消方法
ストレスを解消したいからといっても、何でも効果的であるというわけではありません。
私たちが普段ついついしてしまっていることのなかにはやってはいけないものもありますので紹介します。
3-1.暴飲暴食
節度を超えてお酒を飲むのは控えましょう。適度な量であれば心身のリラックスにつながるため、飲酒時は節度ある適度な量にすることを心がけましょう。
また、「やけ食い」も、ストレスから逃れるためにやってしまいがちです。
しかし、暴飲暴食することで太ってしまったり、そのような状態への恐怖心から食べたあとに嘔吐したり下剤を使用するケースがありますが、この行為は体への影響が懸念されます。また、食べたいという衝動を自身でコントロールできなくなってしまう恐れもあり、大変危険です。
3-2.喫煙
ストレス状態から逃れたいという理由での喫煙は、習慣化してしまうと徐々にたばこの本数が増え、依存してしまう恐れがあります。それによって心身の健康に影響をきたす場合があるでしょう。
日常生活を見直しストレスを軽減していきましょう
私たちは、興奮や緊張が大きくなりすぎてしまうと心や体が適応しきれなくなってしまい、心身にダメージを受けてしまいます。
ストレスとうまく付き合うには、自分にストレスがかかっていることに気付くことが大切です。また、自分に合うストレス解消法を見つけて実践してください。
ストレス解消方法はさまざまありますが、食事についてはカルシウム、ビタミンB群やビタミンCを含む食品を多く摂るよう心がけることをおすすめします。
この記事を参考に普段なんとなくやっていた行動や食生活を見直し、もし乱れてしまっているところがある場合には、ぜひ改善していきましょう。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医