オメガ3系(n-3系)脂肪酸と脳の関係
オメガ3系脂肪酸を含む食品を使用したレシピ

オメガ3系(n-3系)脂肪酸を多く含む魚を食べると頭がよくなると聞いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。オメガ3系脂肪酸は、脳神経の機能にも関わる必須脂肪酸。

そこで今回は、脳とオメガ3系脂肪酸との関係やオメガ3系脂肪酸を多く含む食べ物やレシピなどについてご紹介します。

1.実は脳の多くがアブラ(脂質)でできている

人の脳は、水分を除いた約60%がアブラ(脂質)でできています。脳にアブラが多い理由は、アブラの膜(細胞膜)でできた細胞がぎっしりと詰まっているためです。

また脳には、千数百億個もの細胞があるといわれています。そのため脳の健康は、食事でどのようなアブラを摂取するかがとても重要になります。

2.オメガ3系(n-3系)脂肪酸と脳の関係

2-1.オメガ3系(n-3系)脂肪酸とは

オメガ3系(n-3系)脂肪酸とは炭素間の二重結合を2つ以上もつ多価不飽和脂肪酸の一種で、体内で合成ができない必須脂肪酸です。そのため、食べ物から摂取する必要があります。

オメガ3系脂肪酸はDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、α-リノレン酸などがあります。DHAやEPAはサバやサンマ、まぐろなどの魚介類に豊富に含まれます。豚肉や鶏肉などの肉類でも部位によってはDHAやEPAの摂取ができます。

また、α-リノレン酸はなたね油やあまに油、大豆油などの植物油に多く含まれています。

2-2.オメガ3系(n-3系)脂肪酸は脳機能に重要な役割を果たしている

オメガ3系(n-3系)脂肪酸は、脳の機能の発達や維持にとても重要な役割を果たしており、脳の細胞膜をやわらかくし、情報の伝達をスムーズにしてくれます。

人の脳には数多くの神経細胞が存在し、物を考えたり覚えたりするときに使用されます。脳は、神経の先端にあるシナプスで情報の伝達をしています。この情報の伝達が素早いほど脳の働きは活動的で、しっかりと記憶に刻み込まれます。

また、神経細胞の細胞膜がやわらかいほど伝達力が優れています。しかし、年齢とともに細胞膜が固くなることで物覚えが悪くなってしまいます。

3.オメガ3系(n-3系)脂肪酸を多く含むレシピを紹介

3-1.牛肉とカシューナッツのレタス包み

「牛肉とカシューナッツのレタス包み」のレシピをご紹介します。

【材料】2人分

  • • 牛ばら肉 150g

  • • 人参 1/5本

  • • 玉ねぎ 1/3個

  • • カシューナッツ 15g

【A】

  • • オイスターソース 大さじ1

  • • 料理酒 大さじ1

  • • 水 大さじ2

  • • 本だし ひとつまみ

  • • 七味唐辛子 0.5g

  • • 濃口醤油 大さじ1

  • • 片栗粉 小さじ1

  • • レタス 大4枚

【作り方】

  • 1. 生のカシューナッツは160℃のオーブンで焼き色が少し付くまでローストします。

  • 2. 人参と玉ねぎは皮をむいて、カシューナッツと同じ大きさに切ります。

  • 3. 【A】の調味料は合わせておきましょう。

  • 4. レタスは芯の部分を切り取り、水を流しながら葉を破らないようにゆっくりと4枚取ります。レタスは水気を切っておきましょう。

  • 5. フライパンにサラダ油、2の野菜と少量の塩を入れて炒めます。

  • 6. 野菜に火が通ったら牛肉を入れて炒めましょう。

  • 7. 5にカシューナッツと調味料を入れて炒め、とろみが付いたら火から下ろします。

  • 8. 器にレタスを載せ、7を盛り付けたら完成です。

3-2.ぶりトロ刺身のさっぱりサラダ仕立て(えごま油)

えごま油を使用した「トロ刺身のさっぱりサラダ仕立て」のレシピをご紹介します。

【材料】2人分

  • • ぶりトロ(刺身用) 100g

  • • 大根 5㎝

  • • 紫玉ねぎ 1/4個

  • • ブロッコリースプラウト 1パック

  • • 大葉 5枚

【A】

  • • ポン酢 大さじ3

  • • えごま油 大さじ1

【作り方】

  • 1. 大根は皮をむいて、細切りにします。紫玉ねぎはスライスし、ブロッコリースプラウトは根元を切り落とします。

  • 2. 1の野菜をさっと水にさらし、しっかりと水気を切りましょう。

  • 3. 大葉は縦半分に切ります。

  • 4. 大皿に1枚ずつ大葉を敷き、2の野菜で土手を作るように丸く盛り付けます。

  • 5. ぶりトロは5㎜ほどに切り、4の野菜に立てかけるようにして並べていきます。

  • 6. 残っている野菜を5の中心に盛り付け、【A】を合わせて小皿に入れたら完成です。

オメガ3系(n-3系)脂肪酸を積極的に摂取しよう

オメガ3系(n-3系)脂肪酸は、物を考える力や覚える力を維持するためや体の健康を保つ重要な役割をしている栄養素です。しかし、体内で合成することができません。
サバやサンマ、まぐろなどの魚介類やなたね油やあまに油などの植物油から摂取する必要があります。

また、食事で不足してしまう場合はサプリメントを使用することもおすすめです。オメガ3系脂肪酸を上手に取り入れ健康的な毎日を過ごしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。