魚にはオメガ脂肪酸が豊富
オメガ脂肪酸が多く摂れるレシピも紹介

健康的な体を維持するために重要な栄養素「オメガ3系(n‐3系)脂肪酸」。積極的に摂取したい成分ですが、体内で合成できません。そのため、食べ物から摂取する必要があります。

そこで今回は、オメガ3系(n‐3系)脂肪酸を多く含む魚やおすすめのレシピをご紹介します。

1.オメガ3系(n‐3系)脂肪酸の概要

オメガ3系(n‐3系)脂肪酸とは、体内で合成できない必須脂肪酸で、多価不飽和脂肪酸の一種です。
オメガ3系(n‐3系)脂肪酸には、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)、α-リノレン酸などがあります。EPAやDHAは魚介類、α-リノレン酸は植物油から多く摂取できるでしょう。

さらに、オメガ3系(n‐3系)脂肪酸は胎児の健やかな体を形成するために重要な栄養素であるため、妊娠中の方は摂取する必要があります。また、授乳中の方も、母乳に十分な量のオメガ3系(n‐3系)脂肪酸を含ませるため、しっかり摂取することが大切です。

2.オメガ3系(n‐3系)脂肪酸の効果

オメガ3系(n‐3系)脂肪酸は、循環器疾患の予防に効果的であるという研究が報告されています。

またオメガ3系(n‐3系)脂肪酸には、HDLコレステロール(善玉コレステロール)をわずかに増加させ、中性脂肪を下げる効果もあります。

3.オメガ3系(n‐3系)脂肪酸の一日の摂取目安量

ここでは、オメガ3系(n‐3系)脂肪酸の一日の摂取目安量を世代別にご紹介します。

年齢 男性 女性
18~49歳 2.0g 1.6g
50~64歳 2.2g 1.9g
65歳~74歳 2.2g 2.0g
75歳以上 2.1g 1.8g


ただし、年齢に関係なく妊婦の場合は1.6g、授乳中の方は1.8gが目安です。

※目安量の定義:特定の集団において、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量

4.オメガ3系(n‐3系)脂肪酸と魚の関係

魚にはEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれており、特に青魚に多い成分です。例えば、EPAを多く含む魚にはサバやサケが、DHAはマグロ・サバ・サンマなどがあります。

またEPAやDHAの含有量は、魚の種類や部位によっても異なるのが特徴です。マグロやサンマ、イワシなどは、頭や目の後ろなど脂身の多い部分にEPAやDHAを含んでいます。

5.オメガ3系(n‐3系)脂肪酸を多く含む魚を使ったレシピ

ここからは、オメガ3系(n‐3系)脂肪酸を多く含む魚を使ったおすすめのレシピ3品をご紹介します。

5-1.サーモンとマグロのタルタル

まずご紹介するレシピとして「サーモンとマグロのタルタル」を紹介します。

【材料】2人分

  • サーモン(刺身用) 100g

  • マグロ(刺身用) 100g

  • きゅうり 1/2本

【A】

  • しょうゆ 小さじ1/2

  • オリーブ油 小さじ2

  • 塩 適量

【作り方】

  • 1. サーモンとマグロを2~3mm角に細かくカット。きゅうりは、粗みじん切りにします。

  • 2. ボウルに1と【A】を入れて、しっかり混ぜ合わせましょう。最後に器に盛り付ければ完成です。

サーモンとマグロの代わりに、好みでホタテやイカなどを使ってもおいしく仕上がります。

5-2.鯖の酢味噌煮さっぱり仕上げ

次にご紹介するレシピは、酢味噌が香る「鯖の酢味噌煮さっぱり仕上げ」です。

【材料】2人分

  • 鯖 2切れ

  • 菜の花 1/2束

  • 塩 適量

【A】

  • だし汁 3/4カップ

  • 味噌 大さじ2

  • 酢 大さじ1

  • 砂糖 大さじ1

  • 酒 大さじ1

  • しょうゆ 大さじ1

【作り方】

  • 1. 鯖に塩をふって10分置きます。その際、鯖から出た余分な水分はしっかり拭き取りましょう。下ゆでした菜の花は、食べやすい長さにカットします。

  • 2. 次に【A】を鍋に入れたら、火にかけて温めながら味噌を溶かします。鍋が沸騰したら鯖を入れ、落し蓋をします。そのまま弱火で約10分煮ます。

  • 3. 最後に鯖を器に載せ、菜の花を盛り付けたら完成です。

鯖の臭みは最初に塩をふることで取れるため、しっかり行ないましょう。

オメガ3系(n‐3系)脂肪酸を多く含む魚を摂取して元気に過ごそう

オメガ3系(n‐3系)脂肪酸は、健康的な体を作るために重要な必須脂肪酸の一種です。
オメガ3系(n‐3系)脂肪酸を積極的摂って、元気な毎日を過ごしましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。