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睡眠不足で太りやすくなる?その理由と改善方法とは

「太りたくないから甘いものは控えめにしよう」と思っていても、ついつい食べてしまうことはあるでしょう。

意志の弱さを嘆いて自分を責めてしまいがちですが、甘いものが欲しくなる原因には、睡眠不足が影響している場合があります。

今回は、睡眠不足が太りやすくなる理由とその改善方法を紹介します。

1.睡眠不足は太る原因になる?

睡眠不足で太るというのは、本当なのでしょうか。また、睡眠不足が体にどういった悪影響をおよぼすのかを解説していきます。

1-1.食欲増進ホルモンが増す

体内で発生する物質として、「レプチン」という食欲を抑制するホルモンと、「グレリン」という食欲を増進させるホルモンがあります。

睡眠不足になると、レプチンの量が減少してグレリンが増加するため、肥満につながるといわれています。

食欲が増進して糖分などを摂り過ぎると、催眠作用のあるメラトニンという物質の分泌が遅れ、さらに睡眠不足を進行させることになりかねないため、注意が必要です。

1-2.意欲の低下により活動量が減る

睡眠時間が慢性的に不足している状態だと日中に眠くなり、集中力が低下して意欲の低下につながります。意欲が低下すると活動量が減るため、太る原因となります。

1-3.生活習慣病のリスクが高くなる

上述のとおり、睡眠不足は肥満を引き起こしますが、生活習慣病の発症リスクを高める要因にもあります。

慢性的に睡眠不足だと、糖尿病などの生活習慣病にかかりやすい状態にあるとされています。特に生活習慣病の発症リスクが高いのは、睡眠時無呼吸症候群や慢性不眠症の人です。

  • 睡眠時無呼吸症候群の人

    睡眠時無呼吸症候群は、寝ている最中に呼吸が浅くなったり止まったりする状態に度々なることで、体内の酸素濃度が低下する疾患です。

    睡眠中に低酸素状態になるため、夜中に目が覚めることが頻繁に起こる、目覚めたときに倦怠感がある、日中に眠くなるなどの症状があります。これらの症状によってストレスが蓄積し、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こすリスクが高まるとされているのです。

  • 慢性不眠症の人

    夜中に度々目覚めてしまう(中途覚醒)、朝早くにふと目覚めてしまう(早朝覚醒)、なかなか寝られない(入眠困難)などが不眠の症状です。この症状が週に3日以上あり、3カ月以上継続すると慢性不眠症が疑われます。

    不眠症は、血糖に関わるホルモンに影響して血糖値を上昇させたり、酸化ストレスを発生させたり、交感神経に影響して血管を収縮させたりと、生活習慣病につながる要因を引き起こす疾患です。これらの要因が、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の発症リスクを高めるとされています。

2.睡眠不足を改善するための方法

次に、睡眠不足を改善するための方法を見ていきましょう。

2-1.体内時計を整える

人間には、地球の24時間周期に合わせて体内環境を変化させるために、体内時計が備わっています。ただし、この体内時計は一日25時間の周期となっているため、リセットをして調整しなければなりません。

この体内時計のリセットに必要となるのが朝日です。朝起きたときに太陽の光を浴びることで体内時計が整い、夜になると自然と眠りにつける状態になります。

2-2.就寝前の過ごし方を見直す

カフェインの効果は長いので、寝る前にはカフェインを含むコーヒー、紅茶、緑茶などの摂取は控えたほうがよいでしょう。

また、夜に光を浴びると体内時計が遅れてしまうため、白色の照明やブルーライトをできるだけ浴びないようにすることが大切です。夜は、照明の色を暖色系に変えるほか、パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見ないようにしたり、画面を暗めにしたりするとよいでしょう。

2-3.快適な睡眠環境を整える

気持ち良く眠れるように、睡眠環境を整えておくことも大切です。部屋の温度を20度前後、湿度を40~70%に保っておくと、快適に眠れるでしょう。

また、寝ている際の騒音や目に入る光は、快適な睡眠を妨げる要因になります。そのような場合には、アイマスクや耳栓を活用するのもおすすめです。

太らないためにも質の良い睡眠が大切

体型が気になり始めたら、それは睡眠不足も原因の一つかもしれません。睡眠不足の状態が長く続けば、肥満につながるだけでなく健康にも悪影響をおよぼすため、注意が必要です。

ぜひ、今回紹介した睡眠不足のリスクや改善方法を押さえて、質の良い睡眠をとることを心がけてみてください。自身の睡眠状態に疑問を感じたら放置せず、かかりつけ医や睡眠専門医に相談してみましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。