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疲れやすいと感じる原因
疲れやすさの改善におすすめの運動方法を解説

最近疲れやすくなったと感じている人や、新しい職場など環境の変化によって疲れを感じている人もいるのではないでしょうか。疲れを改善するためには、自分の疲れの原因について理解を深めて適切な改善方法を実践する必要があります。

そこで今回は、疲れやすさの原因を3つ挙げ、疲れを改善するためにおすすめの運動について解説します。ぜひ、あなたに合った運動を実践して、疲れにくい状態を目指しましょう。

1.「疲れやすい」と感じる原因

「疲れやすい」と感じる原因は、あらゆる要素が含まれています。自分は何が原因で疲れているのかを見極めて対処していくことが大切です。ここでは、3つの疲れのもとについてお伝えします。

1-1.精神的ストレス

精神的なストレスが「疲れ」や「だるさ」の原因になっている場合があります。そして、その背後に「うつ病」という病気が隠れているかもしれません。

うつ病の原因となる精神的なストレスとは、「悲しい・辛い」といった出来事に関わらず、進学・就職・結婚・引越しなど「うれしい」出来事であっても発症することがあります。新しい環境の変化に体が対応しきれずに、心身ともに疲れてしまうのです。

「精神的なストレス」や「疲れ・だるさ」を感じている場合は、周囲の人や医療機関などに相談することが望まれます。

また、ストレスが強い場合や長時間ストレスにさらされている場合は、うつ病になるリスクが高くなります。うつ病の場合は、治療を考える前に、まずはしっかりと心身を休めることが大切です。

うつ病の治療としては、薬による治療や、専門家とのカウンセリングを通して進める治療があります。さらに、軽い有酸素運動もうつ症状の軽減に有効です。

1-2.栄養の偏り

栄養バランスが偏ると、だるさや疲れを感じやすくなります。

例えば、ダイエットのために「サラダだけ」など偏った食生活を送っていると、鉄分などの栄養不足を招くのです。

鉄分は全身へ酸素を届けるために必要な「ヘモグロビン」をつくる材料なので、鉄分が不足すると、赤血球の数が減り大きさも小さくなってしまい結果的に全身に酸素を送りにくくなってしまいます。

全身が酸素不足の状態になると、「疲れやすい」「頭が重い」などの症状が現れるのです。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食事による鉄分の一日の摂取推奨量は、成人女性(18~64歳)月経なしの場合は6.5mg、成人男性(18~64歳)は7.5mgとなっています。また、月経がある成人女性(18~64歳)の場合は10.5~11mgです。

さらに月経血量が80mL以上/回と多い18歳以上の女性の場合は、16mg以上の鉄分補給が推奨されています。この場合は、通常の食品から十分に摂取するのは難しいため、鉄剤などでの補給が必要です。基礎疾患が影響している場合もあるので、医療機関に受診をして適切な鉄分補給を行ないましょう。

1-3.更年期障害

「疲れやすい」「だるい」といった症状は、更年期障害の方にも多く見られます。

更年期障害は、男女ともに40歳以降に見られる心身の不調のことで、性ホルモンの分泌量が低下するために発症します。

更年期障害の男女別の症状は以下のとおりです。

性別 症状
女性 閉経前 顔の火照り・動悸・息切れ・不眠・興奮・血圧の上下・脈が速くなる・イライラ・うつ・不安感・生理不順
閉経後 上記症状に加えて尿失禁・膀胱炎・のどや目などの粘膜の異常・膝や腰の関節痛・無気力感
男性 性欲低下・勃起障害・射精障害・オーガズム障害

更年期障害を改善する方法は、生活習慣を見直してバランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動などを心がけることも重要です。それでも改善しない場合には、漢方薬や向精神薬などの服用・ホルモン補充療法(HRT)などを検討してみてもよいでしょう。

2.疲れやすさを改善するおすすめの運動

疲れていると、なかなか運動する気になれないかもしれません。しかし、そんなときこそ体を動かすことで気分がスッキリしたり、全身の血流が良くなって活動的になったりします。さらに、体力がついて疲れにくい体になるでしょう。

今回は、いつでもどこでもできる「ストレッチ」と「ウォーキング」をご紹介します。

2-1.ストレッチ

運動習慣がない人には「ストレッチ」がおすすめです。

ストレッチ(柔軟体操)とは、関節周りや筋肉を伸ばす運動のことをいいます。ピラティスやヨガなどもストレッチ運動の一つです。

ストレッチを行なうことで、凝り固まった体をほぐして、ウォーミングアップ効果が期待できます。さらに、自律神経のバランスを整えて、疲れた心と体をリラックスさせる効果も実証されているのです。

このリラックス効果を得るために、30分ほど時間をかけて全身の筋肉をゆっくり伸ばしていきましょう。

普段あまり運動しない人にとっては、ストレッチのような軽めの運動であっても、「頭がスッキリ」してどんよりした気分を「やる気」に変えていく効果が示唆されています。

ストレッチ運動を行なう際は以下の4つに注意しましょう。

  • 1. 20秒以上の時間をかけてしっかり体を伸ばします。初めの10秒間ほどは体の伸ばし具合を定めるために使っているので、ゆっくりと時間をかけて伸ばしていきましょう。

  • 2. 気持ち良いと感じる程度に伸ばします。痛いくらい伸ばしてしまうと、かえって筋が硬直してしまうので、ストレッチ効果が弱まってしまうのです。

  • 3. 呼吸は止めないように行ないましょう。呼吸を止めてしまうと血圧の上昇を招く場合があるので注意が必要です。深くゆっくりと呼吸することでリラックス効果が期待できます。

  • 4. 伸ばしたい部位を適切に選びましょう。全身をくまなくストレッチしようとすると、長い時間がかかってしまうので、効率的に目的の部位を伸ばすのがポイントです。

2-2.ウォーキング

ウォーキングをすることで、体力がアップして疲れにくくなります。また、メンタルヘルスにも有効です。

ウォーキングは習慣化することが大切なので、無理なく心地良いと感じる速さで歩き、5分でも10分でも歩くことを心がけましょう。

歩くことに慣れてきたら、意識的に手を振り歩幅を大きくして、少しスピードを上げて15分以上続けます。

より効果的にウォーキングをするには、少し息が弾み、汗ばむくらいの早足にして週3回・1回30分以上歩くと効果的です。

自分に合った運動で疲れやすい体を改善しよう

運動は、「疲れた心を前向きにすること」や「疲れにくい体をつくる」ために重要です。疲れていては、好きなことも心から楽しむことはできません。運動によって、体力をつけることで、毎日の生活を楽しむ心と体の余裕が生まれます。

また、運動は肥満などの生活習慣病の予防・改善効果も期待できるため、これから先の人生をイキイキと過ごしていくためにも重要です。

運動するには気合も必要ですが、無理なく自分に合ったペースで「疲れにくい体」を目指していきましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。