目次
1.ビタミンB17とは?
ビタミンB17とは、シアン化合物の一つであるアミグダリンのかつての名です。「ビタミン」と付けられてはいたものの、厳密にはビタミンではありません。ビタミンの仲間とされていたのは昔の話となり、現在はアミグダリンと呼ぶのが一般的です。
そもそもビタミンは、生体機能を正しく働かせるために必要な栄養素のことを指しますが、アミグダリンはヒトの代謝に必要な物質ではありません。そのうえ、不足しても体に影響をおよぼさないことが判明したため、ビタミンからは外されたのです。
ビタミンAやビタミンB群、ビタミンCなど、私たちの身の回りにはさまざまなビタミンが存在します。特に、ビタミンB群は種類が多く、ビタミンB1・ビタミンB2などは耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、数多く存在するビタミンB群のなかから、ビタミンB17の働きや健康への影響について詳しく解説します。
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ビタミンB17とは、シアン化合物の一つであるアミグダリンのかつての名です。「ビタミン」と付けられてはいたものの、厳密にはビタミンではありません。ビタミンの仲間とされていたのは昔の話となり、現在はアミグダリンと呼ぶのが一般的です。
そもそもビタミンは、生体機能を正しく働かせるために必要な栄養素のことを指しますが、アミグダリンはヒトの代謝に必要な物質ではありません。そのうえ、不足しても体に影響をおよぼさないことが判明したため、ビタミンからは外されたのです。
かつて、ビタミンB17と呼ばれていたアミグダリンは、次の食品に多く含まれています。
・ビワ
・桃
・すもも
・アンズ
・梅
・サクランボ
上記のようなバラ科の植物が持つ種には、多くのアミグダリンが含まれています。また、種だけでなく、熟していない実にも多く含まれています。
過去に、アミグダリンが「ビタミンB17」と呼ばれていたころなどには、アミグダリンは体に良い栄養素とされていました。しかし、現在は健康に関する有効性について、アミグダリンには十分な根拠がないとされています。
「ビタミン」の一種とされていたことから、健康に良さそうなイメージを持ってしまうかもしれませんが、実際は天然の有害物質です。
それでは、アミグダリンを摂取するとどのような影響があるのかを、次に解説します。
アミグダリンは、体内に入るとシアン化水素と呼ばれる物質に代謝されます。シアン化水素とは青酸のことで、強い毒性を持つ物質として知られています。
この物質を大量に摂取してしまうと、次のような症状が出ることがあるため注意が必要です。
・吐き気
・頭痛
・めまい
・血圧低下
・呼吸困難
・けいれん
・昏睡
海外では過去に、アミグダリンを大量摂取した結果、重大な健康被害が出た例がいくつか報告されています。とはいえ、アミグダリンは少しでも摂取してはいけないわけではありません。一定の濃度を超えていなければ、摂取が可能とされています。
問題となるのは、種子や熟していない実を大量に摂取した場合です。とはいえ、これらを一気に大量摂取することは通常であればめったに起こらないため、それほど心配する必要はないでしょう。
また、実の成熟にともなって、アミグダリンは含有量が大きく減少します。さらに、梅の場合は熟していない青梅をそのまま食べることはできませんが、梅酒や梅干しなどにすればアミグダリンは減少するため食べられるようになります。
アミグダリンを大量に摂取する機会は少ないものの、現在もビワの種子を含む食品などが販売されていたり、種子を使ったレシピなどが公開されていたりするので注意しましょう。
アミグダリンは過去にビタミンB17とも呼ばれていましたが、代謝に必要な成分ではなく、不足しても人体には影響がないことから、現在はビタミンの仲間からは除外されています。ビワやアンズ、梅や桃などのバラ科の植物に多く含まれている成分です。
アミグダリンは、体内で有毒のシアン化水素という物質に変換され、嘔吐や頭痛などの中毒症状を引き起こすことがあるため、注意しましょう。種子や未熟な実に多く含まれているため、種子は食べない・実は熟してから食べることを意識すると健康被害を防げます。
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医
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