ストレスの原因とは?
サインとストレスをできる限り溜めない暮らし方を解説

「職場などで、いつも強いストレスを感じている」
「特に嫌な出来事は起こっていないはずなのに、なぜか不調や気分の落ち込みなどを感じる」

ストレスの感じ方や、どのような原因でストレスを感じるかは人それぞれです。ストレスというと人間関係などの軋轢をイメージする方が多いかもしれませんが、実際には進学や就職のような祝いごともストレスの原因となることがあるため、注意が必要です。

今回は、ストレスの原因や心身に生じうるストレスサイン、ストレスをできる限り溜めない暮らし方を解説します。

1.ストレスの原因とは?

ストレスの概要と具体的な原因を解説します。

1-1.そもそもストレスとは

ストレスとは、外部の刺激によって生じる心身の反応を示す言葉です。心身にストレスをもたらす要因をストレッサーといいますが、一般的にはストレスとストレッサーの両者の意味合いをまとめて「ストレス」と呼ばれています。

1-2.ストレスの原因

日々の生活のなかではさまざまな変化が起こりますが、それらの変化がストレスの要因(ストレッサー)になります。

ストレスのおもな要因は、以下4つに分類できます。

  • ・環境的要因:天候や騒音など

  • ・身体的要因:疾患や睡眠不足など

  • ・心理的要因:不安や悩みなど

  • ・社会的要因:人間関係のトラブルや業務多忙など

一般的には慶事とされる結婚や出産、就職なども、心身に変化を与えて緊張をもたらすため、ストレスの原因になりえます。

2.ストレスのサイン

先述したとおり、人はストレスを感じると、心身にさまざまな変化が起こります。このストレスサインに上手に気付けるようになると、ストレスを過度に溜めずに適切に対処できるようになるでしょう。

ストレスサインのおもなものは、以下のとおりです。

  • ・メンタル面:活力低下や気分の落ち込み、憂鬱感など

  • ・身体面:頭痛や肩こり、腰痛、動悸、血圧上昇、不眠、食欲減退、下痢、便秘など

  • ・行動面:節度を超えた飲酒や喫煙量の増加、業務上のミスの頻発化、他人とのコミュニケーションを避けるなど

自分はどのようなストレスサイン(症状)が出やすいのか、自覚できるようになりましょう。それらのサインの有無を意識的にセルフチェックし、自分のストレスサインに気付けるようになれば、ストレスを早く解消できます。同時にストレスをできるだけ溜めない暮らし方を意識すると、自分らしい毎日を過ごせるようになります。

3.ストレスをできる限り溜めない暮らし方

ストレスを溜めない生活を送るには、食事・睡眠・運動などの生活習慣を整えることが重要です。

栄養バランスの良い食生活は、心身の健康を支えために欠かせない要素です。無理のない範囲で身体活動量を増やして運動習慣を身に付けることも、ストレスに強い心身を作るうえで役立ちます。毎日同じ時刻を目指して起床し、良い睡眠を確保することも大切です。

くつろげる時間を意識的に確保し、腹式呼吸を習慣付けるのもおすすめです。お気に入りの音楽を楽しんだり、ストレッチで体をほぐしたりするなど、自分に合ったストレス解消法を増やしていきましょう。

固定観念やマイナス思考にとらわれず、考え方やものの見方を変えてみたり、相談できる相手に悩みを話したりすると、気持ちが楽になる場合があるため、ストレスを一人で悩みを抱え込まないことも重要です。

ストレスの原因を理解してストレスを溜めこめない生活を送りましょう

外部からの刺激が人体におよぼす反応をストレスといい、天候や体調の変化、人間関係の問題など、さまざまなものがストレスの要因になりえます。

ストレスを感じると、心身や行動面でなにかしらのストレスサインが出てくるため、自分のストレスサインを早期に発見して適切に対処しましょう。

食事・睡眠・運動などの生活習慣を整えたり、柔軟な考え方を取り入れたりするのも、効果的なストレス対策といえます。できることから無理なく実践して、ストレスを抑えた毎日を送りましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。