1.魚に含まれるタンパク質の量
魚はタンパク質を豊富に含んでいるうえ、基本的にカロリーが低いため、タンパク質の優秀な摂取源として知られています。
タンパク質を多く含む食品としては肉も代表的ですが、魚のタンパク質は肉と比べて消化されやすいことが大きな特徴です。含まれているタンパク質の量は、次の表のように魚の種類によってやや異なります。
魚の種類 |
可食部100g当たりのタンパク質量 |
しらす干し |
40.5g |
ごまさば |
31.1g |
しろさけ |
29.1g |
くろまぐろ |
29.0g |
べにざけ |
28.5g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
2.魚に含まれるタンパク質以外の栄養素
魚はタンパク質のほかに、次のような栄養素も含んでいます。
-
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
-
・EPA(エイコサペンタエン酸)
-
・アスタキサンチン
-
・タウリン
-
・アンセリン
DHAやEPAは、魚に多く含まれることで知られる不飽和脂肪酸の一種で、脳の発達を助けたり、血液をサラサラにしたりします。
アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、免疫機能と関わりのある成分です。タウリンは貧血の予防、肝臓の働きのサポートなどをしてくれます。
アンセリンは尿酸値が気になる方にうれしい成分です。その他、ビタミンDやビタミンE、ミネラルなどの栄養素も豊富に含まれています。
3.魚を食べる3つのメリット
魚は、昔から日本人の食卓へ取り入れられてきました。タンパク質だけでなく、豊富な栄養素を含むため、私たちの健康を守るうえで欠かせない食品の一つです。
魚を食べることで、具体的には以下のようなメリットがあることがわかっています。
3-1.血液がサラサラに
魚に多く含まれているDHAやEPAは、血液をサラサラにする働きがある成分です。特にサンマやイワシなどの青魚に多く含まれており、コレステロールや中性脂肪を下げることで血管の健康を守ります。また、魚に含まれるタンパク質には血の塊を溶かす働きがあることも特徴です。
3-2.脳の機能を活性化する
DHAは、脳の機能を活性化させる働きがあります。脳や脳神経の発達にとってもDHAは必須成分とされているので、積極的に摂りたい食品といえるでしょう。
3-3.生活習慣の影響による不調の予防に役立つ
普段の食事や運動習慣が大きく関係して、不調が生じることがあります。DHAやEPAには、血中の脂質の値や血圧が高い状態などを予防する効果があることがわかっています。
これらの不調は遺伝などの影響もあるため、一概に生活習慣のせいとはいえませんが、健康が気になる方は一日に1食は魚を食べるように意識してみるとよいでしょう。
魚からタンパク質を摂取して健康な日常を目指そう
魚にはタンパク質のほか、DHA・EPA・アスタキサンチンなどの成分が豊富に含まれています。これらの成分は血液をサラサラにしたり、脳の働きを活性化させたりする働きがあるため、積極的に摂りたい食品の一つです。
また、DHAやEPAは、脂質の値や血圧が高い状態などの予防にも効果的といわれています。3食のうち1食は、刺身や焼き魚など魚を含んだ食事を摂るようにすることで、健康に良い食生活を送ることができるでしょう。
監修者情報
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。