花粉症が倦怠感を引き起こす?
花粉症のおもな症状や対策のポイントについて解説

毎年花粉が多く飛ぶ季節になると、花粉症に悩まされている方も多いでしょう。

日本では、およそ25%の方が花粉症といわれています。花粉症になると、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどさまざまな症状が現れるほか、倦怠感も起こりやすいとされています。

今回は、花粉症のおもな症状や対策のポイントについて解説します。

1.倦怠感も花粉症の症状の一つ

倦怠感を引き起こす要因の一つに花粉症があります。ここでは、花粉症のメカニズムやおもな症状について解説します。

1-1.そもそも花粉症とは?

花粉症は、花粉が体内に入ることによって起きるアレルギー反応のことです。体の免疫反応が花粉に対して過剰反応すると、症状がでます。

花粉症の代表的な症状であるくしゃみ・鼻水・涙は、花粉を体内から追い出そうとする体の反応が原因となって引き起こされます。

花粉症になると、さまざまな局所症状に加え、集中力の低下など全身症状が現れることもあります。QOL(生活の質)が大きく損なわれる可能性もあるため、予防や対策ができるとよいでしょう。

1-2.花粉症のおもな症状

花粉症になると、どのような症状が起こるのでしょうか。以下におもな症状を挙げます。

  • ・倦怠感(だるさ)

  • ・くしゃみ

  • ・鼻水、鼻づまり

  • ・目のかゆみ、涙、充血

  • ・咳

  • ・のど・皮膚のかゆみ

  • ・頭痛

  • ・頭が重く感じる

  • ・不眠

  • ・下痢

  • ・熱っぽくなる

  • ・顔や体のほてり

  • ・イライラする

花粉症の症状が起こる時期は個人差があり、症状の強さも人それぞれです。

2.花粉症対策のポイント

ここでは、花粉症の予防や症状を軽くするための対策のポイントを紹介します。

2-1.花粉をできるだけ回避し、家に持ち込まない

花粉は気温の高くなる午後に多く飛散するため、外出する必要があればなるべく午前中に済ませましょう。

外出時にはマスク・帽子・メガネを着用することで、花粉を取り込む量を減らせます。花粉症用のメガネも販売されていますが、普通のメガネを着用するだけでも、メガネがないときよりも目に入る花粉量が半分以下に抑えられます。

髪はなるべくまとめ、衣類の素材は花粉がつきやすいウールを避けましょう。

花粉を家に持ち込まないように、外出から帰ったときは、家に入る前に衣服をよく払うことが大切です。

帰宅後は手洗い・うがい・洗顔などをして、花粉を落としましょう。

2-2.花粉が舞わないよう掃除の際は注意する

花粉対策のためにも、部屋の掃除はこまめに行なうことをおすすめします。掃除機を使うと排気によって花粉が舞い上がるため、拭き掃除をするとよいでしょう。
空気清浄器を使用すれば、花粉のほかにダニやハウスダストの対策としても有効です。

また、洗濯物や布団を外に干すと花粉が付着するため、花粉の飛散が多い時期には室内干しや乾燥機にかけましょう。

2-3.免疫力を強くする生活習慣を身に付ける

花粉症の症状悪化を防ぐためにも、免疫機能を保つための生活習慣を意識してください。

睡眠をしっかり取り、栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。

また、適度に体を動かして体力を付けましょう。運動は花粉の影響が少ない室内でできるものがおすすめです。室内プールで水中ウォーキングをするだけでも、十分な運動になります。

日常生活を改善し花粉症からくる倦怠感を改善させましょう

花粉症はアレルギー性鼻炎の一つで、おもに目のかゆみや鼻水、くしゃみなどの症状が起こります。また、皮膚やのどのかゆみのほか、頭痛や下痢、倦怠感、疲れやすさなど全身症状が現れることもあり、症状の重さは人それぞれです。

花粉症の対策は、できるだけ花粉を体内に取り込まないようにすることが基本です。

風が強い日は外出する時間を工夫したり、外出するときにはマスクやメガネなどを使用したりして、花粉をできるだけ避けましょう。

外から帰宅したら衣類を払って、手洗いやうがい、洗顔などで花粉を落とすことも大切です。

また、睡眠・適度な運動・バランスのとれた食事を心がけ、日頃から免疫力が付くように健康的な生活を送りましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。