三色食品群・6つの基礎食品群とは?
食べ物に含まれる栄養素の分類について解説

健やかな毎日を送るためには、食事を通してヒトに必要な栄養素を良いバランスで摂取することが大切です。

しかし、「栄養バランスの良い食事」を心がけようと思っても、何に気を付けてどのような食べ物を摂取すれば良いのかよくわからず、困ってしまうかもしれません。

今回は、食べ物に含まれる栄養素に注目した、「三色食品群」と「6つの基礎食品群」について解説します。ぜひ、栄養バランスを考える際の参考にしてください。

1.三色食品群とは

三色食品群とは、その名のとおり食品を色別にグループ分けしたものです。
ここでは、三色食品群の概要や、グループごとの食品の働きなどを見ていきましょう。

1-1.三色食品群について

三色食品群とは、食品が持つ栄養素の働きの特徴によって、食品を「赤色・緑色・黄色」の3つに分類したものです。分類の仕方がわかりやすいため、学校給食の献立表などにも取り入れられています。

毎日、朝食・昼食・夕食の3回、3食それぞれに属する食品がそろった食事をすることで、必要な栄養素をバランス良く摂りやすくなります。

1-2.三色食品群の働き・食品

まず、赤色に属する食品には、血や肉など人体のもとになる栄養素が含まれます。具体的には、肉・魚・卵・乳製品・大豆など、おもにタンパク質を含む食品です。

次に、緑色に属する食品には、体の調子を整える働きを持つ栄養素が含まれます。おもに、ビタミンやミネラルを豊富に含む、野菜・果物・きのこ類などが該当します。

最後に、エネルギーのもとになる栄養素が含まれるのが、黄色に属する食品です。代表例には、米・パン・麺類・いも類・砂糖・油など、おもに糖質や脂質を含む食品が挙げられます。

なお、いも類は三色食品群の分類上は黄色の食品に該当しますが、緑色の食品のように、体の調子を整えるビタミンなども比較的多く含んでいます。

2.6つの基礎食品群とは

三色食品群と深く関わっているのが、6つの基礎食品群です。
ここでは、6つの基礎食品群の概要や、グループごとの食品の働きなどについて解説します。

2-1.6つの基礎食品群について

6つの基礎食品群は、食品に含まれる栄養素の働きの特徴を、三色食品群よりも細かく分けたものです。

1群と2群の食品は三色食品群の「赤色」、3群と4群の食品は三色食品群の「緑色」、5群と6群の食品は三色食品群の「黄色」のグループに該当します。

一日30品目以上を目標に、6つのすべての食品群からバランス良く食事に取り入れることが望ましいとされています。

2-2.6つの基礎食品群の詳細

6つの基礎食品群は、以下のようにグループ分けができます。

基礎食品群 食品に含まれる栄養素の働き おもな食品
1群 • 骨や筋肉のもとになる
• エネルギーのもとになる
肉・魚・卵・大豆製品
2群 • 骨や歯のもとになる
• 体の各機能を調節する
小魚・海藻・乳製品
3群 • 皮膚や粘膜を保護する
• 体の機能を調節する
緑黄色野菜
4群 • 体の機能を調節する 淡色野菜・果物
5群 • エネルギーのもとになる
• 体の機能を調節する
穀類・いも類・砂糖
6群 • エネルギーのもとになる
• 必須脂肪酸の供給源となる
脂肪を多く含む食品


1群・2群の食品は良質なタンパク質やカルシウムなどの供給源、3群・4群の食品はビタミンやカルシウムなどの供給源です。そして、5群の食品は糖質性のエネルギー源となり、6群の食品は脂肪性のエネルギー源となります。さらに、6群の食品は体内でつくられない「必須脂肪酸」を摂るうえでも役立ちます。

三色食品群と6つの基礎食品群を意識して栄養バランスを整えよう

食品を赤色・緑色・黄色の3つのグループに分類した三色食品群と、それをさらに細分化した6つの基礎食品群は、食事の栄養バランスを考えるうえで重要な要素です。

三色食品群と6つの基礎食品群をもとに自分の食生活を振り返ってみると、「米やパンなど、黄色(5群)グループの食品ばかり食べている」などの傾向が見えてきます。

すべてのグループから偏りなく食事に取り入れることを意識し、栄養バランスを整えましょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。