1.片頭痛(偏頭痛)とは?
頭痛の8割は、脳や体に異常がなくても起こる「慢性頭痛(一次性頭痛)」と呼ばれるもので、そのうちの一つが「片頭痛(偏頭痛)」です。片頭痛は、脳の血管が急に拡張することで引き起こされます。ただし、そのメカニズムにはさまざまな説があります。
月に1~2回程度の頻度で発生し、1~3日程度続くケースが多く、前触れとして「目の前がチカチカ光る」「物がブレて見える」といった症状が見られることもあります。
片頭痛の症状が重い場合は、仕事や家事などの日常生活に支障が出てしまいます。体を動かしたり、強い光や大きな音の刺激を受けたりすると、痛みが増加しやすくなるため注意が必要です。
2.片頭痛(偏頭痛)のおもな症状・原因
片頭痛の症状の特徴や、片頭痛の引き金になるものについて解説します。
2-1.おもな症状
片頭痛は、心臓の拍動とともにズキンズキンと痛むのが特徴です。
頭の片側が痛むことが多いものの、まれに両側が痛む場合があり、ケースによっては吐き気やおう吐もともないます。一定の時間が経つと、痛みは完全になくなるでしょう。
子どもの頃に片頭痛を発症する方もいれば、大人になってから発症する方もいます。
2-2.おもな原因
片頭痛の原因の一つと考えられるのが、仕事や人間関係などの心理的なストレスです。心理的なストレスを抱えているときだけでなく、例えば仕事が休みの日など、心理的なストレスから解放されてほっとしたときにも、痛みが起こりやすくなります。
また、片頭痛は10~40代の女性に多く見られることから、女性ホルモンの変動の影響も考えられるでしょう。
心理的なストレスや女性ホルモンの変動のほかには、以下のような原因があります。
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・睡眠不足
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・寝すぎ
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・食生活の乱れ
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・空腹
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・疲労
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・環境の変化
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・天候・気温の変化
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・光・音・においなどの刺激
3.片頭痛(偏頭痛)の予防方法
片頭痛を予防するには、規則正しい生活リズムを保ったうえで、前章で紹介した頭痛の原因を避けることが大切です。加えて、静かな場所で安静にしたり、部屋を暗くしたりして、症状が悪化しないようにしましょう。
片頭痛を何度も経験すると、どのようなときに発症するのか、どうすれば痛みが軽減されるかがわかってくるかもしれません。しかし、片頭痛を習慣化させないためにも、症状が重いときは自己判断ではなく、専門の医師に相談してください。
特に、おう吐をともなう痛みや、しびれ・麻痺・意識障害をともなう痛みがある場合などは、速やかに受診する必要があります。
片頭痛(偏頭痛)の特徴を理解して快適な生活を送ろう
片頭痛は代表的な頭痛の一つで、頭の片側や両側がズキンズキンと拍動するように痛みます。
一定の時間が経つと痛みはなくなりますが、数日程度続いたり、吐き気やおう吐をともなったりする場合、いつもどおりに過ごせないかもしれません。
片頭痛の原因は、心理的なストレスや女性ホルモンの変動などさまざまです。思い当たる原因がある場合は、その原因を避けることで、片頭痛を予防できます。また、状況によっては専門の医師に相談し、正しい診断を受けましょう。
監修者情報
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。