1.きゅうりの基礎知識
ウリ科の野菜であるきゅうりの原産地は、インド北西部に位置するヒマラヤ山麓といわれています。熟すと黄変することから「黄うり」とも呼ばれ、現在の「きゅうり」の名のもとになっています。
日本で栽培されているきゅうりは、大きく分けて「白いぼ種の華北型・黒いぼ種の華南型・ピクルス型」の3種類です。「きゅうり」と聞いて多くの方がイメージするのは、日本の生産量のほとんどを占める「白いぼ種の華北型」でしょう。
きゅうりには、「ククルビタシン」というウリ科特有の苦味物質が含まれています。ククルビタシンは唾液や胃液の分泌を促すため、きゅうりは食欲の増進に有効です。
2.きゅうりに含まれる栄養成分
きゅうりは水分含有量が多い一方で、カリウムやビタミンAも豊富に含んでいます。
ここでは、カリウムとビタミンAの働きなどを見てみましょう。
2-1.カリウム
カリウムは、体内のナトリウムの排出を促進し、血圧を下げる働きをします。また、細胞の浸透圧を維持したり、心臓機能・筋肉機能を調節したりするのも大切な役割です。
カリウムが不足すると、脱力感・筋力低下・食欲不振・骨格筋の麻痺といった症状が現れます。通常の食事で不足することはあまりありませんが、汗をたくさんかく夏は、カリウムを失いやすくなるでしょう。
2-2.ビタミンA
ビタミンAは、レチノール・レチナール・レチノイン酸の総称で、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める働きがあります。また、活性酸素の発生を抑える作用も、ビタミンAの特徴です。
ビタミンAが不足すると、薄暗い場所でものが見にくくなったり、角膜や皮膚などが乾燥したりします。
3.きゅうりを使ったおすすめのレシピ
きゅうりを使ったおすすめのレシピを2つ紹介します。
3-1.きゅうりの香味炒め
きゅうりは生でも食べられますが、炒めものにも合います。きゅうりならではの食感に箸が進むレシピです。
【材料】(2人分)
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・ きゅうり 2本
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・ 豚ひき肉 100g
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・ しょうが 1片
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・ にんにく 1片
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・ 赤唐辛子 1/2本
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・ 塩 適量
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・ サラダ油 小さじ1
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・ しょうゆ 大さじ1
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・ パクチー(あれば) 適量
【作り方】
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1. きゅうりはヘタを切り落とし、5mm幅の斜め切りにしてから塩もみをします。
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2. しょうがとにんにくはみじん切りにし、赤唐辛子は種を取り除いてから半分にカットしましょう。
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3. フライパンにサラダ油を中火で熱し、しょうが・にんにく・赤唐辛子を炒めます。香りが立ったら、豚ひき肉を加えて炒めましょう。
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4. 豚ひき肉に火が通ったら、水分を絞ったきゅうりを加え、さらに炒めます。
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5. しょうゆを加え、全体を炒め合わせます。
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6. お皿に盛り付け、お好みでパクチーをのせたら完成です。
3-2.きゅうりとベーコンのソテー
もう1品、きゅうりを炒めるレシピを紹介します。きゅうりのシャキシャキとした食感を残したい場合は、炒める時間を短くしてみてください。
【材料】(2人分)
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・ きゅうり 2本
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・ ベーコン 2枚
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・ にんにく 1/2片
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・ オリーブ油 大さじ1
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・ 顆粒コンソメの素 小さじ1/2
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・ こしょう 適量
【作り方】
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1. きゅうりは縦半分に切り、小さいスプーンなどを使って種を取り除いたら、食べやすい大きさにカットします。
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2. ベーコンは1cm幅に切り、にんにくはみじん切りにします。
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3. フライパンにオリーブ油とにんにくを入れ、弱火にかけましょう。香りが立ってきたら、ベーコンを加えて炒めます。
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4. ベーコンの脂が出てきたら中火にし、きゅうりを加えてさらに炒めましょう。
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5. きゅうりがしんなりしたら、顆粒コンソメの素とこしょうで味を調えて完成です。
カリウムやビタミンAといった栄養を含むきゅうりを食事に取り入れてみよう
きゅうりには、高血圧を予防するカリウムや、目や皮膚の粘膜を健康に保つビタミンAが豊富に含まれています。調理せずそのまま食べられますが、今回紹介したレシピのように、炒めて食べるのもおすすめです。
きゅうりを使った一品を、普段の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
監修者情報
氏名:梅村 将成(うめむら・まさなり)
外科医として地方中核病院に勤務中。
消化器外科のみならず総合診療医として、がん治療(手術・抗がん剤・緩和治療/看取り)を中心に、幅広く内科疾患・救急疾患の診療を行なっている。
資格:医師免許・外科専門医・腹部救急認定医