梨にはどのような栄養素が含まれる?
梨を使ったおすすめレシピも紹介

梨などの果物は、健康に役立つ効果が期待されています。旬の時期には必ず食べるという人もいるでしょう。

しかし、梨にはどのような栄養素が含まれているかを知っている人は少ないのではないでしょうか。

今回は、梨に含まれている栄養素と、梨を使ったおすすめのレシピを紹介します。

1.梨について

梨は中国が原産ですが、ヨーロッパでおもに栽培されている「洋なし」や、日本で多く栽培されている「日本なし」などいくつかの種類があります。

梨にはソルビトールという糖質が含まれています。ソルビトールは大腸内で浸透圧を高めて腸管内の水分を増やす働きがあるため、便を軟化させて排便を促してくれる成分です。

また、梨が持つ独特の歯ごたえを作っている「石細胞」は、腸の蠕動運動を促して便通を良くする効果が期待できます。そのため、便秘が気になる人は梨の摂取がおすすめです。

2.梨にはどのような栄養素が含まれているのか

梨は、クロロゲン酸やカテキン類などのポリフェノール類を含んでいます。

ポリフェノールとは、野菜や果物などほとんどの植物が持つ苦みや色素を構成している機能性成分のことです。強い抗酸化作用を持ち、私たちの体にとって有害な物質である「活性酸素」などを無害なものに変えてくれる働きがあります。

カテキンはポリフェノールの一種であり、さまざまな作用が期待されています。以下に、カテキンが持つ健康効果を挙げます。

  • 肥満予防

    カテキンを一定量摂り続けることで、肝臓における脂質代謝が高まり、その結果体脂肪が減少しやすくなるといわれています。

  • 血糖値の上昇を抑える

    カテキンを食事の前に摂ることで、腸からの糖の吸収を緩やかにしてくれる働きが期待できます。

  • コレステロールの吸収を抑える

    カテキンを摂取することで、食事から摂るコレステロールの吸収を抑えてくれるだけでなく、排出を促してくれる効果が期待されています。

このように、梨が含む栄養素には体にとって有用な働きをします。

果物は甘いため太りやすいというイメージがあるかもしれませんが、摂りすぎなければ問題はありません。厚生労働省と農林水産省によって共同で策定されたガイドラインでは一日あたり果物を200g摂ることをすすめています。

3.梨を使ったレシピ

梨の概要や、梨が含んでいる栄養素について解説しました。ここからは、梨を使ったレシピを紹介します。

3-1.梨とモッツァレラチーズのシンプルサラダ

まずは、梨の甘味を活かしたシンプルな「梨とモッツァレラチーズのシンプルサラダ」のレシピを紹介します。

【材料】2人分

  • • 梨 1個

  • • モッツァレラチーズ 1袋

  • • サニーレタス 2枚

  • • 白ワインビネガー 適量

  • • オリーブ油 適量

  • • 塩 適量

  • • 粗挽き黒こしょう 適量

【作り方】

  • 1. 梨は皮をむき、芯を取り除いて一口大の大きさにカットします。

  • 2. モッツァレラチーズは食べやすい大きさにちぎりましょう。

  • 3. お皿にサニーレタスを食べやすい大きさにちぎって敷き、梨とモッツァレラチーズを盛り付けて、白ワインビネガー、オリーブ油、塩、粗挽き黒こしょうを振りかけたら完成です。

白ワインビネガーの代わりに、レモン汁を使ってもおいしく食べられます。

3-2.きゅうりと梨の酢のもの

次に紹介するレシピは、さっぱりとした副菜の「きゅうりと梨の酢のもの」です。

【材料】2人分

  • • きゅうり 1本

  • • 梨 1/4個

  • • カニカマ 40g

  • • 酢 大さじ2

  • • 塩 適量

【作り方】

  • 1. きゅうりは縦半分にカットし、斜め薄切りにしたら塩もみをしておきます。

  • 2. 梨は皮をむいて、すりおろしましょう。

  • 3. カニカマは食べやすい大きさにほぐしておきます。

  • 4. 水気を絞ったきゅうりと梨、カニカマ、酢をあえたら完成です。

塩もみをしたきゅうりとカニカマの塩分があるため、今回のレシピでは塩を加えていませんが、お好みで塩を加えてもよいでしょう。

梨の栄養素を取り入れつつ健康的な食生活を送りましょう

梨は便秘を予防する効果が期待されています。また、私たちの体にとって有用な成分であるポリフェノールも含んでいるため、積極的に摂れるとよいでしょう。梨を含む果物は、一日あたり200gほど摂取することが推奨されています。

梨を日常的に摂取するには、梨を使ったアレンジ料理を作ってみるのもおすすめです。今回お伝えしたレシピをぜひ参考にしてみてください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。