日常生活のなかでできる体の温め方を解説
体を温めるおすすめの食材も紹介

寒い季節に限らず、体の冷えを感じていませんか。体の冷えは、それ自体が不快な症状ですが、頭重感や肩こり、不眠といった症状につながることもあります。

今回は、日常生活でできる体の温め方や、体を温めるおすすめの食材などについて解説します。

1.体が冷えるのが良くないといわれる理由とは?

体の冷えは、「万病のもと」といわれています。

体が冷えると、次のような症状が見られるでしょう。

  • • 頭重感

  • • 頭痛

  • • めまい

  • • 立ちくらみ

  • • 肩こり

  • • 不眠

  • • 食欲不振

  • • イライラする

  • • 疲れやすい

また、体が冷えることで、栄養素や酸素などが全身に行き届きにくくなったり、内臓や細胞の働きが低下したりする可能性があります。

2.日常生活でできる体の温め方

体が冷えるのは、「体内で熱を作れない」または「体の末端まで熱を届けられない」ことが原因です。

体を温めて冷えを改善すると、前述した症状が良くなるかもしれません。ここでは、日常生活でできる体の温め方を紹介します。

2-1.首やお腹周りを温める

「温度センサー」の役割がある首や肩甲骨周りなどが冷えていると、手足に熱が届きにくくなります。特に首を冷やさないよう、マフラーやショールを使いましょう。

また、お腹周りが冷えている場合も、内臓を守ろうとして手足に熱が回らなくなります。腹巻きを使い、お腹周りをしっかりと温めてください。

なお、体が冷える原因のうち「体の末端まで熱を届けられない」のは、自律神経の乱れが影響している場合があります。自律神経が無理なく対応できる温度変化も個人差と限度があるため、温度差が大きくならないよう、調節しやすい服装かどうかも重要です。

2-2.ぬるめのお風呂で半身浴する

シャワーだけで済ませず、お風呂にゆっくりと浸かりましょう。20~30分程度の半身浴がおすすめです。

ただし、お湯の温度が熱すぎると、体の表面しか温まりません。血管を末端まで拡張させ、体を芯から温めるために、お湯の温度は38~40度を目安にしてください。

2-3.適度に運動をする

運動すると、エネルギー代謝が高くなると同時に、酸素消費量が増えてエネルギーが作られやすくなります。さらに、筋肉量が増えるため、体温が低下しにくくなるでしょう。

一日30分以上のウォーキングやヨガ、ストレッチ、スクワットなどを取り入れてみてください。

また、運動前のウォーミングアップは、ケガの防止だけでなく体温を上昇させるうえでも有効です。手首や足首、肩甲骨周り、股関節周りなどを十分にほぐしましょう。

3.体を温めるおすすめの食材

体を内側から温めるためには、規則正しく栄養バランスが良い食事を基本とし、体を温める食材を積極的に摂りましょう。

具体的な食材の例は、次のとおりです。

野菜 • カボチャ
• かぶ
• ゴボウ
• たまねぎ
• ピーマン
• にんじん
• 生姜
芋類 • ヤマイモ
• サトイモ
• サツマイモ
果物 • もも
• ライチ
• 栗
• ザクロ
穀物 • 餅米
• 玄米

なお、ねぎやにんにくなども体を温める効果が期待できますが、過剰にとると胃腸の負担になることがあるため注意が必要です。

「冷えない体」を作って元気に過ごしましょう

体の冷えを改善するには、衣服や生活習慣の見直しが必要です。首やお腹周りを温める・ぬるめのお風呂で半身浴する・適度に運動するといった方法を基本に、冷えない体作りをしましょう。

また、体を温める食材を積極的に摂ることも大切です。夏季が旬の野菜のように体を冷やす食材は、加熱調理をすれば体を冷やす効果を抑えることができます。特定の食材だけを摂るのではなく、調理方法を工夫するなどしてバランス良く食べるとよいでしょう。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。