目次
1.コリンとは?
コリンは、細胞膜の主成分や神経細胞の構成に必要な、レシチンというリン脂質の材料になる物質です。ビタミンではないものの、ビタミンをサポートし、ビタミンに近い作用をしています。
以前は水溶性ビタミンに分類されていましたが、現在はビタミンに近い作用をする物質として、水溶性ビタミン様作用物質に分類されています。
皆さんはコリンという栄養成分をご存知でしょうか。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、人間の体内や身近な食べ物に含まれている、生命維持に欠かせないものです。
ここでは、コリンとはどのような栄養成分で、どのような働きをしているのか、また身近な食品では何に含まれているのかを紹介します。
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コリンは、細胞膜の主成分や神経細胞の構成に必要な、レシチンというリン脂質の材料になる物質です。ビタミンではないものの、ビタミンをサポートし、ビタミンに近い作用をしています。
以前は水溶性ビタミンに分類されていましたが、現在はビタミンに近い作用をする物質として、水溶性ビタミン様作用物質に分類されています。
では、具体的にコリンにはどのような働きがあるのでしょうか。
ここでは、コリンを材料とするレシチン、コリンと有機酸の化合物であるコリンエステル、コリンエステルの一つであるアセチルコリンの役割を紹介します。
コリンには、脂質代謝を促進する作用があります。そのため、脂肪の分解サポートやコレステロール値を下げる働き、高血圧の予防、脂肪肝の予防といった作用があると考えられています。
また、コリンが材料となってできるレシチンというリン脂質の作用の一つが、血栓を溶かすことです。レシチンなどのリン脂質が不十分だと、コレステロールが血管に溜まることがわかっています。
コリンから構成されるレシチンには、細胞膜を活性化する働きがあります。この働きにより、肝臓細胞を活性化し、肝機能を保護する作用が期待されます。
脂肪肝などで脂肪が肝臓に溜まっている場合には、レシチンの働きで脂肪が代謝され、肝機能の向上が見られることがあるでしょう。
コリンを材料とするものに、コリンエステルという神経伝達物質があります。
コリンエステルはナスに多く含まれる物質で、最近の研究により血圧を下げる作用があるとわかりました。
交感神経の動きを抑える働きもあり、精神にも良い影響を与えることが期待されています。
コリンエステルの一種に、アセチルコリンという神経伝達物質があります。
アセチルコリンは、卵黄に含まれるコリンの摂取によって作られる物質です。集中力の向上や脳の活性化、記憶力を助ける効果が期待できるでしょう。
健康に対してプラスに作用することが期待されるコリンですが、身の回りにある食品ではどのようなものに含まれているのでしょうか。
ここでは、おもな食品例として卵黄、大豆(大豆製品)、を紹介します。
卵黄は多くのコリンを含む食材です。卵黄中のレシチンを構成する物質としてコリンが含まれており、体内に入るとおもに小腸から吸収されます。
コリンは、次に紹介する大豆にも含まれていますが、卵黄から抽出したもののほうが脳に送られやすいという研究結果が報告されています。
レシチンには、卵黄レシチンだけでなく大豆レシチンも存在するため、大豆からもコリンを摂取できます。
コリンの含有量は卵黄より少ないものの、大豆の嬉しいポイントは健康維持のサポートをしてくれるイノシトールなども一緒に摂取できる点です。
さらに、大豆レシチンには体内で合成できない必須脂肪酸が多く含まれていることや、コレステロールを含んでいない点も魅力といえるでしょう。
コリンとはどのような栄養成分で、どのような働きがあるのかを解説し、コリンが含まれる身近な食品を紹介しました。
コリンは、体内でビタミンのような働きをする水溶性ビタミン様作用物質で、細胞膜や神経細胞の構成にも必要な物質です。レシチンやコリンエステルなどの神経伝達に必要な物質の材料になり、さまざまな健康効果を助ける役割があります。
卵黄や大豆製品など使いやすい食品に多く含まれているので、無理なく食事に取り入れられるでしょう。
氏名:高橋健太郎(たかはし・けんたろう)
循環器内科医として臨床に関わりながら、心血管疾患のメカニズムを解明するために基礎研究に従事。現在はアメリカで生活習慣病が心血管疾患の発症に及ぼす影響や心血管疾患の新しい治療法の開発に取り組んでいる。国内・海外での学会発表や論文報告は多数。
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会所属。
成分
「寝付きが良くない」「目覚めが悪い」など、睡眠の質に悩まされている方はいるでしょう。
成分
人体にとって、主要なエネルギー源の一つである炭水化物。
成分
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成分
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成分
ビタミンは、私たちの体の機能を正常に保つために欠かせない栄養素です。