高血糖になると現れる体の変化とは?
高血糖が続いた場合のリスクも解説

「血糖値が高いと、何が悪いのか?」「高血糖の状態が続くと体にどのような影響があるの?」と、健康診断などの結果を見て、気になっている方もいるのではないでしょうか。

高血糖は、持続すると体にとって良い状態ではありません。しかし、高血糖でどのような変化が体に現れるのか、体にどういった影響があるのかを知らないと対処できないでしょう。

そこで今回は、高血糖が引き起こす体の変化やリスクについて詳しく解説します。

1.血糖値が高くなる理由

血糖値が高くなる理由としては、おもに次の2つが挙げられます。

  • ・インスリンの量が不足している

  • ・インスリンの働きが悪くなっている

インスリンは、膵臓のβ細胞から分泌される血糖値を下げるためのホルモンです。健康な方であれば、血糖値は70~100mg/dlほどの範囲におさまっています。空腹時に計測した血糖値が100mg/dl以上の場合は、保健指導の対象です。

2.高血糖でおもに見られる体の変化

高血糖になると、次のような体の変化がおもに見られます。

  • ・体重が減る

  • ・疲れやすくなる

  • ・喉が渇く

  • ・水分をよく摂取するようになる

  • ・排尿回数が増える

血糖値が基準より高いからといって、すぐに必ず上記のような変化が現れるわけではありません。血糖値が350~400mg/dLを超えないと、特に体に変化が現れないことがあります。そのため、高血糖なのに健康診断で指摘されてはじめて気付く方や、何か体に変化が出始めて血糖値が高いことに気付く方などもいます。

高血糖がある程度進むと、口の渇きや排尿回数の増加などが見られるようになります。これらの変化が見られたら、早めに医療機関を受診するようにしてください。

血糖値が高くなると、意識障害を起こすこともあるので注意しましょう。この場合、長期間異常に血糖値が上がることで脱水になったり血圧が低下したりすることで、昏睡状態となってしまいます。意識障害を起こす方は、簡易測定器では計測できないほど血糖値が上がっていることが少なくありません。

3.高血糖が続くとどうなるのか

高血糖の状態をそのままにしておくと、次第に血管が傷付いていき弾力性が失われます。血管のしなやかさが失われるため、出血しやすくなることも珍しくありません。

小さな血管の障害だと、目や腎臓、神経に影響が出ることもあります。太い血管が傷付いた場合は、心臓や脳の負担が大きくなることもあるため、こちらも注意が必要です。

このほか、下記のような状態を引き起こすこともあります。

  • ・足のしびれ

  • ・こむらがえり

  • ・皮膚の化膿

  • ・下痢・便秘

血糖値が高い状態が続くときは、いかに体への負担を少なくし血糖値をコントロールしていけるかが重要です。

高血糖が気になる方は早めの受診をこころがけましょう

高血糖になると、喉の渇きや多飲、多尿、体重減少などの体の変化が見られます。これらが進行すると、意識障害を起こすこともあるので注意しましょう。

また、血糖値が高い状態が続くと、血管が傷付いて目や腎臓、神経などに影響が出ることもあります。放置しておくと体にとって重大なリスクを招くこともあるため、高血糖が気になるときは早めに医療機関へ相談してください。

監修者情報

氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。