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1.どのような場合に鉄分を摂りすぎるのか
普段の食生活をしている限り、鉄分を摂りすぎることはほとんどありません。特に鉄分を多く配合した食品を摂取しすぎたりしていなければ、鉄分の過剰摂取を気にする必要はないでしょう。
しかし、一日の目安量を超えて鉄分が多く含まれる食品を摂取し続けていると、過剰摂取につながる可能性があるので注意が必要です。
鉄分は、私たちの体に欠かせないミネラルの一種です。不足すると貧血を起こすことで知られていますが、逆に摂りすぎるとどのような影響があるのでしょうか。
今回は、どのようなときに鉄分を摂りすぎてしまうのか、一日にどれくらいなら鉄分を摂っても問題ないのかなどについて解説します。
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普段の食生活をしている限り、鉄分を摂りすぎることはほとんどありません。特に鉄分を多く配合した食品を摂取しすぎたりしていなければ、鉄分の過剰摂取を気にする必要はないでしょう。
しかし、一日の目安量を超えて鉄分が多く含まれる食品を摂取し続けていると、過剰摂取につながる可能性があるので注意が必要です。
鉄は、過剰摂取することで健康被害をもたらす可能性があるため、摂取量に上限値が定められています。耐容上限量は次のとおりです。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
1~2歳 | 25mg | 20mg |
3~5歳 | 25mg | 25mg |
6~7歳 | 30mg | 30mg |
8~9歳 | 35mg | 35mg |
10~11歳 | 35mg | 35mg |
12~14歳 | 40mg | 40mg |
15~17歳 | 50mg | 40mg |
18~29歳 | 50mg | 40mg |
30~49歳 | 50mg | 40mg |
50~69歳 | 50mg | 40mg |
70歳以上 | 50mg | 40mg |
※1歳未満は目安量
※上限量:ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
耐容上限量とは、過剰摂取による健康被害を避けるために設けられた摂取基準です。耐容上限量を超えて摂取すると、さまざまな健康被害が起こるリスクが高まります。
なお、日本人の平均的な鉄分の摂取量は一日あたり男性で8.0mg、女性で7.3mgです。そのため、一般的な食生活を行なっていれば、耐容上限量を超えて鉄分を摂取してしまう心配はまずありません。
一方で、鉄分の推奨量は一日あたり次のようになっています。
男性 | 女性 ※カッコ内は月経ありの推奨量 |
|
---|---|---|
6~11カ月 | 5.0mg | 4.5mg |
1~2歳 | 4.5mg | 4.5mg |
3~5歳 | 5.5mg | 5.5mg |
6~7歳 | 5.5mg | 5.5mg |
8~9歳 | 7.0mg | 7.5mg |
10~11歳 | 8.5mg | 8.5mg(12.0mg) |
12~14歳 | 10.0mg | 8.5mg(12.0mg) |
15~17歳 | 10.0mg | 7.0mg(10.5mg) |
18~29歳 | 7.5mg | 6.5mg(10.5mg) |
30~49歳 | 7.5mg | 6.5mg(10.5mg) |
50~64歳 | 7.5mg | 6.5mg(11.0mg) |
65~74歳 | 7.5mg | 6.0mg |
75歳以上 | 7.0mg | 6.0mg |
※1歳未満は目安量
※推奨量:ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が一日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
推奨量を見てわかるとおり、耐容上限量とは大きな差があります。そのため、鉄分を多く含む食品などを食べる場合でも、推奨量を守っていれば過剰に摂取することはまずありません。
過剰摂取すると、次のような現象が見られることがあります。
・便秘
・胃のむかつき
・亜鉛の吸収阻害
その他、成人の場合は鉄分が蓄積されやすいことから、慢性的に続く病気の発症にも関わっていることがわかっています。
また、乳幼児が医薬品の鉄剤などを誤飲してしまうと、鉄過剰による体調不良を起こすこともあります。
鉄過剰による体調不良を起こすと重度の臓器障害が起こったり、ときには命に関わったりすることもあるため、鉄分の含まれた食品の扱いには十分な注意が必要です。
普通に食事をして生活している限り、鉄分を過剰に摂取してしまうことはありません。しかし、鉄分が配合された食品を普段から摂っている方は注意が必要です。
過剰摂取することで、便秘や胃のむかつき、亜鉛の吸収阻害などさまざまな影響が出る可能性があります。鉄分を多く含む食品を摂取している方は、一日の推奨量を把握して過剰摂取にならないようにしましょう。
氏名:井林雄太(いばやし・ゆうた)
総合病院勤務。大分大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。現在は医師業務のかたわら、正しい医療情報を伝える啓発活動も市民公開講座など通して積極的に行なっている。
成分
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成分
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成分
モリブデンは、金属素材の一つというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、健康維持に必要なミネラルの一つでもあります。
成分
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成分
ビタミンB群の一種である葉酸は、体内のさまざまな反応に関わる必要不可欠な栄養素です。