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気になる「老化症状」

「鉄欠乏性貧血」を予防・改善。 たっぷりと「鉄」を補う食事のコツ

監修:ナビタスクリニック新宿院長
濱木珠恵

女性にとって身近な「鉄欠乏性貧血」は、不足している「鉄」を補うことで予防・改善できます。すると、疲れや頭痛などが解消されるだけでなく、髪や肌のコンディションがよくなるなど美容にうれしい効果も。まずは毎日の食事を見直してみましょう。効率よく鉄補給をするコツについて、解説していきます。

「ヘム鉄」たっぷりのレバーで、貧血のもと・鉄不足を解消

「鉄欠乏性貧血」の予防と改善には、毎日の食事で鉄を補うことが基本です。体内の鉄は、汗や尿などによって毎日1mg失われる一方で、体内での吸収率が悪く、食事でとった鉄が吸収されるのはわずか10%程度。失われた鉄を補給するには毎日10.5mgの鉄摂取が必要になります。
鉄補給のポイントは、毎日コツコツ継続してとることです。赤血球は毎日、新しくつくりかえられているので、材料となる鉄が常にある状態にしておきましょう。

どんな食材をとれば鉄が補える?

では、具体的にどのような食材をとればよいのでしょう。
まず、鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類がありますが、特に体に吸収されやすい「ヘム鉄」での補給を心がけましょう。
「ヘム鉄」は、赤身の肉、まぐろ、かつお、いわし、あさりなどの肉・魚介類に豊富に含まれますが、代表的な食材はレバーです。肝臓に蓄えられた貯蔵鉄を食べることになるので、たっぷりと鉄が補給できます。
レバーが苦手な人は、小さく刻んで麻婆豆腐やつくね団子にしたり、カレー粉やしょうがなどのスパイスを活用したりするなどの工夫をすると、臭みが気にならず食べやすくなります。

貧血の人はごまや乳製品なども一緒にとるとのがオススメ

鉄補給にとりたい「ごま」

一方で「非ヘム鉄」は、のり、ごま、納豆、厚揚げ、小松菜、ほうれんそう、卵、ヨーグルトなどの海藻、野菜、豆類、卵、乳製品に豊富に含まれます。
体への吸収率が低い非ヘム鉄ですが、ヘム鉄と一緒にとることで吸収がよくなります。その意味でも、肉・魚と野菜を一緒に食べることは理にかなっています。また鉄は「酸」により溶け出すので、梅干しやお酢、レモンなどの酸っぱいものと組み合わせたり、よくかんで胃酸の分泌を促したりすると、吸収率が高まります。

貧血なら注意したい、鉄の吸収を妨げる「食べ合わせ」

スナック菓子やコーヒーをとりながら、仕事をする人

貧血の予防・改善にせっかく鉄をとっても、食べ合わせによっては吸収が妨げられてしまうため注意が必要です。
緑茶や紅茶、ウーロン茶、コーヒーなどに含まれる"タンニン"は、鉄の吸収の妨げになります。食事中に濃いお茶やコーヒーを飲むのは避けたほうがよいでしょう。

ほかにも、玄米やおからなどに含まれる不溶性食物繊維をとると、鉄が一緒に排出されてしまうので食べ過ぎには注意。加工食品に添加物として含まれる"リン酸"も鉄の吸収を阻害します。インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水なども控えたほうがよさそうです。

「ビタミン」のチカラで、貧血の味方・鉄の吸収率をアップ

鉄の吸収率を高めるビタミンCが多い食材

効率よく鉄を補給するためには、鉄の吸収率を高める「ビタミンC」と一緒にとるのもオススメです。ブロッコリーやピーマン、菜の花などの野菜、いちご、グレープルフーツ、キウイフルーツなどの果物、さつまいもなどのいも類に多く含まれます。

さらに、赤血球がつくられる際に必要となる「ビタミンB12」や「葉酸」も、貧血の予防・改善には欠かせません。鉄と一緒に、「ビタミンB12」を豊富に含む、のり、しじみ、あさり、鮭、いわしなどの海藻類・魚介類や、「葉酸」を豊富に含む、ブロッコリー、ほうれん草などの野菜、納豆などの豆類、のりなどの海藻類を使った食事も、積極的にとるようにしましょう。

「鉄」の調理器具を使って、効率よく鉄をチャージして貧血予防

鉄のプライパンで調理する様子

食事以外の鉄不足解消法としては、調理器具を工夫するのもひとつ。
鉄のやかんや鍋、フライパンなどで調理をすると、鉄が少しずつ溶け出して自然と鉄補給ができるためです。以前は鉄が豊富な食品の代表格とされた「干しひじき」ですが、じつは、ひじきに鉄はそれほど含まれておらず、加工の過程で鉄釜から溶け出した鉄が含まれていたことがわかっています。
ただし、鉄鍋でも表面にテフロン加工などのコーティングがされているものはNGです。鉄鍋を持っていないという人には、鉄補給用の調理補助グッズ"鉄玉子"がオススメ。卵型をした南部鉄のかたまりですが、お湯を沸かすときや調理するとき一緒に入れるだけで手軽に鉄補給ができるので、鉄不足の解消に役立てるのもよいでしょう。

まとめ

鉄を補うには「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類ある

「ヘム鉄」を補うにはレバーがいい!

「非ヘム鉄」にはごまなどがおすすめ

スナック菓子やコーヒーは鉄の吸収を阻害する可能性も

鉄の吸収率を高めるにはビタミンCも大事

鉄の調理器具でも鉄分は補える

取材・文 FYTTE 編集部

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