睡眠の悩み別解消法
睡眠はQOLにも関わる、人生の大切な要素です。できるだけ、毎日、健やかな眠りを楽しみたいものです。気になる睡眠の悩みを解消していきましょう。
早朝覚醒には、「体内時計」を後ろにずらす工夫を
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- ① 早朝に目覚めてしまう
- 早朝に目覚めてしまうのは、体内時計が前倒しになっていることが原因です。それには、ライフスタイルも影響しています。日中に特にすることがないと、7~8時に寝床に入って、明け方に目覚めるようなリズムになってしまいます。体内時計を後ろにずらす工夫をしましょう。
【対策のポイント】体内時計を後ろにずらす
- ●遮光カーテンで部屋を暗くする
- 体内時計は、光でリセットされます。寝室には遮光カーテンをつけて、早い時間から光を浴びないようにします。寝室が暗ければ、起きる時間も遅らせることができます。
- ●朝、屋外に出るときは、サングラスをかける
- 朝から散歩をしたり、庭仕事が日課にしている場合は、光の影響を減らすためにサングラスをかけましょう。
- ●夜は明るい光の下で過ごす
- 夜は明るい光の下で過ごすようにします。眠くなる時間も遅くなり、体内時計も後ろにずらすことができます。しかし、過ぎたるは及ばざるがごとし。寝床に入る直前まで部屋を明るくしておくと、寝付きが悪くなってしまいます。寝床に入る1時間前には照度を落とし、スマートフォンなどのデジタル機器の使用も控えましょう。
体温アップとリラックスでスムーズに入眠
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- ②寝つきが悪い
- 寝付きをよくするには、「深部体温を上げる」「リラックス」が大切。人が眠くなるのは、深部体温が下がったときです。夕方から夜にかけて、深部体温をいったん上げておくと、スムーズに入眠できます。また、寝る前にはなるべくリラックスした状態になるように心がけましょう。
【対策のポイント】夕方から夜にかけて、深部体温を上げて、リラックスして過ごす
- ●ウォーキングやラジオ体操程度の軽い運動をする
- 夕方から夜にかけて、ウォーキングやラジオ体操などの軽い運動をしましょう。布団に入る3時間前ぐらいがおすすめです。ただし、寝る前の激しい運動は、交感神経が優位になり、目が冴えてしまうのでNGです。
- ●ぬるめの温度で入浴する
- 布団に入る1~2時間前に、ぬるめのお湯でゆったりと入浴しましょう。リラックス効果もあり、寝付きがよくなります。寝る前に、熱いお湯に入ることは、交感神経を興奮させ、寝付きが悪くなるので、避けましょう。
- ●心配事があるときは、腹式呼吸でリラックス
- ストレスや不安は、寝付きを悪くします。心配事があって眠れないときなどは、腹式呼吸を試してみましょう。鼻からゆっくり息を吸って、口から吐くという呼吸を数回繰り返すと、リラックスできます。
- ●寝る4時間前にはカフェイン飲料は控える
- カフェインには、覚醒効果があります。コーヒー1杯には60~80mg、紅茶には20~40ml、緑茶でも30~50mlが含まれています。カフェインの影響は、2時間半から4時間半は続くので、寝る4時間前にはカフェイン飲料は控えるようにします。夜にお茶を飲むなら、麦茶やハーブティーがおすすめです。
ぐっすり眠りたいなら、日中に屋外で運動を
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- ③眠りが浅い、夜中に目が覚める
- 「ぐっすり眠った」という熟眠感は、日中の活動量が関係しています。太陽の下で活動的に過ごせば、睡眠ホルモンのメラトニン分泌が高まって、体内時計の振幅が大きくなり、さらに睡眠物質がたまることで、ぐっすり眠れるようになります。
【対策のポイント】日中を活動的に過ごす
- ●日中にウォーキングなどを行う
- 日中の活動量が増えるほど、睡眠物質がたまり、ぐっすり眠れるようになります。ウォーキングをするなど、自分のペースでできる運動を習慣にしましょう。
- ●日中に太陽の光を浴びる
- 日中に光をたくさん浴びることで、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が高まり、夕方から夜にかけて深部体温の上がるのを助け、寝付きもよくなります。公園のベンチなどで読書をするだけでもOKですが、屋外で運動をすれば一石二鳥です。
- ●昼寝は短めに
- 長すぎる昼寝や、夕方からの睡眠は、夜の睡眠に影響します。日中に眠気がある場合は、昼食後から15時までの間に30分程度を目安にします。昼寝の前にコーヒーなどのカフェイン飲料を飲んでおくと、15~30分後に効いてくるため、すっきり目覚めることができます。
- ●寝る前にお酒を飲み過ぎない
- アルコールには寝付きをよくする効果もありますが、飲酒後4時間も経つと、覚醒効果のほうが強くなり、夜中に目が覚める原因に。また、アルコールの利尿作用でトイレに起きてしまうこともあります。夜に飲酒をするなら、ビールは大ビン1本、日本酒は1合程度に。
- ●就寝時間を遅くする
- ぐっすり眠れないからといって早めに床につくのは、おすすめできません。入眠時刻の2~3時間前は頭が覚醒しているので、布団に入ってもすぐには寝付きにくい状態です。
逆に床に入る時間を遅くしたほうが、ぐっすり眠れる場合もあります。
どうしても眠れないときは、医療機関に相談
睡眠薬を処方してもらう
どうしても眠れないときには、睡眠専門のクリニックなど、睡眠に詳しい医師のいるところで、睡眠薬を処方してもらうのもひとつの方法です。
睡眠薬には、短時間型、中時間型、長時間型があり、寝付きが悪い場合には短時間型の薬を使うなど、不眠の原因に合わせて処方されます。最近の主流となっているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、依存性も低く、副作用もほとんどありません。
しかし、高齢者の場合、睡眠薬の影響が翌日まで残って日中も強い眠気があったり、ふらつきによる転倒リスクもあります。処方してもらう際は、医師とよく相談して、指示を守って服用しましょう。
ときどき眠れなくなる程度であれば、生活習慣の見直しで改善することもあります。本当に睡眠薬が必要かどうかを見極めてもらうためにも、睡眠に詳しい医師に診てもらうことをおすすめします。
日本睡眠学会のHPから、睡眠に詳しい医師を検索できます。
http://jssr.jp/
人生を楽しむことが、快眠の秘訣
さまざまな不眠の改善方法をお伝えしましたが、眠れないことを必要以上に気にしないことも大切です。人生は眠るために、あるわけではありません。特に定年後の60代、70代では、活動量が落ちるライフスタイルが睡眠に影響しています。散歩やウォーキングなどをおすすめしましたが、義務感でやっていても、長続きはしません。自分が楽しくできる趣味や日課を見つけて、取り組むことも大切です。本当に大切なのは、人生を楽しんで生きること。それが、快眠の秘訣といえるでしょう。
まとめ
遮光カーテン、サングラスで、朝の光を遮れば、早朝覚醒は防げる
寝付きが悪いときは、入浴法と運動、呼吸法で解消
日中に光を浴びて、活動量を増やせば、ぐっすり眠れる
どうしても眠れないときは、医療機関で睡眠薬を処方してもらう
人生を楽しむことが、最大の快眠方法と知るべし