3月Vol.03:春野菜で楽しむ ぬかみそ漬け
ぬかみそ漬け春野菜いなり:524kcal

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ホーロの容器で手軽に楽しむ「ぬかみそ漬け」

ぬか床をおいしくするくず野菜と風味づけの食材

日本が世界に誇る発酵食品「ぬかみそ漬け」は、注目の植物性乳酸菌の宝庫です。ぬかみそ漬けをつくるなら、ぬか床が程よく発酵しやすい春から初夏がお勧めです。旬の春野菜で、おいしいぬかみそ漬けをつくりましょう。

漬け物天国日本の王者「ぬかみそ漬け」

 私たちの祖先が初めて知った食物の加工法は、おそらく野菜を漬け込むことだったといわれています。無数の酵母や乳酸菌が働いておいしい香味をつけ、乳酸によって野菜が腐らずにすむ漬け物は、ある限られた時期にとれた収穫物を貯えるための知恵の産物です。中国からアジアへ、アジアから世界へ広がり、数千年の間に改良や淘汰を受けながら、数多くの漬け物がつくり出されました。
 日本でも飛鳥・奈良時代頃からつくられた記録があり、現在では、塩漬け、粕漬け、味噌漬け、辛子漬けなど、500種類を超える漬け物があります。日本で最も古い漬け物が、ぬかみそ漬けのルーツとされる「にらぎ漬け」です。ニレの樹皮粉末と塩を混ぜて塩漬けをつくるにらぎの漬け床は、その後、大豆や米の粉、ついで米ぬかの漬け床に変わり、ぬかみそ漬けが誕生したといわれています。
 今回は、日本独自の優れた漬け物「ぬかみそ漬け」の作り方や栄養について取材しました。

手軽で簡単!ぬかみそ漬けのつくり方

 「手間がかかる」、「においがいや」と敬遠されがちなぬかみそ漬けですが、ご家庭でも簡単に始められるぬかみそ漬けのつくり方をご紹介しましょう。
 用意するのは、塩200gといりぬか(米ぬか)1kg、ふた付きの容器、くず野菜(キャベツの外葉、人参や大根のヘタなど)、風味づけの食材(昆布、赤唐辛子、煮干、椎茸の軸など)と、ほとんどが台所にあるものばかりです。
 つくり方のポイントは、捨て野菜を使ってぬか床を熟成させてから、本漬けをすること。そして、新鮮な野菜を1日1回出し入れすることだけです。漬け時間も半日~1日。毎日手でかき混ぜることが、良いぬか床作りには大切ですが、小さめの容器でつくり、冷蔵庫で保存すれば、数日かき混ぜなくてもダメにはなりません。
 きゅうりやナスなどの定番野菜以外にも、菜の花やうど、アスパラ、セロリ、パプリカ、硬くゆでたカボチャなどもおすすめです。旬の新鮮な野菜で、色鮮やかなぬかみそ漬けを楽しんでみてください。

植物性乳酸菌の健康パワー

 日本独自のぬかみそ漬けは、栄養的にも優れた日本人の元気の素。米ぬかに含まれるタンパク質や脂肪、ビタミン類、酵素の作用により乳酸菌の発酵を促し、ぬか床を熟成させますが、うま味や酸味、香りだけでなく、ぬかから出てきたビタミン類など、生野菜にはなかった栄養分がプラスされます(図1)。また、腸内環境を整える作用で免疫力をアップする、話題の植物性乳酸菌の宝庫。野菜の食物繊維とともに腸の健康管理には欠かせない健康食品といえます。
 春は、ぬか床づくりに適した季節です。ご家庭でも手軽にできる方法でぬかみそ漬けをつくり、健康的な毎日を過ごしましょう。

ぬか床をつくる

1.

熱湯1リットルを塩にとかし、粗熱が取れたら容器に入れたいりぬかにすこしづつ加えて、耳たぶのかたさになったら風味づけの食材を入れる。

2.

ぬか床に水分を与えるために、キャベツの外葉などのくず野菜を最初に漬け(捨て漬け)、表面をならして冷暗所で保存。1日1~2回かき混ぜ、くず野菜は2~3日ごとに取り替える。これを10日間ほど繰り返してぬか床をつくる。

本漬けをする

3.

きゅうり、なすなどは表面に塩をもみつけてから漬けると色が良くなる。人参、かぶ、大根などは皮付きのまま、大きめに切ってから漬ける。漬け時間は6時間~1日などお好みで。

今旬レシピ:お花見などの行楽にぴったり! ぬかみそ漬け春野菜いなり調理時間:約60分

栄養成分(1人分)
エネルギー:524kcal
タンパク質:14.5g
脂質:13.0g
炭水化物:83.4g
塩分:3.7g
詳しくはこちら
この料理は、坂元醸造の坂元のくろず 天寿(3年もの)を使用しています。 坂元のくろず 天寿(3年もの) 720mL

[材料(4人分)]

・・・・・

2合

油揚げ

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6枚

アスパラ、菜の花のぬかみそ漬け

・・・・・

各4本

ゆず

・・・・・

1/2個

水溶き片栗粉

・・・・・

大さじ2~3

A:レモン汁・酢(各大さじ2)、砂糖(大さじ2と1/2)、塩(小さじ1)、レモンの皮のすりおろし(1/2個分)

B:黒酢(大さじ4)、砂糖(大さじ2)、塩(小さじ1/3)

[作り方]

1.

油揚げは半分に切り、まな板にのせ菜箸を転がしてのし、袋状に開く。熱湯で1分ほど茹でて、ざるに上げ水気を切る。

2.

鍋にA.の材料を煮立てを入れて落とし蓋をし、煮汁がなくなるまで煮含め冷ましておく。

3.

米は硬めに炊き、熱いうちにあらかじめ混ぜ合わせたB.を回しかけ、すし飯をつくる。アスパラ、菜の花のぬかみそ漬けは薄切り、ゆずは皮を千切りにして混ぜ込む。

4.

2.の汁気を軽く絞り上部を1cmほど内側に折り込み、12等分して軽く丸めた3.を中につめる。

Point

人参、きゅうりなど、他のぬかみそ漬けでもおいしくできます。アスパラ、菜の花は、さっと塩ゆでして冷水にとり、水気を切ってから漬けると短時間で色よく漬かります。