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食のちから 体を養い心を磨く 第4回:ゴーヤーを豚肉、豆腐と炒める

食のちから 体を養い心を磨く

指導・監修

宮城重二(みやぎ しげじ) 先生

琉球大学保健学部(現・医学部)を卒業。東京大学大学院博士課程修了。保健学博士。
琉球大学保健学部、同医学部助手を経て、1991年女子栄養大学助教授、97年から同大学教授(保健管理学)。『日本一の長寿県・沖縄に学ぶ健康長寿食』(女子栄養大学出版部)、『沖縄の食材・料理』(監修)(プロジェクト首里実行委員会)などの著書がある。

暑さを乗り切る沖縄の伝統料理

「チャンプルー」は、沖縄の食卓に
最もよく登場する伝統料理の一つ。
チャンプルする(混ぜ合わせる)ことで
生まれる味と栄養バランスは、
長年、亜熱帯で生きる人々の
健康と長寿を支えてきたといわれます。
中でも夏の健康野菜・ゴーヤーを使った
チャンプルーはその代表。
暑さを元気に乗り切るための自然の恵みと
調理の知恵が凝縮されています。

太陽が照りつけるほど健康パワーが増す夏野菜

 気温が上昇し、食欲が減退しがちになるころ、苦みと栄養価が増すゴーヤー(ニガウリ)。ビタミンCなどが豊富に含まれていることでも知られ、沖縄では古くから庭先などで自家栽培されてきました。
 様々な料理に多用されますが、どの家庭でもよく作られるのがゴーヤーチャンプルーです。野菜のビタミンCは加熱すると損失しやすいのですが、ゴーヤーのビタミンCはほとんど壊れない特性があり、また他の食材と炒めることで苦みが和らぎ、美味しくいただけます。

豚肉も下ゆですることで美味しくヘルシーに

 ゴーヤーとともにチャンプルーの主役となる豆腐や豚肉も、沖縄の人々の健康と活力に欠かせない重要な食材。沖縄豆腐は、天然にがりを使い、ビタミン・ミネラルが多く含まれます。豚肉は、下処理として塊のまま長時間ゆでこぼし、余分な脂肪とアクを徹底的に取り除くのが大きな特徴で、チャンプルーでも、下ゆでしておいた皮付きの三枚肉(バラ肉)を薄切りして使います。
 皮や脂身にコラーゲンをたっぷり含んだ豚肉は舌触りも滑らか。栄養豊富な沖縄豆腐とともに、歯の弱い方でも美味しくいただける、夏の優れたスタミナ源です。

体にうれしい素材を美味しく混ぜ合わせた夏の健康料理

 もともと沖縄の食文化には、体に良い素材を一緒に組み合わせて摂る「相互補完」という考え方があります。
 ビタミン・ミネラルが豊富な夏野菜と、良質な動物性・植物性のタンパク質、炒め油の脂質が過不足なく摂れるゴーヤーチャンプルーは、栄養学的にも実に理にかなった健康料理といえるでしょう。
 最近では全国的に、ゴーヤーや豚バラ肉のブロックもずいぶんと入手しやすくなりました。身近な材料で手軽に作れ、ちょっとした工夫で本格的な味になりますから、この夏、ご家庭でも試してみませんか?


今月のレシピ

沖縄の恵みと知恵が凝縮したゴーヤーチャンプルーの作り方

ゴーヤーチャンプルー

材料(4人分)
ゴーヤー・・・400g
ゆで豚バラ肉の薄切り・・・120g
沖縄豆腐(または木綿豆腐)・・・300g
・・・2個
サラダ油・・・適宜
・・・少々

※木綿豆腐を使う場合は水気をよく切ります。
※ゴーヤーはかき混ぜすぎると苦みが出るので、加えてからは手早く仕上げましょう。

作り方
  • 1.ゴーヤーは縦2つ割りにし、スプーンで種とワタを取る。薄切りにして塩を少量ふり、しんなりしたら水気をしぼる。
  • 2.熱したフライパンに油をひき、豚バラ肉、大きめにちぎった豆腐を入れ、豆腐の表面に色がついたら皿に取る。
  • 3.フライパンに油を少量加え、ゴーヤーを入れて炒める。
  • 4.しんなりしたら豚バラ肉と豆腐を戻し、卵を溶いて流し入れ、塩で味を調える。

現代人の食生活の短所を補う沖縄の伝統料理の底力

体に必要なものを上手に過不足なく摂るのが、沖縄料理の伝統。
私たちの食生活でも見習いたい点は大いにあります。

緑黄色野菜をしっかりと

温暖で様々な種類の緑黄色野菜が採れることに加え、炒めたり煮込むことでかさが 減るため、結果的に多くの量を摂ることにつながっています。

素材のだしを活用

味付けは、昆布や豚肉のだしを多用し、塩やしょうゆなどの調味料をあまり使わないのが特徴。

タンパク質は動物性と植物性をバランス良く

タンパク質は動物性と植物性をバランス良く摂ることが大切。それに該当するのが豚肉と沖縄豆腐です。特に豚は、肉だけでなく皮や豚足なども軟らかく煮込んで調理します。それらの部位に多く含まれるコラーゲンは健康のために大切な成分。そうした自然の恵みを大事にいただく食文化も、沖縄に元気で長寿な人が多い大きな理由といえるでしょう。