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食のちから 体を養い心を磨く 第5回:秋刀魚を炭で焼く

食のちから 体を養い心を磨く

秋刀魚は焼く前に表と裏に振り塩をします。
網は事前によく焼き、皮にハケでお酢を薄く塗っておくと、網につきにくくなります。

取材協力/気仙沼市水産課・観光課
気仙沼漁業協同組合

DHAもEPAもたっぷり、今が旬!

特に9~10月ごろ、産卵のために
千島海峡から三陸沖を南下する「秋刀魚」は
脂がのっていて、健康に良い不飽和脂肪酸も
たっぷり含まれています。
この時期の「秋刀魚」を
炭火で焼いた美味しさは、また格別。
豊かで深い味わいに、秋の訪れを感じます。

江戸の昔より、 実りの秋を象徴する海の幸

 実りの秋。焼きたての秋刀魚にしょうゆをまわしかけ、熱々の身を箸でほぐして、新米のごはんといただく瞬間ほど、自然の恵みのありがたさ、日本人に生まれた幸せを実感する時はないのではないでしょうか。
 遠く江戸時代より、秋刀魚は庶民に愛されてきた魚。脂がたっぷりのった旬の秋刀魚は安くて美味しい上、食べると健康に良いことから、「秋刀魚が出ると按摩が引っ込む」「按摩泣かせ」といわれていました。
 良質なタンパク質のほか、青魚のサラサラ成分DHAやEPAもたっぷり。ともに健康に大切なn-3系と呼ばれる脂肪酸ですが、秋刀魚を1尾(130g前後)食べれば、1日の目標摂取量をほぼ補うことができます。
 今では、健康に良い食材として注目されている秋刀魚の健康パワーを、江戸時代の人たちはすでに体で知っていたのです。

脂を蓄えて三陸沖を南下する9~10月が旬

 現在も食卓にのぼる秋刀魚はほとんどが国内で水揚げされたもの。海産物の多くを輸入に頼る中、とても貴重な食糧資源でもあります。
 全国屈指の水揚げ高を誇る気仙沼では、8月から北海道東部沖で獲れる秋刀魚が市場をにぎわせ始めますが、一番美味しいのは、産卵のため脂を蓄え9~10月に三陸沖を下る30~40cm大のもの。その巨大な大群を、船の集魚灯を点灯させて網の中へと誘い込む「棒受け網」と呼ばれる漁法で一挙に捕獲します。
 鮮度の良い秋刀魚は、生で刺身にすると絶品ですが、肉厚な身の醍醐味を味わうには、やはり塩焼きに限ると地元の人は口をそろえます。

炭火による「遠火の強火」で絶品のうまさに

 塩焼きも、炭火で焼けばそのうまさはさらに格別なものに。遠火の強火で皮目はパリッと香ばしく、中身は赤外線による輻射熱でふっくらとジューシーに焼き上がります。
 また、脂が炭火に落ちて出た煙の薫煙効果で、さらに豊かな風味が加わり、まさにこたえられない美味しさです。
 料理法もいろいろ楽しめる秋刀魚。この秋、美味しく味わってみませんか?


今月のレシピ

旬の秋刀魚の上手な選び方と美味しく食べる知恵

店頭では、太めで目が澄んだもの、背が青黒くてつやの良いものを選びましょう。お腹が張っているのは活きが良いといわれます。
また、塩焼きでは、たっぷりの大根おろしも忘れずに。
秋刀魚は塩焼きはもちろん、炒めてよし、煮てよしと、料理法も幅広いのが魅力。地元でも作られる簡単で美味しい料理をいくつかご紹介します。


冷めてもさっぱりと美味しい「黒酢煮」

  • 1.秋刀魚(4尾)は頭と尾、内臓を除いてブツ切りに。
  • 2.塩水でよく洗い、水気を切って鍋に入れる。
  • 3.らっきょうの甘酢漬け(約20粒)、煮汁(酒1/4カップ・黒酢1/4カップ・しょうゆ大さじ1・蜂蜜適宜・水1/4カップ)を加え、ふたをして火にかける。
  • 4.沸騰したら火を弱め、時々崩さないように混ぜ、汁気がほとんどなくなるくらいまで20~30分煮る。

ゴマの香りが香ばしい「黒ゴマつけ焼き」

  • 1.秋刀魚(2尾)は三枚におろし、身をさらに3~4つに切る。
  • 2.たれ(酒大さじ2・みりん大さじ1・しょうゆ小さじ4・しょうが汁小さじ1)で下味をつけ、片栗粉、卵白、黒ゴマ(各適宜)の順にまぶしつける。
  • 3.油を熱したフライパンに並べ入れ、弱めの中火で両面をカリッと焼く。

汁にもうま味たっぷりの「つみれ汁」

  • 1.秋刀魚(2尾)は三枚におろし、身を包丁でたたくかフードプロセッサでミンチ状にする。
  • 2.ここに酒、みそ、片栗粉、塩、しょうがのみじん切り(各適宜)を入れ、軽く粘りが出るまで混ぜ合わせる。
  • 3.水に昆布を入れて沸かしただし汁を、しょうゆ、塩、酒で調味し、スプーンで丸めるようにつみれをすくって鍋に落とす。
  • 4.煮えたら長ネギのみじん切り(適宜)を散らす。

※作り方はいずれも4人分

上で紹介している「黒酢煮」には、坂元のくろず 天寿(3年もの)をおすすめします。 坂元のくろず 天寿(3年もの)/720mL
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