海に面する地中海沿岸では、魚料理もバラエティー豊か。中でも旬の魚介類を使った熱々の「ブイヤベース」は、この季節にぴったりの一皿です。地域によって使う素材も様々ですが、鍋ひとつで作れる伝統料理には、青魚の健康成分を上手にいただくヒントがありました。

昔から私たち日本人に身近な青魚。その代表であるイワシやアジ、サバなどには、タンパク質やカルシウム、ビタミン類などのほか、体内でほとんどつくることができない必須脂肪酸のDHAが豊富に含まれています。
青魚のサラサラ成分DHA・EPAは、熱を加えると魚から流れ出てしまうため、調理の工夫で上手にいただきたいものです。

南仏料理「ブイヤベース」は元来、漁師の料理。売り物にならない魚介類を煮込んで食べたことが起源といわれています。
シンプルな調理法ながら、様々な魚介類や野菜の旨みが重なり奥深い味わい。イワシやアジをつみれにすると、ブイヤベースによく合い、新鮮な美味しさです。具材の旨みや栄養成分が溶け出たスープもパンですくい、残さず美味しくいただける点が魅力です。

また、DHAは酸素に触れると酸化しやすいという性質があるので、つみれにはゴマやしょうが、長ねぎ、みそなどの抗酸化成分を含む食材をたっぷりと。風味が高まるとともに、DHAを酸化から守るちからになります。
さらに、エビやにんにく、玉ねぎ、パプリカ、オリーブオイルなどにも様々な抗酸化成分が含まれており、一緒に組み合わせて摂ることでDHAのガード力もアップ。
栄養豊富で体が温まる、地中海風のスープ料理を味わってみませんか。