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食のちから 体を養い心を磨く 第13回:肉を「酢」で煮る

食のちから 体を養い心を磨く

監修

検見﨑聡美(けんみざきさとみ)先生[料理研究家・管理栄養士]

赤堀栄養専門学校卒業。和をベースにした飽きのこない味に、新しいアイデアをプラスしたレシピが好評。
著書に『豆腐の出番』(文化出版局)、『お酢をつかった元気レシピ』(青春出版社)などがある。料理制作では、ベストセラー『粗食のすすめ』(東洋経済新報社)シリーズを手がけている。

夏を元気に過ごすために

昔から、「体に良い」といわれる酢。
ビタミンB1が豊富な豚肉をさっぱりと、
しかも柔らかく食べやすくしてくれます。
また、特に真価を発揮するのは、
骨付きの肉を煮込んだ時。
不足しがちなカルシウムを豚の骨から引き出し、
補給してくれます。
酸味もまろやかで、
酸っぱさが苦手な方にもおすすめです。

肉の旨みと栄養を、美味しく引き出す知恵

 酢は、穀類や果実などで作った酒を酢酸菌で発酵・熟成させたもので、洋の東西を問わず古くから使われてきた健康に役立つ調味料。
 また、豚肉はビタミンB1を豊富に含む食材。酢で煮ることで肉が柔らかくなり、脂っこい肉もさっぱりとした味わいとなり、夏にぴったりです。
 さらに、酢には食材に含まれているカルシウム、マグネシウムなどを引き出すちからもあるため、スペアリブなら骨に含まれたカルシウムが煮汁に溶け出します。そのため、煮汁までいただくと骨の強化にもなります。
 このように健康に役立ち、汗と一緒に流れ出るミネラルの補給にもつながる”肉を酢で煮る”という調理法は、実際に東南アジアなどの暑い地域に多く、その代表的な料理としては、フィリピンの「アドボ」(骨付きの肉の酢煮)などがあります。まさに暑さを上手に乗り切るための、先人たちの食の知恵といえましょう。

健康維持の強い味方。頼もしい酢のパワー

 ほかにも、酢には健康に役立つ様々な働きがあります。また、調味料としても、さっぱりとした風味に仕上げる、魚の生臭さを中和する、まろやかな味に調える、減塩につながるなど、家庭料理の強い味方です。
 酢は、黒酢・米酢・ワインビネガーなど、材料や作り方によって種類も様々です。料理に合わせて上手に使い分け、酢のパワーでこの夏も元気にお過ごしください。


今月のレシピ

仕上げの黒酢で芳醇な香りと味わいに 「豚スペアリブの黒酢煮」の作り方

材料(2人分)

豚スペアリブ ・・・6本
塩(豚の下味用) ・・・少々
サラダ油 ・・・大さじ1/2
にんにく ・・・1片
玉ねぎ ・・・1個
オクラ ・・・適量
ミニトマト ・・・適量
・・・1/4カップ
黒酢 ・・・1/2カップ
・・・2カップ
A 砂糖 ・・・小さじ1
みりん ・・・大さじ2
・・・小さじ1
しょうゆ ・・・大さじ1
黒酢(仕上げ用) ・・・適量

作り方

  • 1.にんにくは軽くつぶす。玉ねぎは6つ割りのくし形に切る。ミニトマトはへたを取る。オクラは色よくゆでる。
  • 2.スペアリブに塩をもみ込む。
  • 3.フライパンにサラダ油を中火で熱し、2を焼きつける。全体にこんがりと焼き色がついたら、煮込み鍋に移す。
  • 4.鍋を中火にかけ、にんにくを加えて熱する。にんにくの香りが立ったら、酒、黒酢の順に加えて煮立て、全体をからめる。
  • 5.Aを加え、煮立ったら弱火にし、アクを取り、落とし蓋をして30分煮込む。
  • 6.塩、玉ねぎを加え、さらに30分煮る。スペアリブが柔らかくなったら、しょうゆを加えてひと煮し、オクラとミニトマトを加え、黒酢を加えて仕上げる。

※豚バラ肉や鶏の手羽肉を煮込んでも、柔らかく美味しく仕上がります。
※米酢もお使いいただけます。

知っておくと何かと重宝! 黒酢のつけだれ

簡単で美味しい黒酢のつけだれレシピ。様々な料理に応用できて便利です。

中華風だれ:餃子、しゅうまい、春巻、鶏のから揚げなどに 黒酢 大さじ3 + ラー油 小さじ1

ピリ辛だれ:蒸し鶏、小籠包、餃子などに 黒酢 大さじ3 + 豆板醤 小さじ1 + しょうがの千切り 少々

香りだれ:白身魚の刺身、ゆで豚、蒸し魚、チヂミなどに 黒酢 大さじ3 + しょうゆ 大さじ1 + 砂糖 大さじ1 + 長ねぎのみじん切り 大さじ1 + にんにくのみじん切り 大さじ1

※ 米酢もお使いいただけます。

上で紹介している「黒酢煮」には、坂元のくろず 天寿(3年もの)を使用しています。 坂元のくろず 天寿(3年もの)/720mL
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