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食のちから 体を養い心を磨く 第15回:ガスパチョ

食のちから 体を養い心を磨く

監修

丸山久美(まるやまくみ)先生[料理研究家]

ツアーコンダクター時代にスペインで知り合ったご主人と結婚。マドリッドに14年間暮らし、その間に食べ歩き、料理学校通いをする。2000年に帰国。身近な食材を使ったスペイン家庭料理研究家として、雑誌や新聞、講演などで活躍中。スペイン料理教室も主宰している。著書に『スペインから届いた、ほっとやさしいレシピ』『豆とスープが待つ食卓』(ともに文化出版局)などがある。

涼を呼ぶ、夏の元気スープ

夏の代表的なスペイン料理「ガスパチョ」。
語源はラテン語の「カスパ(かけら)」ともいわれ、
いろいろな野菜やパンを細かく刻んで混ぜ合わせ、
冷やしていただきます。さっぱりと食べやすく、
体に大切な成分がまとめて摂れるこのスープには、
熱暑のもとで暮らす人々の知恵が詰まっています。

炎天下での作業を支える農夫たちの携帯食がルーツ

 ガスパチョは、スペイン南部アンダルシア地方の伝統料理です。その昔、農夫がパンとにんにく、料理の残り物などをつぶし、水で薄めたものを容器に入れて作業の合間に飲んでいたのが始まりといわれています。
 様々な野菜類に、ビネガー(酢)、オリーブオイル、パンなどが入ったスープは、素朴ですが栄養満点。灼熱の暑さで知られるこの地方の人々が、過酷な環境のもと農業で生活を営んでこられたのは、ガスパチョのおかげともいわれています。

夏野菜の健康成分が凝縮。スペインの家庭の味

 夏野菜はトマト、ピーマン、玉ねぎ、きゅうりなどが使われ、特にトマトは完熟したものをふんだんに使います。それぞれの野菜に含まれるビタミン・ミネラル類がバランス良く摂れ、加熱しないので栄養も逃げません。
 さらに、風味を引き立てるビネガーやにんにくには、クエン酸やアリシンが含まれているので、暑い夏を元気に乗り切るためにはうってつけの料理。スペインでは家庭ごとにレシピがあり、夏になるとたっぷり作って冷蔵庫で冷やし、毎日のように食卓に上っています。

体にやさしく食欲を呼び起こすひと皿

 今では、スペインのほとんどの家庭がミキサーやフードプロセッサーで作りますが、昔ながらに乳鉢を使ったり、角切りにして混ぜ合わせる作り方もあります。冷たくさわやかな酸味は、食欲のない時でも食べやすく、体にもやさしいひと皿。身近な材料で簡単に作れますから、暑い夏のアペタイザー(前菜)として、ぜひお試しください。


サラダ感覚でいただく夏の冷製スープの定番 ガスパチョの作り方

材料(4人分)

トマト ・・・ 約500g(中5個または大3個)
きゅうり ・・・ 1本
ピーマン ・・・ 1個
玉ねぎ ・・・ 1/4個
にんにく ・・・ 1片
パン(耳なし) ・・・ 1枚
オリーブオイル ・・・ 大さじ3
白ワインビネガー
(なければ米酢)
・・・ 大さじ2
・・・ 小さじ1/2
トッピング ・・・ ゆで卵・トマト・きゅうり・ピーマンなどお好みで
エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル ・・・ 適宜

作り方

  • 1.きゅうりは皮をむく。にんにくはみじん切り、ほかの野菜はざく切りにする。(すり鉢を使う場合はトマトは皮をむく)
  • 2.パンは水150ccつけておく。
  • 3.1と軽く絞った2のパンをミキサーにかけるか、すり鉢ですりつぶす。
  • 4.オリーブオイルを少しずつ加え攪拌(かくはん)し、ビネガーを加えて塩で味を調える。
  • 5.4を冷蔵庫で冷やす。
  • 6.お好みで、小さく角切りにしたトッピングを添え、エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルをかける。

ポイント

ミキサーに材料を入れる時は、トマトなどつぶれやすいものから順に素材を入れるとよく混ざります。

アレンジで新鮮な美味しさに

「トマトのコールドスープ」

使う野菜はトマトとにんにくだけ。上記の材料できゅうり、ピーマン、玉ねぎを抜いて作ります。完熟トマトの風味を実感できます。

「りんごのガスパチョ」

上記の材料でピーマンとにんにくの代わりに、りんご1個(芯と皮を取り薄切り)とレモン果汁を使います。さわやかな美味しさです。

「和風ガスパチョ」

使う野菜はトマトときゅうりの2種類。パンは加えません。オリーブオイルをごま油(小さじ4)に、白ワインビネガーは合わせ酢[米酢小さじ2、めんつゆ(3倍濃縮タイプ)小さじ4]に代えると、やさしい和風の味に。トッピングは、オクラ、みょうが、万能ねぎ、シソの葉などがよく合います。

この料理は、ロザーティ社  エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルを使用しています。 エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル/500mL
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