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食のちから 体を養い心を磨く 第20回:柚子

食のちから 体を養い心を磨く

実生の場合、柚子は実をつけるのに約15年かかりますが、樹齢が長く、毎年美しい黄金色の実が育ちます。(高知県・馬路村)

取材協力/高知県東京事務所 高知県農業振興部

心身を癒す清新な香気

柑橘類の中では
最も古い歴史をもつといわれる柚子。
その清々(すがすが)しい香りと酸味は
「柑橘の女王」ともいわれ、
平安の昔より食用や薬用として
用いられてきました。
表皮から果汁まで丸ごと利用でき、
お風呂に浮かべれば身も心も温まる柚子湯に。
小さな果実に詰まった豊かな魅力をお届けします。

独特の香りと酸味には冬の体にうれしい働きが

 寒い季節、鍋ものや椀ものなどの薬味や吸い口として欠かすことができない柚子。その爽やかな香りや酸味成分には、心身の働きに役立つ自然のめぐみがたっぷり詰まっています。
 独特の芳香は、果皮に含まれるリモネンなど、百種類以上の精油成分によるもので、気分をリラックスさせる働きがあります。また果皮に含まれるビタミンCはレモンよりも多く、風邪の予防や肌の健康にも役立ちます。
 一方、果汁にはクエン酸などの有機酸が豊富で、疲労回復に役立つほか、食欲の増進にも良いとされています。

暮らしの中で多彩に活躍。毎日が豊かで華やかに

 柚子の魅力は食用ばかりではありません。その代表が、アロマテラピー効果を生かした「柚子湯」でしょう。
 お湯に溶け出した爽やかな精油成分が、鼻腔や肌から浸透し、体の芯から温めてくれます。柚子湯は、体に冷えを感じるときに良いといわれ、俳句では冬の季語になっています。
 外皮から果汁まで、丸ごと暮らしに役立つ果実です。

先人の柚子への愛着が生んだ伝統食品の知恵

 黄色く色づいた柚子の収穫期は晩秋から初冬までですが、柚子酢、柚子こしょう、柚子茶、柚餅子(ゆべし)、かんずりなど、そのめぐみを一年中享受できる伝統食品もいろいろとあります。
 今は柚餅子というと餅菓子を指す場合が多いのですが、もともとは柚子の中身をくり抜き、味噌やゴマ、胡桃(くるみ)などを詰め込んで蒸し、寒風で干し上げた保存食。古くは戦(いくさ)の兵糧(ひょうろう)に用いられたとも伝えられ、いかに柚子が身近で貴重な存在であったかがうかがえます。
 日本人の生活に深く溶け込み、先人の知恵とともに受け継がれてきた柚子のちからを、冬の食卓に取り入れてみませんか。

手軽で美味しい手作り加工品 柚子を使った加工品は様々ありますが、ご家庭で手軽に作れるものも少なくありません。その中から、食卓に常備していると重宝な、「柚子のマーマレード」をご紹介します。

トーストやヨーグルトにぴったり。お湯で溶かせばホット柚子ジュースに。「柚子のマーマレード」

材料

柚子・・・ 適量
砂糖・・・ 柚子の皮と同じグラム分
※使われる柚子の量に応じてご調整ください。

作り方

  • 1柚子はよく洗って横半分に切り、種は除く。レモン絞りなどで汁を絞っておく。
  • 2中袋をこそげ取り、外皮は細切りにしておく。
  • 3鍋にたっぷりのお湯を沸騰させ、2の外皮を入れる。再沸騰してから約3分間茹で、ざるに上げておく。
  • 4鍋に3の外皮と1の絞り汁、砂糖を入れて火にかける。
  • 5木ベラなどでかき混ぜながら煮詰め、お好みのとろみ具合になったら火からおろす。

※熱湯消毒をした瓶などに密封し、冷蔵庫で約2週間~1カ月保存できます。

夏場の青柚子は、刺激的な涼味が魅力

黄色に成熟する前の青柚子は、小ぶりで硬く、果汁も少ないのですが、酸味や香りはより刺激的。その特徴を生かした香辛料が「柚子こしょう」です。作り方は意外と簡単。青柚子の皮をすりおろし、青唐辛子のみじん切りをお好みの量加え、すり合わせて塩で味を調えればできあがり。高知県では柚子の皮を細かくきざんで混ぜる地域もあります。

美味旬感 提供/サントリーウエルネス

毎回1つの旬の食材を取り上げ、食材のもつ“ちから”やその魅力を伝えます。フォトグラファーが旬の産地を訪れ、その食材の最高の 一瞬をカメラにおさめます。

本ページ写真/城山勇治

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