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食のちから 体を養い心を磨く 第26回:とうもろこし

食のちから 体を養い心を磨く

監修

検見﨑聡美(けんみざきさとみ)先生[料理研究家・管理栄養士]

赤堀栄養専門学校卒業。和をベースにした飽きのこない味に、新しいアイデアをプラスしたレシピが好評。 著書に『豆腐の出番』(文化出版局)、『お酢をつかった元気レシピ』(青春出版社)などがある。料理制作では、ベストセラー『粗食のすすめ』(東洋経済新報社)シリーズを手掛けている。

大地が育む豊かな甘みと栄養価

真夏の太陽を浴びて力強く育ったとうもろこし。
焼きたてや茹でたての美味しさは格別です。
黄色い粒はすべて、種となる「生命の源」。
糖質やビタミンなどが豊富に含まれ
夏場の栄養補給にもぴったり。
大地ですくすくと育った元気なちからを
体内に届けてくれる作物です。

古代文明を支えた高い栄養価

 とうもろこしは、米、小麦と並ぶ世界三大穀物の一つです。実の主成分は炭水化物ですが、奥の白い胚芽の部分にはビタミン類や脂質が、そして実の表面には食物繊維がたくさん含まれており、栄養バランスに優れているのが特徴です。
 作物としての歴史は古く、中南米ではマヤ・アステカ文明のころから栽培されていたといわれており、日本には16世紀後半にポルトガル人によって伝わりました。様々な品種がありますが、現在、私たちが食べているのは、多くが甘味種のスイートコーンで、7月から9月にかけてが収穫の最盛期です。

実はもちろんひげにも優れた働きが

 穂先のひげが縮れ、褐色になったら収穫どき。もいで皮をむくと、芯に沿って美しく並んだパールのような粒が現れます。ひげはとうもろこしの雌しべで、よく見ると一本一本が粒とつながっています。ひげの本数と粒の数は同じですから、ひげが豊かなものほど、粒ぞろいの良品。瑞々しいシャリシャリとした食感と、フルーツのような甘さが楽しめます。
 ひげは食べる時に取り除きますが、漢方では「南蛮毛」という名前で利用します。体内の水分の代謝を促してくれますから、捨てずに刻んでスープに入れるなど工夫してもよいでしょう。

収穫後はできるだけ早く調理し食卓に

 とうもろこしを美味しく食べるコツは、新鮮なものを選び、購入したらできるだけ早く火を通すこと。収穫から時間の経過とともに糖分が失われていくので、産地では「鍋を火にかけてから採りに行け」と例えられているほどです。
 その日に食べない場合は、茹でて冷まし、ラップに包んで冷蔵しておくと1~2日は美味しくいただけます。
 蒸しても、茹でても、焼いても良しの夏のとうもろこし。その凝縮された豊かな香りと甘みを味わってみませんか。

旬のとうもろこしを美味しく食べる知恵

茹でるよりも蒸す方が甘さもひときわ

すぐに食べる場合は蒸すのがおすすめ。皮をむく時に内側の皮を1枚残しておくのがコツです。蒸気の上がった蒸し器に入れ、強火で10~15分蒸し上げます。

料理の時は、実のはずし方も大切

包丁で削り取る方が早いのですが、実が破れて中のジューシーさや胚芽の栄養も失われてしまいます。まず粒の縦のラインに沿ってナイフを入れ、1列分をはずすと、指で残りの粒がきれいにはずしやすくなります。

濃厚な甘みを活かした簡単メニュー

エスニックな風味が新鮮 つぶつぶディップ

材料(約1カップ分)

とうもろこし

・・・1本

にんにく(みじん切り)

・・・小さじ1/4

玉ねぎ

・・・1/8個

ミニトマト

・・・2個

オリーブオイル

・・・大さじ1

・・・1/2カップ

A:塩小さじ1/3、こしょう少々、お好みでクミン、チリペッパー各少々

作り方

  • 1.とうもろこしは茹でて実をはずし、2/3の量をフードプロセッサーなどでペースト状にする。
  • 2.鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかけ、玉ねぎのみじん切りと5mm角に切ったミニトマトを炒め、1を加える。
  • 3.なじんだら水とAを加えて弱火で煮、汁けがなくなったら、残りの1/3のとうもろこしの実を加えて混ぜ合わせる。

※保存は冷蔵庫で3~4日が目安です。 ※パンや野菜などにお好みで。

温かいままでも冷たくしても美味 すりながし汁

材料(4人分)

とうもろこし

・・・1本

鶏のささみ

・・・1本

だし汁

・・・3カップ

白みそ

・・・大さじ3

作り方

  • 1.とうもろこしは茹でて実をはずし、だし汁1カップを合わせてミキサーにかける。鍋に移し、残りのだし汁を加え、中火にかける。
  • 2.煮立ったら、そぎ切りにした鶏のささみを加えてひと煮し、白みそを溶き入れ、なじんだらできあがり。

※冷製の時は、ミニトマトやオクラを切って加えると夏らしい味わいです。