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食のちから 体を養い心を磨く 第27回:栗を新米と炊く

食のちから 体を養い心を磨く

取材協力/小布施町役場

秋の実りの豊かな競演

ともに秋の味覚の代表格。生命力を養う実として
珍重されてきた栗と、
同じ時期に出始める新米とは、
味はもちろん栄養面でも好相性。
ほくほくと秋を実感させる「栗ご飯」には、
冬に向かうスタミナになる、
大地の恵みがたっぷりと詰まっています。

自然の恵みに感謝する秋の節句の行事食

 秋の味覚を代表する栗は、日本人にとって大変なじみ深い食材。縄文の昔から保存が効く貴重な食材として、また豊作や勝利を祈願する縁起物として利用されてきました。
 その代表といえる行事が、旧暦九月九日の「栗節句」でしょう。中国では「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれ、最高の徳を表す数字の九が重なることから、大変おめでたい日とされていました。それが日本に伝わり、江戸時代には、七草・桃の節句・端午の節句・七夕と並んで「五節句」に制定され、諸大名が江戸城に集まり菊酒を飲み、栗ご飯を食べて菊花を観賞したといわれます。旧暦の九月九日は新暦では十月に当たり、ちょうど田畑の収穫も行われるころ。農山村では、初穂を神仏に供えたり、栗ご飯を炊いて豊作を祝う祭事が行われ、現在もその風習が残っている地方もあります。
 栗を新米とともに炊き上げた栗ご飯は、恵みの秋を享受する “ハレの日”のごちそうです。

心も体も元気になる優れた組み合わせ

 日本の栗は、ほとんどが野生種のシバクリから改良されたニホングリで、中でも小布施地方(長野県)は、丹波地方(京都府)と並んで昔から知られる名産地。江戸時代まで藩が栗林を管理し、幕府へ献上して評判になったと伝えられます。
 近年は、輸入物も多く出回っていますが、大粒で甘い旬のニホングリを使った栗ご飯はやはり格別。栗には、米の糖質をエネルギーに換えるために必要なビタミンB1が多く、ほかにもビタミンC、食物繊維などが含まれており、丈夫な体作りを支えてくれます。
 すがすがしい新米の香りとほくほくとした栗の甘みは、まさに日本人である喜びを実感させてくれる豊かな味わい。心にも体にも元気を与えてくれる栗ご飯を、この秋、ぜひご家庭で作ってみませんか。

美味しい「栗ご飯」の作り方

栗は皮の色が褐色で光沢があり、身がふっくらとして重いものを選びましょう。お好みで黒ゴマや千切りにした青柚子の皮をのせていただくと、栗の甘みがさらに引き立ちます。

材料(4人分)

うるち米(新米) ・・・3カップ
昆布のだし汁 ・・・3と1/2カップ
栗(皮つき) ・・・400~500g
焼きみょうばん ・・・少量
・・・大さじ2
A みりん ・・・大さじ1
・・・小さじ1
しょうゆ ・・・大さじ1

作り方

  • 1.米は洗い、炊く30分前に水切りしておく。
  • 2.栗は皮をむき、焼きみょうばんを溶いた水に30分ほどつける。
  • 3.水を替えて、栗を2~3分茹でる。
  • 4.炊飯器のお釜に1の米と3の栗、昆布のだし汁、Aの調味料を入れてよく混ぜて炊く。

※焼きみょうばんがなければ水につけるだけでも結構です。

もち米で「おこわ」にしても美味

一晩水につけておいたもち米を、他の材料とともに、ふきんを敷いた蒸し器で蒸せば「栗おこわ」に。さらに、にんじん、ごぼう、水で戻した干ししいたけ、ちくわなどを加えて蒸すと、彩りの良い「五目おこわ」になります。

栗の里おすすめの伝統菓子「栗の茶巾しぼり」

材料は栗と粉砂糖だけ。皮ごと茹でた栗を2つに割ってスプーンで中身を出し、すり鉢ですります。アルミホイルにつぶした栗を3cmの厚さに敷き、オーブントースターで約5分間焼きます。冷めてからボウルに移し、粉砂糖を加えてよく混ぜたら、一口大の量をふきんでくるんでしぼり、茶巾型にします。粉砂糖の量は、栗の重さの10分の1が目安です。