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食のちから 体を養い心を磨く 第28回:味噌

食のちから 体を養い心を磨く

取材協力/みそ健康づくり委員会

毎日の元気を支える伝統食品

日本の食卓に欠かせない味噌。
免疫力を高め、体を丈夫にする、
日本が生んだ発酵食品の
代表ともいえる存在です。
昔から、長く私たちの健康を支え続けてきた
そのちからを、ここでもう一度賢く取り入れ、
病気に負けない体作りを!

味噌は「医者要らず」

 大豆と麹(こうじ)と食塩を混ぜ合わせ、発酵熟成させた味噌は、古代中国の調味料をもとにつくられた日本独自の調味料です。8世紀にはすでに日本でつくられていたともいわれています。
 味噌が庶民にも販売されるようになった江戸時代、当時の代表的な食の解説書『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』で、味噌は「腹中を寛(くつろ)げ、血を活かし、百薬の毒を解する」と書かれています。今日、科学によって解明された豊かな栄養素や機能性を、江戸の人々は経験的に知っていたのでしょう。

発酵が生み出す豊かな風味と健康成分

 味噌は発酵熟成により独特の香りと旨みが生まれますが、その過程で成分においても様々な効能が加わります。主原料である大豆は「畑の肉」とよばれる良質なタンパク質の宝庫ですが、発酵によってアミノ酸やビタミンなどが多量に生成され、栄養面でもさらに優れたものになります。
 ここで重要な働きをしているのが、麹菌や酵母、乳酸菌などの微生物です。麹菌が大豆のタンパク質やでんぷんを分解、発酵、熟成させる酵素を作り、その酵素の働きによってできたブドウ糖などを栄養にして、乳酸菌が体に有益な“ちから”を味噌に与えています。
 味噌になると、大豆にはない様々な機能成分が加わるのはその恩恵。味噌の乳酸菌は、厳しい自然環境で生き抜く強さをもつ植物由来の乳酸菌で、体内では丈夫な体を作る頼もしいちからになります。

いろいろな野菜が入った具だくさんの味噌汁を

 味噌といえば、最もなじみがあるのが味噌汁でしょう。塩分が気になる方も多いかもしれませんが、お椀一杯の塩分量はそれほど多い方ではありません。また、具はナトリウム(塩分)を排出する働きがある、カリウムの豊富な野菜やいも類などがおすすめです。
 味噌は今、海外でも注目され始め、評価が高まっている伝統食。そのちからを日々の健康作りに役立ててみませんか。

味噌の種類と上手に利用するための知恵

種類:麹の種類で大きく変わる味噌の味

一口に味噌といっても、地域の風土に根ざした多様な種類がありますが、使用する麹の種類により、大きく下記の3種に分けられます。味は甘味噌・甘口味噌・辛口味噌、色も赤・白・淡色と実にバラエティー豊かです。

米味噌:北海道みそ 津軽みそ 秋田みそ 仙台みそ 越後みそ 佐渡みそ 会津みそ 江戸甘みそ 信州みそ 加賀みそ 関西白みそ 府中みそ 讃岐みそ 御膳みそ 麦味噌:瀬戸内麦みそ 九州麦みそ 豆味噌:東海豆みそ

米味噌

米麹を使用したオーソドックスな味わい。北から南まで幅広い地域でつくられており、日本で生産されている味噌の約8割を占めます。

麦味噌

麦麹独特の芳香と甘みが特徴。主に中国、四国、九州地方などでつくられ、料理では冷や汁、さつま汁などが有名。

豆味噌

蒸した大豆を球状にした「味噌玉」に種麹と香煎を加えて仕込む製法で、濃厚な風味が特徴。愛知、三重、岐阜が主な生産地。

知恵:味噌漬けで美味しく保存

味噌には魚や肉の臭みを取り、雑菌の繁殖を抑える働きがあります。その働きを利用したのが「西京漬け」などの味噌漬け。保存と味付けを同時にできますので、ぜひお試しください。

作り方

作り方

  • 1.白味噌に酒・みりんを少量加えてのばす。
  • 2.密閉容器に1の半量を敷き詰め、魚(サワラ、タラなどの切り身)を並べ、上に残りの味噌を敷き詰める。
  • 3.冷蔵庫で1~2日置く(焼く時は味噌をふき取る)。

洋風料理にも利用したい調味料

隠し味に少量使うと、複雑な旨みとコクが加わります。グラタンやクリームシチューなどの乳製品を使った料理には白味噌が、カレーやビーフシチュー、トマトソースなどには赤味噌が合います。