• メールで送る

食のちから イタリアの伝統に息づく 第44回:ハーブが香る食卓の知恵

食のちから 体を養い心を磨く

監修

北村 光世(きたむら みつよ)先生

京都府生まれ。アメリカ留学中、ハーブに強い関心を持つ。青山学院大学で29年間スペイン語を教えた後、ハーブや世界各国の食文化の研究に専念。2003年イタリアのパルマに日伊文化交流センターを設立。『ハーブさえあれば』(文化出版局)など著書多数。

ハーブとは、香りを持つ有用植物のこと。
イタリアでは、そのちからを食事に取り入れて、
料理の香り付けやにおい消しのほかに、
食材の殺菌、保存や健康維持のために
活用してきました。
今月は、ハーブの恵みを活かした
イタリアの伝統料理をご紹介します。

大地に育まれた恵み

 イタリアには、ハーブを使った料理が多くありますが、それは地中海沿岸地方が、気候風土に恵まれ、植物が多く自生していた肥沃(ひよく)な土地であったことに由来します。例えば、イタリア料理に欠かせないオレガノは山に自生するハーブで、名前の語源は“山の喜び”。今でも南イタリアでは、花の咲くころ山に登り、オレガノを採って料理に使っています。
 また、イタリア料理といえば、バジルというハーブを連想される方も多いかもしれません。しかし、バジルの原産地はインド周辺で、その昔、海路、陸路を経てイタリアに入り、栽培されるようになりました。
 このように、イタリアでは古くから自生していたハーブや、外国から入ってきたハーブを栽培して、その恵みを日々の暮らしに役立ててきました。

ハーブを食卓取り入れて

 イタリアでは、料理に使うハーブは新鮮な香りを大切にするので、フレッシュなものにこだわります。使い方は、生のまま冷たい料理に、あるいは種類によっては煮込みやローストなどの長く加熱する料理にも使用します。また、たくさん収穫できた時は、リキュールとして飲用します。ハーブはイタリア人にとって不可欠な食材です。
 ハーブを料理に使えば、その香りでいつもの食材も手軽に美味しくなるばかりか、健康の維持にも役立ちます。イタリアで育まれた伝統料理を参考に、ハーブを食卓に取り入れてみませんか。

ハーブを使ったイタリアの伝統料理

肉・魚など、様々な料理によく合う万能ソース グリーンソース

材料(4人分)

A
イタリアンパセリ ・・・みじん切り大さじ2と1/2
ケイパー ・・・みじん切り大さじ2
にんにく ・・・みじん切り小さじ1/2
粒マスタード ・・・小さじ1/2
アンチョビーペースト
(またはアンチョビーフィレ6枚を細かくつぶす)
・・・大さじ1
レモン汁(肉料理に使う場合は
赤ワインビネガー小さじ1/2)
・・・小さじ1/2
エキストラ・ヴァージン・
オリーブオイル
・・・約100cc
・・・少々

作り方

  • 1Aを混ぜ合わせ、レモン汁を加えさらに混ぜる。
  • 21にエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルを入れて、よく混ぜ合わせ、お好みで塩を加え、味を調える。
  • 3ゆでた豚肉や鶏肉、白身の魚、パン、ゆで卵などのソースとして使う。

※みじん切りにする材料は、できるだけ細かく刻んでください。

イタリアンパセリ 葉が平たく、普通のパセリよりも苦みが少ないのが特徴。
どんな料理ともよく合います。

手軽に作れて、生パスタとの相性は抜群! セージ・バターソース

材料(4人分)

バター ・・・大さじ3程度
セージ ・・・1~2枝

作り方

  • 1フライパンにバターを溶かし、セージを入れる。
  • 2セージに火が入ったら、焦げないうちに火を止め、
    パスタや魚料理のソースとして使う。

セージ 強い香りとほろ苦さがあり、バターと合わせても料理がしつこくなりません。

ハーブとオリーブオイルが、野菜の旨みを引き立てる なすのオリーブオイル漬け

材料(4人分)

なす ・・・500g
塩水(3.5%程度の濃度) ・・・適量
にんにく ・・・大1片
赤唐辛子 ・・・1~2本
バジル(またはスペアミント20枚) ・・・10枚
米酢 ・・・大さじ2
エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル ・・・適量
・・・少々

作り方

  • 1なすは、へたを取って厚さ3~4mmの輪切りにし、塩水に1時間ほどひたしたら、かたく絞る。
  • 2にんにくは薄くスライス。赤唐辛子は種を除き、薄い輪切りに。バジルは使う直前に手で粗くちぎる。
  • 31に米酢をかけて軽く混ぜ、密閉容器などに一段分を広げ、2を所々に散らし、何段か繰り返し重ねる。途中、お好みで塩を振りかけてもよい。
  • 4なすが隠れるまでエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルを注ぎ、冷蔵庫で一晩漬け込む。

※食べて残ったオイルは、パスタやソテーなど調理に使っても美味しく召し上がれます。

※冷蔵庫で1週間くらい保存できます。

バジル ミントのような爽やかさと、スパイシーな香り、甘みを持つハーブ。
ペースト状のソースにしたり、トマト料理にもよく用いられます。