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食のちから 第56回:あんず

食のちから 体を養い心を磨く

指導

福田 淳子(ふくだ じゅんこ)先生 「料理研究家・フードコーディネーター」

カフェ・レストランなどでのメニュー開発を経て、独立。一般家庭でも手に入る材料で、簡単に美味しく作れる料理やお菓子のレシピを提案。『まいにちドライフルーツ』(メディアファクトリー)、『材料7つで作るおやつの本』(マイナビ)など著書多数。

健康を守る成分の宝庫

初夏の訪れを告げるように朱色の実をつけるあんず。
原産地の中国では、杏仁(きょうにん)というあんずの種子を採取するために栽培されてきた歴史があり、果実を食べるようになったのは、日本では欧米の品種が導入された明治時代以降といわれています。
健康に役立つ豊かな成分が、体を芯から元気づけてくれます。

群を抜く健康パワーの秘密

 あんずは、種子だけではなく、果肉に含まれる健康成分も別格。特にβ-カロテンの100g中の含有量は、果物の中でも群を抜いています。β-カロテンは、健康を守る成分・ビタミンAに体内で変換されます。
 また、酸味のもとのクエン酸や食物繊維も豊富です。

干すことで保存性や栄養成分もさらにアップ

 あんずの旬は6月から7月にかけての一時期。旬が短く、また日本で栽培されるあんずの多くは加工用で酸味が強いので、コンポート(シロップ煮)やジャムなどにして食されてきました。生のものを店頭で目にする機会はあまりありませんが、購入する時は、色鮮やかでツヤと張りのあるものを選びましょう。
 保存性と栄養面では、生果以上に注目したいのが干しあんずです。干すことで、甘みや旨みとともに栄養成分も凝縮され、β-カロテンは約3倍、カリウムは6倍以上に増え、その栄養価はドライフルーツの中でトップクラスです。

 

料理からデザートまでアレンジもいろいろ

 干しあんずは、そのまま食べたりお菓子の材料にしたりと、アレンジ方法もいろいろ。コンポートにすると、生果とは違った美味しさです。
 また、ぜひ試していただきたいのが、オレンジジュースなどで戻して使う方法。半生のようなやわらかさになり、酸味もプラスされます。デザートとしてはもちろん、干し柿のように刻んで白和えに加えるのもおすすめ。そのほかにも、フードプロセッサーにかけて肉料理や白身魚のソースとして使うと、料理の良いアクセントになります。
 体に元気をくれる旬の恵みを、初夏の食卓に取り入れてみませんか。

フレッシュでもドライでも美味! あんずコンポート ヨーロッパの家庭で親しまれている伝統的な食べ方です。どちらでも冷蔵庫で1週間ほど保存できます。

酸味が爽やかフレッシュタイプ

材料(作りやすい分量)

あんず(生) ・・・8個
A
・・・400mL
白ワイン ・・・100mL
砂糖 ・・・150~200g
(あんずの甘さやお好みで加減を)

作り方

(1)
あんずはよく洗って、へたを竹串で取り除く。皮つきのまま縦に包丁を入れて両方の手で果実を持ち、それぞれ反対方向に回しながら半分に割り、種を取り除く。
(2)
鍋にAを入れ、砂糖が溶けたらあんずを加える。沸騰したら落としぶたをし、弱火で10分ほど煮る(煮ていると皮がむけやすくなるので、お好みでそのまま皮をむいてもOK)
(3)
冷めたらシロップごと容器に移し入れ、冷蔵庫でよく冷やしていただく。

大人の味わいドライタイプ

材料(作りやすい分量)

干しあんず ・・・100g
A
・・・50mL
白ワイン ・・・50mL
砂糖 ・・・大さじ1
レモン汁 ・・・大さじ2

作り方

(1)
鍋にAと干しあんずを入れて火にかける。
(2)
沸騰したら落としぶたをし、弱火で10分ほど煮る。
(3)
冷めたらシロップごと容器に移し入れ、冷蔵庫でよく冷やしていただく。

コンポートのアレンジメニュー

カナッペやサンドイッチに

両タイプとも、刻んでクリームチーズと一緒にカナッペにしたり、パンにはさんでいただいても美味。

肉料理や魚のカルパッチョのソースに
フレッシュタイプ

コンポート(100g)にオレンジジュース(50mL)を合わせてフードプロセッサーにかけ、小鍋で半量になるまで煮詰める。

ドライタイプ

コンポート(50g)にシロップ(25mL)、レモン汁(小さじ2)を加えてフードプロセッサーにかける。