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第67回 内側から涼やかに 冬瓜 とうがん 監修

うちだ さとる 内田悟さん [青果納品業店主]

食のちから 体を養い心を磨く

東京・中央区でレストラン専門青果店「築地御厨」を営むかたわら、「やさい塾」を無料で開講し、一般消費者に安全安心な野菜の選び方や扱い方を分かりやすく伝えることに尽力。著書に『内田悟のやさい塾旬野菜の調理技のすべて保存版〈春夏〉/〈秋冬〉』(メディアファクトリー)など多数。

7月から9月にかけて出回る「冬瓜」。夏が旬でも、冷暗所で冬まで保存できることから、その名がついたともいわれています。煮込むと、とろけるような翡翠色に変わる果肉には、暑い夏を元気に乗り切るために役立つみずみずしい健康成分が含まれています。

堅固な皮は種を守る強い生命力の証し

 夏に旬を迎える〝ぶらさがり野菜〟の中でも、ひときわ大きく実を太らせて登場するのが「冬瓜」。ウリ科の中では、キュウリやスイカの陰に隠れがちですが、日本では古くから親しまれてきた野菜です。奈良時代には冬瓜の粕漬けが作られたともいわれ、これが奈良漬の原型という説も。「皮が堅固なのは、果肉の水分の蒸発を防ぎ、中心の種を守るため。命をつないでいこうとする強い生命力の証しです。だから収穫時のまま、長期に保存することができるのです」(内田 悟さん)

こもった熱を追い出し、暑気払い

 果肉にたっぷりと含まれた豊かな水分は、たくさん汗をかく夏の体にとっても、うれしい恵み。こもった熱を外に出して涼やかにする働きがあり、一種の暑気払いの役割を果たしてくれます。
「みずみずしい果肉は、やわらかく煮るとお腹にやさしく、食欲の落ちる夏にはぴったり。旬の野菜は、その季節に体が欲するものを届けてくれると改めて思います」(内田さん)

ちょっとした工夫で定番料理がぐんと美味しく

 冬瓜を選ぶ時は、重みがあり、へたが中心にあるものを選びましょう。皮を厚くむいたら、煮くずれを防ぐため面取りをし、下茹でをすると苦味が取れて、口当たりもまろやかになります。「冬瓜は味が淡白なので、旨みの出る食材を使った和食の煮物がよく合います。だしを含ませるように、弱火でじっくり煮るのが調理のポイント。夏は煮てから冷やしていただくと、とろけるような清涼感が広がります」(内田さん)
 夏の元気を支える旬のちからを、食卓に取り入れてみませんか。

夏の体にやさしい 豊かでまろやかな味わい 冬瓜の蟹あんかけ

とろけるような口当たりと、だしが染み込んだ深い味わいが魅力。とろみは葛粉を使う場合が多いのですが、片栗粉でも十分美味しく仕上がります。

材料(4人分)

冬瓜
・・・・・・・・1/4個(約800g)
かつおだし汁
・・・・・・・・500cc
・・・・・・・・・・・・・100cc
砂糖(粗製糖がおすすめ)
・・・・小さじ1
蟹の身(缶詰など)
・・・・・・・100g
みりん
・・・・・・・・・・小さじ1
・・・・・・・・・・・・・・適量
しょうゆ
・・・・・・・・・・・少々
片栗粉
・・・・・・・・・・大さじ1

作り方

  • (1)
  • 冬瓜は4等分に切り、種とワタを取る。大きめの一口大にカットしたら厚めに皮をむく。面取りをし、沸騰した湯で30秒ほど下茹でし、ざるにあげる。
  • (2)
  • 鍋にだし汁と水を入れて煮立たせ、冬瓜と砂糖を入れ弱火で40分ほど煮る。途中アクが出たらすくう。(砂糖を加えると味が染み込みやすい)
  • (3)
  • 透き通ってやわらかくなったら冬瓜を鍋から取り出し、蟹の身を入れる。蟹の旨みが出てきたら、みりん、塩、しょうゆで調味する。
  • (4)
  • (3)に少量の水(材料外)で溶いた片栗粉を入れて、とろみをつける。
  • (5)
  • 器に冬瓜を盛りつけ、蟹のあんを回しかける。

【冷やしていただく場合】

(3)の冬瓜と(4)の粗熱をとったものを冷蔵庫で1時間ほど冷やし、器に盛る。
※蟹の代わりに、蟹かまぼこやほたての缶詰などでも美味しくできます。

厚くむいた皮も上手に活用! 冬瓜の皮のきんぴら

冬瓜の皮(1/4個分)を千切りにする。フライパンにゴマ油(大さじ1/2)、しょうがスライス(1〜2枚)を入れて熱し、香りが立ってきたら冬瓜の皮を加えて強火で炒める。全体に火が通ったら、水(大さじ1/2)を加え、塩を少々振る。しょうゆ(大さじ1/2)、みりん(大さじ1/2)で味付けをして、お好みの歯ごたえに仕上がったら器に盛る。

※味付けはお好みで調整してください。

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