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食のちから第71回 苦みと酸味で体を浄化 山菜ちらし

指導・監修 西井 郁 先生

16歳で渡仏、フランス家庭料理や製菓技術を学ぶ。1983年に帰国後、フランス家庭料理教室を主宰し、料理やハーブ関連の本を執筆。1993年に東京都小金井市の尼寺「三光院」の住職に師事。現在、竹之御所流精進料理の後継者としてテレビや料理教室で精進料理の普及に努めるとともに、フランス料理研究家としても活躍中。

雪解けとともに芽吹き始める山菜たち。四季折々の大地の恵みを食材とする精進料理においては、春を待つ喜びの食材です。お祝いやおもてなしなどで作るちらしずしに山菜をちりばめた一品は、目にも鮮やかで春を元気に迎えるちからを与えてくれます。

体が待っていた山菜の香りとほろ苦さ

ふきのとう、たらの芽、わらび、山うど、ふき、こごみ…。早春を待ちわびていたかのように、大地から顔を出してくる個性派ぞろいの山菜たち。私たちがその強い風味やほろ苦さを美味しいと感じるのは、この季節の体が求めている味であり、ちからを秘めているからでしょう。

山菜の香りや苦みには、冬の間に溜まったものを排出させて、体を冬の眠りから目覚めさせてくれる働きがあるといわれています。大地は、この季節の体に必要なものを与えてくれて、その恵みをいただく有り難さを改めて教えてくれます。

山菜たちが彩りと秘めたちからを競い合う

山菜は、味噌汁やおひたし、天ぷら、酢味噌和え、味噌炒め、きんぴらなど様々な料理に使われます。春を感じる食材をちらす、ちらしずしはおもてなしにもぴったりです。野菜や豆腐を中心とした材料で作る精進料理のちらしずしは、人参の赤、干し椎茸の黒、高野豆腐とれんこんの白、湯葉の黄、絹さやの緑を使った五色が基本。湯葉と絹さやの代わりに、山菜をたっぷりとちりばめます。

山菜と相性の良い黒酢が春の元気を後押し

具材とともに、ちらしずしに欠かせない調味料が酢。爽やかな酸味は、食欲を増進させ、体の疲労回復や代謝を助ける働きがあるといわれています。

酢の中でも、特に黒酢は山菜と好相性。長い時間をかけて発酵・熟成された黒酢の深いコクと味わいが、山菜特有の香りやほろ苦さとよくなじみ、眠っていた体がシャキッと目覚めるような美味しさです。

山菜ちらしで、食卓にひと足早く春の息吹を呼び込んでみませんか。

山菜ちらしで、春を待つ体の準備 春の「野山の精」たちの緑と黄色が目にも鮮やか。ふきやわらびなどは市販の水煮などを利用すれば、下ごしらえすることなく手軽に作ることができます。

材料(4人分)

< 酢飯 >
ご飯
・・・・・・・・約300g(約1合分)
すし酢
・(黒酢、砂糖各大さじ1と1/3、
塩小さじ1弱)
< 混ぜる具材 >
高野豆腐(薄切り)
・・・・・・・・1枚

A(水2と1/4カップ、砂糖大さじ2と1/8、塩小さじ1強)

人参(千切り)
・・・・・・・・・・1/6本
干し椎茸(細切り)
・・・・・・・・1枚

B(油小さじ1、砂糖大さじ1/2、しょうゆ大さじ1)

れんこん(薄切り)
・・・・・・・1/4本

C(昆布だし汁50cc、酢小さじ1/2、砂糖小さじ2)

< 上に飾る具材 >
ふき*
・・・・・・・・・・80g
わらび*・こごみ*
・・・・・各8~10本

D(昆布だし汁100cc、しょうゆ小さじ1/2、塩小さじ1/8)

山うど(穂先)
・・・・・・・・・1/4本

E(水400cc、酢小さじ1)

姫たけのこ*
・・・・・・・・・・・4本
ふきのとう(生)
・・・・・・・・・1個
紅しょうが
・・・・・・・・・・・適宜

*は市販の水煮を使用 ※上写真中央の飾り用ふきのとうは分量外

作り方

(1)
炊きあげたご飯に、すし酢を合わせて酢飯を作る。
(2)
高野豆腐と干し椎茸をやわらかく戻す。高野豆腐はA(2カップ分)と弱火で約25分、人参はA(1/4カップ分)と弱火で2~3分、干し椎茸はBと中火で約1分、れんこんはCと中火で汁がなくなるまで煮て、味を含ませる。
(3)
ふきと姫たけのこ、わらび、こごみは食べやすい大きさに切り、Dに20〜30分浸す。
(4)
山うどは食べやすい大きさに切り、Eに10分さらす。
(5)
(1)の酢飯に水気を切った(2)を入れ、よく混ぜ合わせて器に盛り、(3)(4)と細かく刻んだふきのとう、紅しょうがをちりばめる。

若葉の爽やかな香味をいただく サラダ感覚の摘み草ちらし

生でいただける山菜を使ったサラダ感覚のちらしずし。山菜以外の混ぜる具材、作り方は上記と同じです。水で洗ったせり(8本)、クレソン(8本)、のびる(4本)、三つ葉(8本)と、酢水にさらしてあく抜きをした山うど(穂先=2本)を適当な大きさに刻み、全体にちらせばできあがり。
※材料は4人分

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