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食のちから第74回 元気のもと 赤じそ

監修 大原 千鶴先生

奥京都・花背の料理旅館・美山荘の次女として生まれ、小学4年生のころから宿のまかない料理を担当し、現在は料理研究家として活躍中。著書に『家族が好きな和のおかず』(世界文化社)、『わたしの十八番レシピ帖〔定番もの〕』(文藝春秋)などがある。

「しそ」というと、青じそを思い浮かべるかもしれませんが、漢字で〝紫蘇〟と書くように、本来は赤じそを指す言葉。紫色の葉を病人に煎じて飲ませ、蘇らせたという中国の古い言い伝えに由来するともいわれています。赤じそは5月から出荷が始まり、6~7月が旬。その健康パワーを食卓に上手に取り入れる工夫について、料理研究家の大原 千鶴先生に教えていただきます。

鮮やかな色に秘められた健康作用

日本に5000年以上前に渡来し、栽培されている赤じそ。梅干しや漬物、保存食などに昔から使われることが多い香味野菜ですが、健康維持に役立つ栄養素や機能成分がたっぷりと詰まっています。

ビタミンA・C・Eや、余分な塩分を排泄するカリウムなどのミネラルを含みます。さらに、紫の色素成分のアントシアニンは紫外線が気になる季節の力強い味方になります。

赤じそと京都人の知恵が生んだ「しば漬け」

赤じその葉と塩だけで、なすやみょうがなどの野菜を漬け込む「しば漬け」は、京都・大原に古くから伝えられてきた伝統食。野菜の表面についている乳酸菌の働きを利用した発酵食品ですが、暑いさなかに雑菌を抑えて美味しい漬物ができるのは、大原の赤じそ特有の強い香りと殺菌力のおかげといわれています。

しば漬けに含まれる乳酸菌は生命力が強く、暑い夏を乗り切るための頼もしい成分です。

大切な赤いちからをジュースで無駄なく

赤じそが本格的に出回る時季に、産地でよく作られているのが赤じそジュースです。

食卓に爽やかな味と香りを届ける旬の素材。すっきりとした酸味と、美しいルビー色に凝縮された豊かな成分で、体の中から活力が蘇ってくるようです。

赤じそのちからで、毎日を元気に過ごしましょう。

冷水やソーダで割っても。ゼリーにしても美味!濃縮赤じそジュース

材料(約1リットル分

赤じその葉
200g
青じその葉
10枚
1000cc
上白糖
500g
クエン酸
13g

作り方

(1)
赤じその葉は念入りに洗い、水気をよく切る。
(2)
分量の水を沸騰させ、(1)と洗った青じその葉を入れて1分を限度にゆがく。
(3)
葉を取り出した煮汁に、葉の搾り汁も加える。
(4)
(3)を中火にかけ砂糖を入れて溶けたら、火を止める。
(5)
クエン酸を加えるとルビー色に。粗熱を取り、清潔なガラスの保存びんに入れて冷蔵庫で保存する。

※約6カ月間保存できます
※青じそを少し足すことで、より香りが立ちます

つるんとした喉ごしが魅力!赤じそゼリー

作り方

(1)
濃縮赤じそジュース(60cc)をぬるま湯(120cc)で割り、砂糖(大さじ1)を入れて溶かす。
(2)
粉ゼラチン(2g)に湯(大さじ3)を加えて溶かし、(1)とよく混ぜ合わせたら容器に入れて冷蔵庫で冷やし固める。

※材料は2人分

濃縮赤じそジュースで搾った葉は「ゆかり」に ごはんやパスタに、肉や魚の臭み消しにと、様々な場面で活躍します

作り方

(1)
搾った葉(濃縮赤じそジュースで使った分の1/4量)をボウルに入れ、塩をひとつかみ入れてよくもみ、出てきた紫色のアクは捨てる。
(2)
米酢(1/2カップ)を加えてよくもみ、きれいな赤い色が出てきたら、汁ごとビニール袋に入れて冷蔵庫で一晩以上置く。
(3)
天気のいい日に(2)をザルに広げ、カラカラになるまで干したら、硬い軸は除き、擂り鉢で擂る。途中で塩大さじ1を加えて擂り、好みの細かさに仕上げる。