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食のちから第76回 滋養に富む根のパワー 本葛

監修 村岡 奈弥(むらおか なや)先生 [料理研究家・中医薬膳師・国際中医師]

フランスへの料理留学を経て、三ツ星レストラン「ミッシェル・ブラス」で修業。その後、中国政府認定の「国際中医師」資格を取得。料理教室を主宰するほか、テレビ、新聞、講演会など多方面で活躍中。旧姓加藤奈弥名義で『からだがサビない漢方ごはん』(日本放送出版協会)、『家族をいたわるスープブック』(講談社)など著書多数。

本葛とは、葛の根のでんぷんだけを使った葛粉のこと。和菓子の世界では、昔から夏の生菓子に欠かせません。本葛で作る「葛切り」も、暑い日にはうれしい一品です。体から余分な熱を追い出して、毎日を気持ち良く元気に過ごしましょう。

荒地でも根を張り増殖する強い生命力

葛は山野に自生しているマメ科の多年草で、秋の七草の一つです。荒地でも繁殖する生命力の強い植物で、茎は1日で数十センチも伸びるといわれています。

葛粉は、掘り出して乾燥させた葛の根を砕いて一晩水につけてから布でこし、こした液に水を加え、でんぷんを沈殿させて上澄みを捨てる、といった作業をでんぷんが純白になるまで繰り返し、最後に天日で乾燥させて作ります。

手間暇がかかりますが、その風味は本葛ならではの上品さです。

温かな葛湯は夏を乗り切る強い味方

注目したいのは、本葛には健康に役立つ成分がしっかり含まれていることです。体の表面の熱を冷ましながら、体に必要な水分を補ってくれるので、夏を元気に過ごすために積極的に摂りたい食材です。

本葛を約10倍のお湯で溶き、ゆずやレモンの搾り汁、ハチミツなどを加えると、食欲がない時でも飲みやすく、余分な熱が取れて、体の中から力が湧いてきます。

本葛で作る「葛切り」は暑さも吹き飛ぶ滋養食

本葛は、あんかけやスープのとろみ付け、揚げ物の衣など様々な利用法がありますが、夏の味覚としてぜひ味わいたいのが「葛切り」です。

ご家庭でも手軽に作れ、本葛だけを使った「葛切り」は味も格別。なめらかな喉ごしと清涼感に汗が引いていきます。暑さもこれからが本番。本葛のちからをどうぞご活用ください。

涼と元気を呼ぶ、夏の伝統スイーツ「葛切り」 黒蜜でいただくのが定番ですが、ぽん酢や三杯酢などでさっぱりといただいても美味です。

材料(2人分)

本葛
50g
120g
砂糖
大さじ1
黒蜜(市販品)
少々

作り方

(1)
ボウルでよく混ぜ合わせたAを流し缶に2~3mmの高さに入れ、沸騰した湯に浮かべる。 固まったら、湯の中に缶ごと沈め、透明になったら火を止める。
(2)
水を張ったボウルの中に缶ごと入れ、水の中で冷やした葛を缶から外す。
(3)
缶から外した葛をまな板に取り、お好みで5mm~1cm幅に切 る。
(4)
器に盛り、黒蜜をかける。

※流し缶はパットなどで代用できます。

滋養&美容成分が凝縮! 葛切りと相性のいい黒ゴマ黒蜜

黒蜜(大さじ5)と黒練りゴマ(大さじ2)を混ぜ合わせる。クコの実(大さじ1) をお湯(大さじ1)で戻して浮かべる。葛切りを黒ゴマ黒蜜につけていただく。

※材料は2人分です。