シャリッとした歯切れの良さと、みずみずしい甘さが特長。ジューシーな果肉には、毎日の元気を支える成分や、肉料理などの消化を助ける成分が含まれており、季節の変わり目を元気に過ごすには、うってつけの果物です。原産の中国では〝百果の宗〟と呼ばれて重宝されてきた、梨の魅力とおすすめの食べ方をご紹介いたします。

暑い日には、甘くて水分たっぷりの梨は特にうれしいもの。日本の秋を代表する果物の一つで、弥生時代にはすでに食されていたといわれています。
品種には、長十郎、幸水などの甘みが強い赤梨系と、二十世紀などの果汁の多い青梨系があり、様々な品種が出そろうこの時季は、いろいろ食べ比べる楽しみもあります。

梨にはビタミン類は少ないものの、体内のバランスを整えてくれるカリウムや、クエン酸などの多種類の酸を含んでいます。
また食物繊維も豊富で、さらに、タンパク質を分解する酵素も含まれており、肉料理などの消化を助ける働きもあります。

季節の変わり目を元気に過ごすため、積極的に食べたい梨ですが、選ぶ時は皮に張りがあり、軸が太く、お尻がふっくらしたものを。梨はお尻側が、柿はへた側が甘いので「梨尻柿頭(なしじりかきあたま)」ということばもあります。
そのまま皮をむいていただくのが一般的ですが、梨は酸味が強過ぎず、甘さもくど過ぎず、上品な風味なので、白和えやサラダにしたり、すりおろしたり、煮たり、炒めたりしても、意外な美味しさが楽しめます。
この秋、梨の新しい魅力を発見してみませんか。