ダイエット情報館

ダイエットのための「カラダ」と「栄養学」基礎 賢くやせ、気持ちよく生きるための「大人の食育」

「食」の役割を見直そう

「食」は栄養や食欲を満たすためだけのものでしょうか?毎日、「炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラル・・・」「あれもだめ、これもだめ」なんて考えていると、「食」の本来の意味あいを、つい忘れがちになってしまうかもしれません。「食」の一面はもちろん生きるためのエネルギーと栄養を自然の恵みからもらうこと。でも、お母さんのおっぱいを夢中で飲み、満たされて幸せに眠る赤ちゃんだった頃、一体誰がそんなこと考えていたでしょうか。「食」のもう一つの一面は、赤ちゃんにもわかる「幸せ感」です。私たち人間はみな、食べたくて食べ始めたのであり、そしてそれに飽き足らず、食を「文化」として発展させてきました。こと海と山の恵みに囲まれ、勤勉な農耕民族だった日本人は、高度な食文化を発展させる素質と心を備えていました。いまのように、「食」を機能でばかりとらえ、ときに食欲を憎む風潮は、社会として健康な状態とはいえません。

努力してダイエットに成功し、スマートなカラダを手に入れても、「食」の意味あいを忘れがちになると、次第に心の飢餓状態が現れ、なぜか食べ物が恋しくなったり、イライラを食べることで紛らわしたり、そんな自分に落ち込んでしまったりして、「元気で気持ちのよい暮らし」を手に入れるために始めたダイエットが、ストレスやリバウンドと闘う日々に一転してしまうかもしれません。

そうならないために、「食」の役割をもう一度見つめ、毎日の食事に感謝して満足し、ダイエット中でもイライラしたり落ち込んだりしない、いくつかの方法をご紹介しましょう。

1.彩(いろ)をたのしむ

色鮮やかで華やかな食卓は食欲を刺激しますが、それ以上に人をたのしい気分にさせ、食べる満足感を与えてくれます。それだけでなく、「彩り」というのは栄養的にもとても意味があるのです。青々とした緑の野菜には「クロロフィル(葉緑素)」、ニンジンやカボチャの鮮やかな黄色は「カロテン」、鮭やエビの赤い色は「アスタキサンチン」、黒ゴマや黒豆には「アントシアニン」、トマトの赤い色は「リコピン」、赤ワインの赤は「ワインポリフェノール」。さまざまな彩を生み出す食材たちは、どれもカラダにうれしい「色素」を湛えています。ポリフェノールに代表される「色素」たちは、さまざまなはたらきで私たちのカラダを元気付けてくれます。

2.温をたのしむ

ある朝、パンとカフェオレ、ベーコンと卵、それにサラダとフルーツの朝食をとるとしましょう。栄養バランスも良さそうな、充実した朝食といえますね。しかし同じメニューでも、パンの焼けるいい匂いの中で、冷たく冷やしたフレッシュフルーツとサラダ、カリカリに焼いたベーコンとふわふわのスクランブルエッグ、温かいカフェオレを、朝陽の差し込む部屋でいただいたらどうでしょう。なんだかいい一日をスタートできそうな気がしませんか?食材をできるだけ美味しい状態で食べてあげる人とそうでない人、どちらが心地よく健やかなカラダを手に入れることができるでしょうか。
「温かいものは温かく、冷たいものは冷たく」――立ちのぼる湯気やグラスに付く水滴も、食を彩る大切な要素なのです。

コンビニやスーパーのお惣菜も、最近はとても美味しく健康を意識したものがたくさん出ています。一品足りないときや時間のないときは、出来合いだからと躊躇せず、上手に取り入れたらよいでしょう。工夫次第でけっこうバランスよくたのしめるはずです。ただその時、パックのまま食卓に乗せるのではなく、温かいものは温めてお皿に盛り付け直すこと。お料理を大切に食べてあげると、食べ物は必ず「満足感」を返してくれます。

3.「五味」を味わう ~酸味~

五味とは、「甘い・辛い・苦い・酸っぱい・塩辛い」という五種の味のことです。なかでも味にメリハリをつけてくれるのが、「すっぱい!」という味覚、「酸味」です。フルーツや梅干、お酢には、疲労感を除いたり、ミネラルの吸収を助けたりもする「クエン酸」「リンゴ酸」「酢酸」といった酸味の成分が含まれています。「血液サラサラ」効果などでもおなじみになり、これらの成分がカラダに良いことは、もう自明のこと。いろいろな「味」をたのしむことは、ビタミン・ミネラルでは片付けられない健康効果にもつながっているのですね。

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4.「六味」を味わう ~旨味~

繰り返しになりますが、日本人は世界で唯一、「旨味」という味の概念をもつ民族です。先ほどの「五味」に加えて「六味」といいます。日本人は、昆布のもつ海の香りや干し椎茸に染み込んだ太陽のにおいを、敏感に感じとり親しむ心を持っているのです。

旨味の実態は、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸・・・などのアミノ酸で、これを解明したのも日本人研究者です。また、異なる旨味成分を混ぜ合わせると相乗効果が得られることもわかっていますので、色々な旨味を混ぜ合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。

5.歯と音でたのしむ ~食感~

カリカリ、パリパリ、サクサク、コリコリ、もちもち、シャキシャキ、つるん!食感を表す日本語ってなんてたくさんあるんだろうと感動しますね。こういった音を楽しむのと楽しまないのとでは、食事の楽しさとおなかの満足度が断然違います。栄養や味、香りのほかに、食感(歯ごたえ)もまた、食を彩る大切な要素です。よく噛むと素材の味もしっかり味わうことができます。

ひと口につき30回噛む「咀嚼法」など、ダイエットには「噛む」ことが大事、とはよく言われることですが、「食べ過ぎないため」だけではなくて、口の中のハーモニーを味わい食事をもっと楽しくするためにも、噛むことを少し意識してみてください。

☆★doughnuts time★☆ テレビは肥満の元凶?!

アメリカの最近の研究で、「テレビを見る時間が長い人ほど、肥満(BMI30以上)の危険度が増す」という研究結果が出ました*

テレビを見る時間が長い→動かない→カロリーが消費されない→肥満、という単純な話ではなく、テレビには「動かない」こと以上に、何か太る要因がひそんでいるようです。
考えられることは、食欲を刺激する美味しそうな映像が満載であること、なんとなく手持ち無沙汰でお菓子に手が伸びてしまったり、食事中であれば、目の前の料理ではなくテレビに意識がいってしまい、何をどれくらい食べたのか分からないまま食べ進んでしまうこと、などでしょうか。

ダイエットに行き詰ったら、少し意識してテレビを消してみる。そんなことも案外有効かもしれません。

*Frank B. Hu et al (2003) Television Watching and Other Sedentary Behaviors in Relation to Risk of Obesity and Type 2 Diabetes Mellitus in Women JAMA, 289:1785-1791

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