ハーブの知られざる魅力や幅広い活用方法をご紹介する『ハーブズ コラム』、
今回取り上げるのは、ご自宅でも手軽に作ることができるハーブチンキです。
ハーブを効率よく取り入れる手段のひとつ“ハーブチンキ”。わたしたち日本人にはあまり馴染みのないものですが、アメリカやヨーロッパではドラッグストアなどでも買うことができ、家庭でも日常的に使われているのだとか。さまざまにアレンジして使えるハーブチンキの作り方をマスターして、あなたの暮らしにも取り入れてみてくださいね。
ハーブをウオツカやホワイトリカーなどの無臭蒸溜アルコール液に浸し、特徴成分を抽出したものをハーブチンキと呼びます。お湯や水では抽出できない脂溶性の成分もアルコールには溶けだすため、ハーブの力を一度に効率よく取り入れることができるのが大きな魅力です。
それではさっそく、ハーブチンキ作りに挑戦しましょう!
今回は、スーパーや百貨店などで手に入れやすい「ジャーマンカモミール」のドライハーブ(ハーブティー用のもの)を使ったレシピをご紹介します。
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材料 ・ドライハーブ(ジャーマンカモミール)…約10g
・40度のウオツカ(または35度のホワイトリカー)…約100ml
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用具 漬け込み用のガラス容器(200ml程度)、
保存用の遮光ガラス容器、
計量カップまたはビーカー、茶こし、日付ラベル(2枚)
熱湯消毒した漬け込み用のガラス容器にドライハーブを入れ、ウオツカを注ぎ入れます。
ガラス容器のふたを閉め、ドライハーブがウオツカによく浸るように振ります。日付ラベルを貼って、冷暗所で約2週間保管します。成分がしっかり溶出されるよう、1日に1〜2回程度容器を振りましょう。
❷のドライハーブを茶こしで濾し、保存容器に入れ替えれば完成です。日付ラベルを貼り冷暗所で保管してください。
※アルコールを使用しているため、容器のふたをしっかりと閉め、子どもの誤飲や火気には十分注意して保管してください。
アルコールの殺菌作用があるため、ハーブチンキは冷暗所で1年ほど保存できます。
薄めて飲むことはもちろん、お肌のお手入れなどにも使えます。
先ほどご紹介した「ジャーマンカモミール」のハーブチンキは、りんごに似た甘く素朴な香りも楽しめて、アレンジも自由自在。おすすめの使い方をご紹介しますので、ぜひお試しください。
あたためたミルクやお湯にハーブチンキを数滴(1〜3mlほど)垂らして混ぜるだけ。ほのかに甘いカモミールの香りが漂い、リラックスした気持ちに導いてくれるので、おやすみ前にもピッタリです。
※妊娠中の方やお子様、お酒が苦手な方は、混ぜた後から電子レンジで温めるなど、アルコール分をしっかり蒸発させてからお飲みください。
※飲用時にアルコール分が残る場合がありますので、運転中および運転をされる前にはお飲みにならないようご注意ください。
寒さが深まるこれからの季節は、手浴や足湯でポカポカに。お風呂よりも少し熱めのお湯を洗面器に張り、ハーブチンキを数滴垂らします。手や足を10〜15分ほど浸しながら、湯気とともに立ちのぼるハーブの香りを浴びるように楽しみましょう。
手作りコスメや湿布剤にアレンジできるもの、うがいの際に使えるもの、お掃除に役立つものなど、漬け込むハーブによってハーブチンキはあらゆることに活用できます。基本をマスターしたら、さまざまなハーブを使ってアレンジしてみましょう。
芳醇な香りのローズ、寒さと乾燥のシーズンに頼りになるエキナセア、お肌の万能ハーブと呼ばれるカレンデュラなど、ハーブの力が凝縮されたハーブチンキは、あなたの暮らしを力強くサポートしてくれるはずです。
ウエルネスライフマガジン 2014年1月号掲載分