ハーブの知られざる力やお役立ち情報をお届けする『ハーブズコラム』。
今回は、日々の暮らしに彩りを添える「キッチンハーブ」の魅力をご紹介します。
お料理のアクセントになるローズマリーやバジル、スイーツやドリンクの飾りや香りづけに欠かせないミント、穏やかな香りで心をほっと和ませてくれるラベンダーなど、ハーブは日常のさまざまなシーンで活躍します。
ハーブズコラムVol.01でご紹介したように、ハーブはとても生命力の強い植物です。
広いスペースや恵まれた環境がなくても、気軽に育てることができるんですよ。
キッチンの窓辺に並べた鉢からハーブを収穫して、お料理やドリンクに、サッとひと工夫加えることができます。見て楽しむガーデニングと、収穫を楽しむ家庭菜園。両方の良さを兼ね備えていて、とってもお得ですね。
そして、ハーブの成長や変化を日々観察し必要に応じて手をかける時間には、わたしたちの気分をリフレッシュさせ、感受性を磨いてくれるという働きもあります。
ハーブの力をより身近に感じられ、見た目にも爽やかな「キッチンハーブ」のある暮らし。
明日の元気とキレイのため、さっそく始めてみませんか?
「キッチンハーブ」をはじめる前に、まずはハーブの選び方や上手に育てるためのポイントを抑えておきましょう。種子から育てたり、さし木やさし芽から殖やしたりする方法もありますが、まずは、手間の少ない苗からのハーブ栽培がおすすめです。
どんなハーブを育てたら良いか迷ってしまいそうですが、「キッチンハーブ」は、毎日気軽に取り入れやすいものを選ぶのがポイント。ローズマリー、ミント、バジル、ラベンダーなど、手に入りやすく使い勝手のよいものから始めてみましょう。
苗を選ぶときは、こんなところをチェック!
- 茎が太くて株元がぐらついていないか
- 病害虫がついていないか
- 葉が枯れていないか、葉や枝の数は豊富か
- 新鮮でよく育っているか
他の植物に比べて、ハーブは生命力が強いため、肥料にはあまり気を遣わなくてOK。
ただ、環境づくりには少し配慮が必要です。まずは、適度な日当たりがあり、風通しのよいところを選ぶこと。窓辺や南向きの暖かい場所に置くとよく育ちます。育てる品種の特性に合わせて最適な温度と湿度を保ってあげましょう。
それではさっそく、キッチンで楽しむハーブ苗を植えてみましょう!
ハーブ栽培には、通気性や排水性のよい素焼きの鉢が適しています。一般的な市販の苗のひとまわり大きいサイズ、4~5号
(直径12~15㎝)を選ぶとよいでしょう。
●ハーブ苗
●鉢・受け皿
●土(ハーブ用)
●砂利(鉢底石)
●鉢底ネット
●土すくい
●じょうろ
鉢底にネットを敷き、底が隠れる程度に砂利を入れます。
砂利に土をかぶせ、ビニールポットから取り出した苗を移します。
※鉢の上部は2~3㎝ほど残し、水がたまるスペースをつくりましょう。
苗と鉢のすき間に土をまんべんなく入れ、たっぷりと水を与えます。
ほとんどのハーブは、少し乾燥気味にしたほうが良く育つもの。鉢の中の水分が多いと根腐れしてしまうため、土の表面から2~3㎝が乾いて白くなってきた頃に水を与えます。そのとき、水が鉢底から流れ出るまで、たっぷりと与えることがポイント。土の中をリセットします。水やりは基本的に朝のうちに済ませてください。
ただし、クレソンやバジルなどのように、乾燥が苦手なハーブもあります。育てるハーブに合わせて水のやり方を変えましょう。
バジルやレモンバーム、ミントなどの葉は、収穫を兼ねて摘芯をしましょう。ひと枝に葉を数枚残し、わき芽のある節のすぐ上の部分を園芸用はさみでカットします。切った部分からわき芽が育ち、多くの葉を茂らせることができます。葉だけをちぎって採るよりも、葉にボリュームが出て、たくさんの収穫が望めます。
ハーブは地中海沿岸を原産とするものが多く、日当たりと風通しのよさを好みます。日当たりが悪いと光合成がうまくいかず元気をなくしてしまいますし、風通しが悪いと根元に新鮮な空気が送られず病害虫発生や病気の原因にもなります。外に植える場合などは、冬の寒さや夏の直射日光に注意しましょう。
いかがでしたか?
新鮮なハーブが近くにある暮らしは、便利なことはもちろん、
とっても気持ちのいいものですよ。
みなさまもぜひ、試してみてくださいね。
ウエルネスライフマガジン 2014年9月号掲載分