26 クリスマスを飾る、聖なる香りって?

ハーブの知られざる魅力や楽しみ方をご提案する「ハーブズ コラム」。
今回はクリスマスと関わりの深い香りについてのお話です。

イルミネーションに煌めく街並み。こころ弾むおなじみの音色。
今年もクリスマスまであとわずかとなりましたね。
世界各国で年中行事として根付いているクリスマスですが、
もともとは「イエス・キリストの生誕を祝う日」というのが有力な説。
クリスマスの語源はラテン語の「クリストゥス・ミサ」と言われ、
キリスト降誕の祭礼を意味しています。

植物の香りは特別な贈りもの

「没薬(ミルラ)」と「乳香(フランキンセンス)」 ハーブズコラムvol.13でご紹介したフルーツポマンダーや、玄関に飾るリースなど、この時期ならではのハーブや植物の活用法が、古くから受け継がれてきました。香りにもまた、クリスマスと関わりが深いとされるものがあります。それは、木の樹脂から採取される「没薬(ミルラ)」と「乳香(フランキンセンス)」。ここからは、「没薬」と「乳香」にまつわる逸話や香りの特長、クリスマスならではの楽しみ方などをご紹介します。

植物の香りに魅了され、その成分を取り出そうと工夫を凝らしてきた人類。古代文明の中で、植物から採取した香りは病を遠ざけるものとして珍重され、神への捧げものとして活躍しました。
イエス・キリストが生まれた時、三賢人が駆け付けたエピソードが広く知られますが、その際に三賢人より捧げられたのが、「黄金」のほかに「乳香」と「没薬」であったといいます。当時の人々にとって、植物の香りは金と並ぶほど価値あるものだったことが分かりますね。

「没薬」と「乳香」は、どちらも樹脂から抽出されますが、それぞれの香りの印象や働きはまったく異なります。

「没薬」は優れた抗菌作用をもち、古代エジプトでミイラの防腐剤としても使われていた植物。ムスク様の深い香りで、心を穏やかに整え、正しい選択へ導いてくれます。また、「乳香」は気持ちを鼓舞したい時にそっと背中を押してくれるような、ウッディ―で温もりのある香り。女性特有のお悩みの頼もしい味方としても知られています。
聖夜を包む至高のアロマ

束にしたシナモンスティックに精油を1~2滴たらしましょう。はるか昔、古代から人々に寄り添ってきた香り。「没薬」と「乳香」は、現代を生きる私たちも手軽に楽しむことができるんですよ。没薬は『ミルラ』、乳香は『フランキンセンス』と書かれた精油を探してみてください。
ムスクに似た濃厚な香りの『ミルラ』と、クリアでウッディーな香りの『フランキンセンス』。どちらも、ローズやネロリのような華やかさや、ミントやローズマリーのような爽やかさとはまた違う、深く厳かな香りが魅力です。

それぞれの香りを単独で使うのもいいですが、おすすめはシナモンとの組み合わせ。シナモンスティックに『ミルラ』と『フランキンセンス』の精油を1~2滴ずつたらして混ぜあわせれば、香りが調和してスパイシーで温もりある雰囲気に。束にしたシナモンスティックをクリスマスツリーやリースの飾りにして、お部屋にやさしく香りを広げましょう。

クリスマスを彩る聖なる香り、『ミルラ』と『フランキンセンス』。古代の人々もおなじ香りを感じ、神聖なものとして活用してきたのですね。ものごとの歴史や背景を知ると、より深く楽しめるもの。今年のクリスマスは、香りにもこだわって、大切なご家族や仲間と分かちあいましょう。

上記コラム内でご紹介しているハーブは「エンハーブ」の店舗およびオンラインショップでお買い求めいただけます。

ウエルネスライフマガジン 2015年12月号掲載分

今月のピックアップハーブ
学名:Crataegus monogyna/C.laevigata/C.oxyacantha
科名:バラ科
和名:セイヨウサンザシ
部位:葉、花、果実 ホーソン
ホーソン
ポンプ機能をサポートする健やかハーブ
古代から“多産の象徴”として親しまれてきたハーブ。古代ギリシャの結婚式では夫婦の繁栄を願って、招待客たちはホーソンの枝を身につけて出席したと言われています。また、ハートのリズムを穏やかに整える働きが知られ、古くから健康に気遣う人々に親しまれてきました。花と葉はクセのない淡い甘味が特徴。果実もほのかな酸味が加わり、どちらも親しみやすい風味です。