ハーブのさまざまな魅力や活用法をご紹介する「ハーブズコラム」。
今回は、いつもと少し趣向を変えて、ハーブにまつわる逸話、知られざるハーブの歴史をご紹介いたします。
コラムの主役は、「世界3大美女」の一人に数えられるクレオパトラと、彼女がこよなく愛したといわれるバラ。古代エジプト王朝最後の女王クレオパトラと、「花の女王」の異名をとるバラの間には、どのような結び付きがあったのでしょうか。
まずは古代エジプトまで時代をさかのぼり、ハーブと人々の歴史をふりかえってみましょう。
壮大なピラミッドや神殿の遺跡、黄金に輝くファラオのデスマスク。古代エジプトは3千年という長きにわたり繁栄を遂げるなかで、さまざまな文化・文明を発展させました。ハーブの活用もそのひとつ。薬効のある草木(ハーブ)で病気や傷を癒したり、香りでココロを癒したり、料理の風味づけや、防臭や防虫にと、現代にもつながる使い方で広く使われていたようです。
また、自然界すべてのものに「精霊が宿る」と信じられていたこの時代、草木(ハーブ)が持つ不思議な力は精霊からの贈り物、そして冥界とこの世をつなぐアイテムとして、宗教的な儀式にも使われていました。ハーブで作った香油の香りで邪気をはらったり、全身に塗って身を浄めていたと言われています。
クレオパトラは、ハーブを使いこなした歴史上の人物としても有名です。なかでも特にローズを好み、花びらをお風呂に浮かべて沐浴したり、ローズで埋め尽くされた寝室で甘美な香りに包まれて眠ったり・・・美に彩られたクレオパトラの生活は、さぞや豪奢なものだったでしょう。
当時(紀元前1世紀ころ)女王として国を治めていたクレオパトラは、政治的な駆け引きにもローズを利用しました。
エジプトを含めた地中海一帯を支配していたローマの権力者アントニウスと会うときには、自分の乗った船からローズの花びらを振りまいて、自らの存在感とエジプトの財力をアピールしたというエピソードが残されています。自らの美貌と才智に加え、ローズの魅力を味方につけて大国ローマと対等に渡り合った、クレオパトラの勇姿が目に浮かんでくるようです。
「ローズ」の語源は、「赤」という意味を持つケルト語の「rhodd」。このことからもわかるように、バラの原種はすべて赤。白やピンクなどは品種改良によって生まれたものだったんですね。クレオパトラがお風呂に浮かべたのも、きっと赤いローズだったのでしょう。
ローズの精油の甘く優美な香りは気持ちを高揚させ、多幸感を与えてくれます。同時に、心を落ち着かせ、落ち込みやイライラも穏やかに鎮めてくれる、とてもありがたいハーブです。
おすすめの使い方は、ローズの香りに包まれて入浴するアロマバス。お風呂全体に芳醇なローズの香りがひろがり、心身に深く働きかけてくれます。
バスソルト(30~50g)に、ローズの精油を1~5滴程度を垂らして混ぜ合わせれば、「ローズバスソルト」の完成です。
ティーにして飲むには、ローズヒップと1対1の割合でブレンドしたり、紅茶の茶葉に少しだけプラスしてみたりと、いろいろなアレンジで楽しむのがおすすめ。
立ちのぼる華やかなローズの香りを感じながら、クレオパトラが生きた古代エジプトに思いを馳せ、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
『ファラオの秘薬ー古代エジプト植物誌』(八坂書房)
『クレオパトラも愛したハーブの物語 魅惑の香草と人間の5000年』(PHP研究所)
幸福感に包まれる香りが、ココロとカラダを解きほぐす。
ローズやクラリセージなど全7種の香りがブレンドされたエッセンシャルオイル「シアワセ感じるアロマ」が、読者さま限定5%OFFでお買い求めいただけます。(2019年5月6日(月)まで)
> 「シアワセ感じるアロマ」ご購入ページはコチラ